- 2026.10.17
歩行時の「横ブレ」とは?原因や転倒リスク、改善に向けた対策を紹介
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歩行時の横ブレには、中殿筋などの筋力低下や股関節・膝関節の問題、歩き方の癖などが関係しています。横ブレを抑えるには原因を把握し、筋力トレーニングや歩き方の見直しなど、自分に合った対策を取り入れることが大切です。
しかし、歩行時の横ブレが気になっても、
「横ブレをそのままにするとどのようなリスクがある?」
「横ブレを抑えるには具体的に何をすればよい?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、歩行時にみられる代表的な歩行パターンをはじめ、横ブレが起こる原因やリスクを解説します。
なお、神戸大学医学部整形外科では、株式会社マリンコアと共同で、足底インソールが足アーチ構造および歩行時の下肢アライメントに与える影響を検証する研究を進めています。
その内容も踏まえながら、横ブレの具体的な対処法も紹介します。自分の状態に合った対策を考えるために、ぜひ参考にしてください。目次
- 歩行時の「横ブレ」とは?代表的な2つの歩行パターン
- 歩行時の横ブレが大きいことで生じるリスク
- 歩行時に横ブレが起こる主な原因
- 歩行時の横ブレを抑えるための対策
- 歩行時の横ブレに関するよくある質問
- 歩行時の横ブレの原因を知り、自分に合った対策を取り入れよう
歩行時の「横ブレ」とは?代表的な2つの歩行パターン
歩行時の「横ブレ」とは、歩いている際に身体が左右へ大きく揺れる状態を指します。歩行では片脚で身体を支える場面が繰り返されますが、股関節周辺の筋肉が十分に働かない場合などに、骨盤や上半身が左右へ傾くことがあります。
横ブレがみられる代表的な歩行パターンが、「トレンデレンブルグ歩行」と「デュシェンヌ歩行」です。まずは、それぞれの特徴を解説します。1. トレンデレンブルグ歩行
トレンデレンブルグ歩行とは、歩行中に片脚で身体を支えた際、支持脚とは反対側の骨盤が下がる歩き方です。歩行では左右の脚を交互に地面から離すため、一時的に片脚だけで身体を支える時間が生じます。
このとき、骨盤を安定させる役割を担う股関節外転筋が十分に働かないと、骨盤を水平に保ちにくくなります。その結果、支持脚とは反対側の骨盤が必要以上に下がり、歩行時の横ブレにつながります。
トレンデレンブルグ歩行の特徴は、支持脚側ではなく、反対側の骨盤が下がる点です。一方、上半身は基本的に垂直に保たれ、骨盤の傾きが目立ちます。2. デュシェンヌ歩行
デュシェンヌ歩行とは、歩行中に片脚で身体を支える際、上半身を支持脚側へ傾ける歩き方です。股関節周辺の筋力低下や痛みなどがある場合にみられ、体幹を傾けることで股関節にかかる負担を軽減しようとします。
通常の歩行では、片脚で身体を支えている間も骨盤と上半身を安定させます。しかし、股関節を支える中殿筋などが十分に働かない場合、そのままの姿勢では身体を支えにくくなります。そこで上半身を支持脚側へ傾け、股関節にかかる力を小さくしようとする動きが生じます。
デュシェンヌ歩行の特徴は、体重を支えている脚の方向へ上半身が傾く点です。上半身が左右へ移動するため、歩行時には横ブレが目立つ場合があります。歩行時の横ブレが大きいことで生じるリスク

