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  • 2026.10.28
  • 高齢者の歩行障害とは?主な種類・原因と転倒を防ぐ対策を解説

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  • 高齢者の歩行障害とは?主な種類・原因と転倒を防ぐ対策を解説

    高齢者の歩行障害には、加齢による筋力やバランス能力の低下だけでなく、さまざまな疾患が関係しています。転倒や骨折を防ぐためには、歩き方の変化を早期に把握し、原因に応じた対策を行うことが重要です。

    しかし、高齢者の歩行障害について知りたくても、

    「歩行障害にはどのような種類や特徴があるの?」
    「歩行障害の原因や転倒を防ぐ方法は?」

    と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

    そこで本記事では、高齢者にみられる歩行障害の種類や特徴、主な原因を解説します。

    なお、神戸大学医学部整形外科では、株式会社マリンコアと共同で、足底インソールが足のアーチ構造や歩行時の安定性に与える影響について研究を進めています。

    こうした足元の安定性に関する視点も取り入れながら、歩行能力の維持・向上に向けた対策や転倒予防のポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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    目次

    高齢者の歩行障害とは?加齢による歩行の変化と特徴

    高齢者の歩行障害とは?加齢による歩行の変化と特徴

    歩行障害とは、歩行に必要な筋肉や骨・関節、脳・神経などの機能に問題が生じ、歩きにくくなる、または歩けなくなる状態を指します。歩行障害は転倒や骨折につながるおそれがあるため、歩き方の変化を早期に把握することが重要です。

    まずは、高齢者にみられる歩行の変化と代表的な特徴を解説します。

    歩く速度が遅くなる

    高齢者は、加齢に伴う筋力やバランス能力の低下によって、歩く速度が遅くなる傾向があります。

    歩行速度の低下には、太ももやお尻などの下肢筋力の低下が関係します。また、バランス能力が低下すると、身体の安定を保とうとして慎重に歩くようになり、歩行速度が低下する場合も少なくありません。

    過去に転倒や骨折を経験した高齢者は、再び転ぶことへの不安から、意識的に歩く速度を落とすケースもあります。

    歩幅が狭くなる

    高齢者は、加齢に伴う身体機能の変化によって歩幅が狭くなり、小さな歩幅で歩くようになる場合があります。

    歩幅が狭くなると、1歩で進める距離が短くなるため、同じ距離を移動するのにも多くの歩数が必要です。また、小刻みに歩く状態が続くと、長い距離を歩くことが難しくなる場合もあります。

    歩幅が狭くなる背景には、筋力の低下だけでなく、関節の動く範囲の制限や脳・神経系の疾患など、さまざまな要因が挙げられます。

    前のめりの姿勢になる

    高齢者の歩行では、背中が丸まり、上半身が前方に傾いた姿勢になるケースがあります。

    前のめりの姿勢になる背景には、加齢に伴う姿勢の変化や、骨粗しょう症による背骨の変形などが挙げられます。また、パーキンソン病やレビー小体型認知症などの疾患が関係するケースもあります。

    さらに、腰やひざの痛みを伴う場合もあるため、歩行時の姿勢だけでなく、痛みの有無にも注意が必要です。

    足が上がりにくくなる

    高齢者は、歩行中に足を十分に持ち上げられず、地面をするような歩き方になる場合があります。

    足が上がりにくくなると、段差や障害物につま先が引っかかり、つまずきやすくなるので注意しましょう。特に、敷居などの小さな段差では、本人が意識しているほど足が上がっておらず、つまずくケースもみられます。

    足が上がりにくくなる背景には、加齢に伴う筋力低下や姿勢の変化、関節の動きの制限などが挙げられます。また、自分の身体の位置や動きを把握する能力の低下が関係する場合もあります。

    長時間歩けなくなる

    高齢者にみられる歩行の変化のひとつが、長時間歩き続けることが難しくなり、途中で休憩が必要になることです。

    長時間歩けなくなると、買い物や散歩などの外出機会が減り、日常生活での活動量が低下するおそれがあります。活動量が減ることで筋力や体力がさらに低下し、歩ける距離が短くなるという悪循環につながる点に注意が必要です。

    長時間の歩行が難しくなる背景には、筋力や体力の低下だけでなく、疾患が関係する場合もあります。そのため、以前と比べて歩ける時間や距離が短くなっていないか、歩行中に疲れや痛みが生じていないかなどを確認することが大切です。

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    高齢者に歩行障害が起こる主な原因

    高齢者に歩行障害が起こる主な原因

    高齢者の歩行障害には、加齢による身体機能の低下だけでなく、さまざまな疾患が関係しています。歩行障害の原因によって必要な治療や対策は異なるため、何が歩きにくさを引き起こしているのかを把握することが重要です。

    次は、高齢者に歩行障害が起こる主な原因を紹介します。

    加齢に伴う筋力・バランス能力の低下

    高齢者に歩行障害が起こる原因のひとつが、加齢に伴う筋力やバランス能力の低下です。

    特に、太ももやお尻などの下肢筋力が低下すると、歩行時に身体を支えたり、足を前に踏み出したりする動作が難しくなります。また、バランス能力が低下すると、歩行中にふらつきやすくなり、転倒のリスクも高まります。

