神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野 神戸大学大学院医学系研究科
外科系講座 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野

教授挨拶

 このたび、神戸大学大学院医学系研究科外科系講座 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野の主任教授を拝命いたしました藤田岳(ふじた たけし)と申します。着任にあたり、謹んでご挨拶申し上げます。

 私は岡山の生まれですが、幼少期より神戸に暮らし、1999年に神戸大学医学部医学科に入学、2005年に卒業いたしました。甲南病院(現・甲南医療センター)での初期臨床研修修了後、2007年より神戸大学耳鼻咽喉科頭頸部外科に入局し、耳鼻咽喉科頭頸部外科全般の臨床研鑽を積みました。2012年から2013年にかけては三井記念病院にて中耳手術の権威・奥野妙子先生のもとで耳科手術の基本を学び、その後、2014年からハーバード大学医学部・Massachusetts Eye and Earへ留学し、現スタンフォード大学教授のKonstantina Stankovic先生のもとで研究を行いました。帰国後は近畿大学耳鼻咽喉科にて土井勝美先生のご指導のもと、人工内耳・人工中耳などの人工聴覚器手術や頭蓋底手術を経験し、2019年に再び神戸大学に着任しました。神戸国際がん医療研究センター(ICCRC)の耳鼻咽喉科頭頸部外科診療責任医師も経験させていただき、2026年4月1日より教授を拝命いたしました。

 私の専門は耳科学・難聴診療であり、鼓室形成術からアブミ骨手術、人工聴覚器手術、側頭骨悪性腫瘍手術まで幅広く担ってまいりました。現在は、日本耳科学会認定耳科手術指導医として後進の術者の育成にも取り組んでおります。また難聴の診療、特に臨床遺伝専門医として難聴の遺伝学的診断にも積極的に取り組んでいます。研究面では感音難聴の病態解明と治療を目指して、分子細胞生物学的手法や、イメージング技術、オミクス解析など様々な手法を用いて研究を行い、また工学研究者と共同で耳科手術支援ロボットや耳科手術のAI解析手法の開発にも取り組んで参りました。

 神戸大学耳鼻咽喉科学教室は、昭和19年(1944年)に兵庫県立医学専門学校開校とともに開講されました。初代教授は当時の県立病院耳鼻咽喉科部長中村良太郎先生、2代目は本邦の頭頸部外科学創始者である浅井良三先生、3代目は難聴診療の大家服部浩先生、4代目は喉頭摘出後の音声再建法"天津法"を開発された天津睦郎先生、そして5代目は丹生健一先生(2001年4月〜2026年3月)で、頭頸部がんの臨床・研究・教育・啓発にわたり神戸から日本の頭頸部外科をリードされ、教室に揺るぎない基盤を築かれました。

 今後はその伝統を確実に継承しつつ、私が専門とする耳科・難聴診療を新たな柱に加え、耳鼻咽喉科頭頸部外科のすべての領域でトップレベルの診療・研究を行っていくことができる体制を構築して参りたいと考えています。「地域医療を支える専門医の安定的育成」「サイエンスに根ざした臨床医の育成」「世界をリードする次世代指導者の創出」を目指し、大学病院と県内基幹病院を中心として優れた耳鼻咽喉科・頭頸部外科医の育成を行いながら、多様なキャリアパスとライフステージを尊重した、一人ひとりが主役として輝ける教室を目指します。

教室員と力を合わせ、耳鼻咽喉科頭頸部外科のさらなる発展のため、誠心誠意努めてまいる所存です。今後ともご指導・ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。