神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野 神戸大学大学院医学研究科
外科系講座 耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野

顔面神経外来

1.顔面神経外来について

 顔面神経外来では顔面神経麻痺を発症した方を診療しております。顔面神経麻痺の原因の多くはウィルス性ですが、当外来には外傷性、腫瘍性、全身疾患に伴うもの等様々な方が来られます。顔面神経麻痺の初期治療はタイムリミットがあり、救急疾患といっても過言ではありません。また、麻痺の重症度により治療強度も変わってきます。適切な重症度評価とそれに基づいた適切なタイミングでの治療を心がけております。特に顔面神経減荷術の適応症例に関しましては耳外来と連携して行っております。初期治療後のマッサージやリハビリ等の理学療法はできるだけご自宅で続けて実施しやすいようご説明しています。
 患者様の笑顔を取り戻せるような診療を今後も心がけていく所存です。

2.担当医師

  • 助教 下田 光

    耳鼻咽喉科専門医 / 補聴器相談医


3.受診と患者様のご紹介について

 受診を希望される方は、かかりつけの先生から「診療情報提供書(紹介状)」と「地域予約」をお願い致します。木曜日の午前中に診療を行っておりますが初期治療は可及的速やかに実施すべきと考えております。治療についてのご相談は木曜日を待たずに予めご連絡頂けますと対応させて頂きます。

4.診療の特徴

顔面神経麻痺の評価・検査について

 顔面神経麻痺の重症度は表情筋スコア 柳原法(40点法)を用いて評価しています。また、同意が得られた患者様のみ顔面運動の動画をビデオ撮影して電子カルテ上に記録し、回復の過程や後遺症の評価を経時的に患者様にも供覧してご自宅でのリハビリにつなげていきたいと考えています。予後診断や顔面神経減荷術の適応は発症10~14日目を目安に顔面の誘発筋電図検査(ENoG:Electroneurography)、神経興奮性検査(NET:Nerve excitability test)の他覚的評価ができる検査を実施しています。

5.手術・診療の実績

2019年4月から2020年3月までの新規症例数69名

内訳:Bell麻痺(特発性顔面神経麻痺)43名、Hunt症候群10名、腫瘍性7名(神経鞘腫2名、真珠腫1名、聴神経腫瘍術後5名、小脳橋角部腫瘍1名)、外傷性3名、その他(ギランバレー症候群、ライム病、サルコイドーシス)3名。