研究概要
教室の研究領域の全体像と、共同研究のご相談について。
においを調べ、
鼻の奥の治療を広げる。
鼻・副鼻腔の腫瘍に対する頭蓋底手術の治療成績を検証するとともに、嗅神経細胞の再生に関する基礎研究の蓄積を土台に、失われやすく戻りにくい嗅覚の評価と研究に取り組んでいます。
鼻や副鼻腔にできる腫瘍は、頭蓋底や眼窩に及ぶことがあり、脳神経外科や形成外科と協力して治療にあたります。内視鏡や外視鏡を用いた頭蓋底手術の導入により、頭蓋内の操作と鼻腔内の操作を組み合わせた治療が可能になりました。術式ごとの治療成績と機能の温存について、症例を積み重ねて検討しています。嗅神経芽細胞腫については、病理組織を用いた研究にも取り組んでいます。
局所進行上顎洞がんに対する超選択的動注化学療法と放射線治療の併用は、多施設共同臨床試験として評価されました。詳しくは頭頸部腫瘍研究をご覧ください。
においが分かりにくいという訴えは、生活の質に大きく関わる一方で、客観的な評価が難しい症状です。嗅覚を扱う専門外来で検査と診療のデータを蓄積し、研究の基盤を整えています。
嗅覚は、教室が長く取り組んできた領域でもあります。嗅神経細胞は成人になっても新しく生まれ変わる、神経系の中でも珍しい細胞です。教室では、嗅神経細胞の分化と再生に関わる分子の働き、遺伝子導入や成長因子、骨髄由来細胞による嗅上皮再生の可能性、においの刺激に対する脳の反応の計測などの研究を重ねてきました。神経変性疾患における嗅覚障害の早期発見に関する臨床研究も行われ、この蓄積の上に現在の嗅覚研究があります。