    こうした身体機能の低下に関連する状態として挙げられるのが「サルコペニア」です。サルコペニアとは、筋肉量や筋力が低下する状態を指し、加齢のほか、運動不足や栄養不足なども関係しています。

    サルコペニアが進行すると、歩行能力が低下するだけでなく、立ち上がりなどの日常生活の動作にも支障が生じるおそれがあります。

    骨・関節・筋肉の疾患や外傷

    骨や関節、筋肉に生じる疾患や外傷も、高齢者の歩行障害を引き起こす原因のひとつです。

    例えば、関節リウマチや外反母趾などによって足の形が変わると、歩行時に足へ体重をかけにくくなったり、痛みが生じたりすることがあります。その結果、歩幅が狭くなるなど、歩き方に影響が現れるケースも少なくありません。

    また、骨折や筋断裂などの外傷によって、歩行に必要な身体機能が低下する場合もあります。特に、下肢の骨折では、治療後も関節の動きが制限されたり、筋力が低下したりすることで、歩きにくさが残る可能性があります。

    脊椎・脊髄の疾患

    背骨や脊髄の疾患によって神経が圧迫されると、足のしびれや筋力低下などが生じ、歩行障害につながることがあります。

    代表的な疾患のひとつが「腰部脊柱管狭窄症」です。加齢に伴う骨や椎間板、靭帯などの変化によって、腰の部分で神経の通り道が狭くなる病気を指します。

    また、「後縦靭帯骨化症」も歩行障害を引き起こす要因となる場合があります。背骨の中にある靭帯が骨のように硬くなり、脊髄や神経を圧迫することで、手足のしびれや足のつっぱり、つまずきやすさなどが現れます。

    脳の疾患

    脳の機能に異常が生じると、足を思うように動かせなくなったり、歩行中にふらついたりすることがあります。

    歩行障害を引き起こす代表的な脳の疾患のひとつが、「脳卒中」です。脳卒中には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などが含まれ、脳の損傷によって手足に麻痺が残ると、足を引きずるなど歩き方に影響が及びます。

    一方、「パーキンソン病」では、筋肉のこわばりや動作の遅さ、姿勢を保つ機能の低下などがみられます。歩き始めや方向転換が難しくなるのが特徴です。

    そのほか、「脊髄小脳変性症」や「多系統萎縮症」では、身体の動きを調整する機能が低下し、歩行中のふらつきなどが生じます。

    また、ビタミンB1の欠乏によって発症する「ウェルニッケ脳症」でも、身体の動きをうまく調整できず、歩行が不安定になることがあります。

    脳の疾患による歩行障害は、病気の種類によって歩き方や症状に違いが現れるため、それぞれの特徴を把握することが重要です。

    血管の疾患

    血管の疾患によって足への血流が悪くなると、歩行中に痛みやしびれが生じ、歩き続けることが難しくなります。

    代表的な疾患が「閉塞性動脈硬化症」です。動脈硬化によって足の血管が狭くなったり詰まったりすることで、筋肉に必要な酸素や栄養が十分に届かなくなります。

    歩いていると足に痛みやだるさが現れ、立ち止まって休むと症状が和らぐ特徴があります。

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    高齢者の歩行障害に対する対策

    高齢者の歩行障害に対する対策

    高齢者の歩行障害は、転倒のリスクを高める要因のひとつです。転倒によって骨折や頭部外傷などの大けがを負うと、日常生活に支障が生じ、介護が必要になる場合もあります。

    また、転倒への不安から外出を控えるようになると、活動量が減り、筋力や体力の低下につながるおそれがあります。

    歩行障害による転倒を防ぐためには、原因に応じた治療に加え、身体機能の維持・向上に取り組むことが重要です。

    原因疾患に応じた治療を受ける

    高齢者の歩行障害を改善するためには、歩きにくさを引き起こしている原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。

    歩行障害には、脳や神経の疾患、骨・関節の異常、血管の疾患など、さまざまな原因が関係しています。そのため、歩き方の特徴だけで判断せず、医療機関で必要な検査を受け、原因を確認するようにしましょう。

    治療方法は疾患や症状の程度によって異なり、薬物療法や神経ブロック注射、手術療法などが選択肢となります。また、治療と並行してリハビリテーションを行い、歩行能力の維持・改善を目指す場合もあります。

    歩行障害の原因によって適切な治療方法は異なるため、早めに医療機関へ相談することが重要です。

    筋力を維持・強化するための運動に取り組む

    高齢者の歩行能力を維持・改善するためには、日常的に身体を動かし、歩行に必要な筋力を保つことが重要です。

    特に、太ももやお尻、ふくらはぎなどの筋肉は、歩行中に身体を支えたり、足を前に踏み出したりする働きを担っています。これらの筋肉を鍛えることで、歩行時の安定性や移動能力の向上が期待できます。