歩行時の横ブレが大きい状態が続くと、身体のバランスを保ちにくくなるだけでなく、腰や下肢への負担が偏る可能性があります。身体が左右へ大きく動くことで重心も移動し、安定した姿勢を維持しにくくなるためです。
特に注意したいのが転倒です。横ブレによって重心が支持基底面から外れやすくなると、ふらついた際に姿勢を立て直すことが難しくなります。段差や傾斜がある場所では足元が不安定になりやすいため、より注意が必要です。
また、横ブレを補うために上半身を傾けたり、左右どちらかの脚に頼ったりする歩き方が続くと、腰や股関節、膝関節などに負担が集中する場合もあります。
歩行時の横ブレは転倒だけでなく、ほかの部位に負担がかかる原因にもなります。横ブレが目立つ場合はそのままにせず、原因を確認して適切な対策につなげることが大切です。歩行時に横ブレが起こる主な原因
歩行時の横ブレには、筋力や関節の状態、普段の歩き方などが関係しています。横ブレを抑えるには、まず原因を把握し、身体の状態に合った対策を検討することが大切です。
次は、歩行時に横ブレが起こる主な原因を紹介します。
中殿筋など下肢の筋力が低下している
歩行時に横ブレが起こる原因のひとつが、中殿筋をはじめとする体幹から下肢の筋力低下です。
中殿筋は骨盤と大腿骨をつなぐ筋肉で、歩行時に骨盤を安定させる重要な役割を担っています。片脚で身体を支える際に中殿筋が働くことで、反対側の骨盤が下がるのを防ぎ、安定した歩行につながります。
しかし、中殿筋などの筋力が低下すると、片脚で身体を支えた際に骨盤を十分に安定させられません。その結果、骨盤が左右に傾いたり、バランスを保つために上半身を横へ動かしたりする場合があります。
特に中殿筋を主体とする股関節外転筋の筋力低下は、歩行時の骨盤や体幹の横ブレにつながる要因です。ただし、横ブレは筋力低下だけで起こるわけではありません。股関節や膝関節の状態、普段の歩き方なども含めて原因を確認する必要があります。股関節や膝関節などに問題がある
歩行時の横ブレは、股関節や膝関節などに痛みや動かしにくさがある場合にも起こります。
特に股関節は、歩行中に体重を支えながら脚を前後左右へ動かす役割を担っています。股関節に痛みや可動域の制限があると、片脚で身体を支える動作が不安定になり、骨盤や上半身を左右へ動かして補う場合があります。
また、膝関節に痛みがある場合は、痛む脚へ体重をかける時間を短くしようとして、反対側の脚へ荷重が偏るケースもあります。このような左右差が生じると、歩行のリズムが崩れて横ブレにつながります。歩き方に癖がついている
歩行時の横ブレは、筋力や関節に明らかな問題がなくても、普段の歩き方の癖によって起こる場合があります。同じ歩き方を繰り返すうちに、身体の使い方に偏りが生じるためです。
歩行では、左右の脚へ交互に体重を移しながら身体を前へ進めます。このとき、片側へ体重をかける癖や上半身を左右へ大きく動かす癖があると、重心の移動も左右に大きくなります。
また、左右で歩幅や足を着く位置が異なる場合も、歩行のバランスが崩れる要因になります。歩行時の横ブレを抑えるための対策
歩行時の横ブレを抑えるには、原因に合わせて身体の使い方や歩行環境を見直すことが大切です。
ここでは、歩行時の横ブレを抑えるために取り組みたい対策を紹介します。歩行に関わる筋肉を鍛える
歩行時の横ブレを抑えるためには、骨盤や下肢を安定させる筋肉を鍛えることが大切です。特に中殿筋は、片脚で身体を支える際に骨盤を安定させる役割を担っています。
中殿筋を鍛える方法のひとつが、横向きに寝た状態で上側の脚を持ち上げる運動です。身体が前後に傾かないように姿勢を保ち、股関節から脚をゆっくり上げ下げします。また、中殿筋だけに注目せず、内ももの内転筋群や太もも、体幹など、歩行に関わる筋肉をバランスよく鍛えることも必要です。
ただし、痛みがある状態で無理にトレーニングをすると、症状が悪化する可能性があります。股関節や膝関節などに痛みがある場合は、医師や理学療法士などに相談したうえで取り組みましょう。
姿勢や歩き方を見直す
歩行時の横ブレを抑えるには、筋力を鍛えるだけでなく、普段の姿勢や歩き方を見直すことも大切です。横ブレが習慣になっている場合、身体の使い方を意識するだけでは改善しにくく、姿勢と筋肉の状態を合わせて整える必要があります。
歩く際は頭が上から引き上げられているような感覚で身体の軸を保ち、上半身を左右へ大きく揺らさないように意識します。また、歩行には足首の安定性や股関節の柔軟性、胸部の動きも関係しています。
横ブレを抑えるには、身体の軸を意識するとともに、足首・股関節・胸部を適切に動かしながら歩くことが大切です。歩き方の癖によって筋力が低下している場合もあるため、姿勢の見直しと筋力トレーニングを組み合わせて取り組みましょう。インソールを活用する


歩行時の横ブレが気になる場合は、インソールを活用する方法があります。インソールは靴の中に入れて使用するため、普段の歩行に取り入れやすい点も特徴です。
インソールのなかには、足裏にかかる圧力の偏りを整え、立っているときの重心バランスをサポートする製品があります。また、歩行中の重心移動に働きかけ、左右のブレを抑える効果が検証されているものもあります。
インソールを活用して足元から重心バランスを整えることは、歩行時の横ブレを抑える方法のひとつです。ただし、インソールによって形状や機能は異なるため、自分の足や歩行状態に合った製品を選ぶことが大切です。歩行時の横ブレに関するよくある質問
歩行時の横ブレが気になる方のなかには、歩行パターンの違いや正しい歩き方について疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、歩行時の横ブレに関するよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。トレンデレンブルグ歩行とデュシェンヌ歩行の違いは何ですか?
トレンデレンブルグ歩行とデュシェンヌ歩行では、歩行時に目立つ身体の動きが異なります。どちらも股関節外転筋の機能低下などに関連してみられますが、骨盤と体幹の動きに違いがあります。
トレンデレンブルグ歩行では、片脚で身体を支えた際に立脚側とは反対にある遊脚側の骨盤が下がるのが特徴です。一方、デュシェンヌ歩行では、片脚で身体を支える際に体幹が立脚側へ傾きます。
どちらも歩行時の横ブレとして現れますが、骨盤と体幹のどちらに特徴的な動きがみられるかに注目すると区別しやすくなります。正しい歩き方や足のつき方はどのようなものですか?
正しい歩き方を意識する際は、身体をまっすぐに保ち、足裏を使ってスムーズに前へ進むことが大切です。背中が丸まって目線が下がると膝が曲がって歩幅が狭くなり、すり足になりやすいため注意しましょう。
姿勢の目安は、立ったときに耳の穴から外くるぶしまでが一直線になる状態です。歩く際は目線を前へ向けて腕を振り、かかとから地面につきます。その後、足裏へ体重を移動させ、最後につま先で地面を蹴り出して前へ進みます。
この一連の動きをスムーズに行うことがポイントです。足指や足裏も意識して使い、安定した姿勢で歩くよう心がけましょう。歩行時の横ブレの原因を知り、自分に合った対策を取り入れよう

歩行時の横ブレには、中殿筋などの筋力低下や股関節・膝関節の問題、歩き方の癖など、さまざまな原因が関係しています。
横ブレを抑えるためには歩行に関わる筋肉を鍛えるほか、姿勢や歩き方を見直したり、インソールを活用したりする方法があります。まずは横ブレが起こる原因を把握し、自分の身体の状態に合った対策を取り入れることが大切です。
歩行時の横ブレが続く場合や、股関節・膝関節などに痛みがある場合は、無理に自分で改善しようとせず医療機関への受診も検討しましょう。