    筋力トレーニングは、無理のない範囲で継続することが大切です。また、体力に応じてウォーキングなどの有酸素運動を取り入れることも、身体機能の維持に役立ちます。

    ただし、歩行障害の原因や症状によって適した運動は異なります。痛みやしびれがある場合は無理をせず、医師や理学療法士に相談しながら取り組みましょう。

    高齢者が自宅で取り組める具体的な運動方法については、以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。

    高齢者の転倒予防におすすめの運動9選!自宅でできる方法や注意点を解説

    バランス能力の維持・向上を目指す

    高齢者の歩行障害による転倒を防ぐには、筋力だけでなく、身体のバランスを保つ能力を高めることも大切です。

    バランス能力が低下すると、立ち上がる際や歩行中に身体がふらつき、転倒しやすくなります。そのため、体幹や太もも、ふくらはぎなどの筋肉を使いながら、安定した姿勢を保つ練習を取り入れましょう。

    具体的な方法には、片脚立ちや、身体をゆっくり前後左右に動かす運動などがあります。また、片方の足のつま先をもう片方の足のかかとにつけて歩く「継ぎ足歩行」も、バランス能力を鍛える方法のひとつです。

    バランストレーニング中にも転倒するおそれがあるため、安全を確保したうえで取り組むことが重要です。特に、ふらつきが強い場合は無理に片脚立ちなどを行わず、医師や理学療法士の指導を受けながら練習しましょう。

    片脚立位によるバランス能力の評価方法や具体的なトレーニングについては、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

    片脚立位のバランス評価とは?年齢別の平均・カットオフ値・トレーニングを解説

    杖や歩行器などの歩行補助具を活用する

    歩行中のふらつきや転倒が心配な場合は、杖や歩行器などの歩行補助具を活用する方法があります。

    歩行補助具は、身体を支えて歩行時の安定性を高めるだけでなく、足への負担を軽減し、安全な移動を助ける役割も担っています。

    代表的な歩行補助具には、杖や歩行器、シルバーカーなどがあり、それぞれ特徴や適した使用場面が異なります。

    歩行補助具は、本人の歩行能力や身体の状態に合ったものを選ぶことが重要です。適切に使用するためにも、医師や理学療法士などに相談しながら選びましょう。

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    高齢者の歩行障害による転倒を防ぐポイント

    高齢者の歩行障害による転倒を防ぐポイント

    高齢者の歩行障害による転倒を防ぐには、足元の安定性を確保するとともに、安全に移動できる生活環境を整えることが重要です。

    ここでは、足元の安定性を保つ方法と、転倒しやすい生活環境を見直すポイントを紹介します。

    足元の安定性を保つ

    高齢者の歩行障害による転倒を防ぐには、足元の安定性を確保することが大切です。

    足に合わない靴を履いていると、歩行中に足が靴の中で動いたり、つまずきやすくなったりするおそれがあります。そのため、足の大きさや形に合った靴を選び、かかとがしっかり固定されるものを使用しましょう。

    また、インソールを活用することも、足元の安定性を高める方法としておすすめです。インソールは、足裏を支えることで足元の安定性を補助し、歩行時の負担を軽減する効果が期待できる場合があります。

    必要に応じて医師や理学療法士などに相談し、自分の足に合ったものを選ぶようにしましょう。

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    転倒しやすい生活環境を見直す

    高齢者の転倒を防ぐためには、自宅の中にある危険な場所を確認し、安全に移動できる環境を整えることが重要です。

    特に、玄関や階段の段差、浴室の滑りやすい床、室内の電気コードなどは、つまずきや転倒の原因になります。

    生活環境を見直す際は、以下のポイントを意識しましょう。

    • 玄関・階段: 手すりや滑り止めを設置し、必要に応じて段差解消スロープを活用する。
    • 浴室・脱衣所: 手すりや滑り止めマットを設置し、濡れた床で滑らないようにする。
    • 廊下・居室: 床に物を置かず、電気コードやカーペットの端など、足が引っかかりやすいものを整理する。
    • 夜間の移動経路: 足元を照らす照明を設置し、段差や障害物を確認しやすくする。

    また、椅子やソファから立ち上がる際や、ベッドから起き上がる際にも注意が必要です。急に動くとバランスを崩すことがあるため、安定した手すりなどにつかまりながら、ゆっくりと姿勢を変えましょう。

    自宅での転倒を防ぐためにも、日常生活の動線を確認し、危険な場所をひとつずつ改善していくことが大切です。

    高齢者の歩行障害を正しく理解し、適切な対策で転倒を予防しよう

    高齢者の歩行障害を正しく理解し、適切な対策で転倒を予防しよう

    高齢者の歩行障害には、歩行速度の低下や歩幅の減少、ふらつきなど、さまざまな特徴があります。

    原因は、加齢に伴う筋力やバランス能力の低下だけではありません。骨・関節や脳・神経、血管などの疾患も関係しているため、歩き方の変化を早期に把握することが大切です。

    歩行障害による転倒を防ぐには、原因に応じた治療や運動に加え、足元の安定性を保ち、生活環境を整えることが重要です。

    日頃から歩き方や身体の状態を確認し、気になる症状がある場合は医療機関に相談しながら、無理のない範囲で転倒予防に取り組みましょう。

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