チームドクターの紹介 チームドクターの紹介

チームドクターの紹介

    • ヴィッセル神戸帯同報告

      ~ 2020 Asia Champions League@カタール・ドーハ ~

      ヴィッセル神戸 チームドクター
      福井 友章
    • 2020年11月から12月にかけてカタールのドーハで開催されたサッカーAsia Champions League (ACL)に、ヴィッセル神戸のチームドクターとして帯同して参りましたので、ご報告させていただきます。
      通常のACLであれば海外チームとのホーム&アウェイ方式での対戦となるのですが、今回は新型コロナウイルスの影響から、ドーハにアジア東地区の15チームが集まり集中的に試合を行うセントラル方式で行われました。大会中は、何をするにもコロナ関連の制限がついて回りました。行動範囲はバブルという見えない隔壁で囲まれた空間のみとされ、そこに含まれるのはホテル、練習場、スタジアム、移動のバスのみです。ホテルで働くスタッフも大会期間中は同じホテルで寝泊まりし、バブルから出ないという徹底ぶりでした。幸い、期間中に行った5回のPCR検査すべてで全員が陰性であり、大会のコロナ対策としては成功といって良いと思います。

      試合のほうは、予選グループを1位突破し、決勝トーナメント1回戦では中国の上海上港を見事に下したものの、中心選手であるイニエスタ選手が負傷交代、続く準々決勝では韓国の水原三星に対しPK戦までもつれ込んだ結果なんとか勝利を収めました。ただ、負傷をおしてPKを蹴ったイニエスタ選手が同じ部位を痛め、大会途中で離脱となりました。準決勝では先制し、追加点も奪ったものの不可解なVAR判定で取り消され、延長戦までもつれ込んだ末に敗戦、ヴィッセルの3週間以上にわたる戦いは幕を下ろしました。
      カタールに来る直前はリーグ戦5連敗と決して良いチーム状況ではありませんでしたが、トーナメントを勝ち上がる中でチームがまとまっていく様子を見ることができ、非常に頼もしく思いました。負傷者も複数出ていましたが、起用については監督・スタッフとコミュニケーションを取りつつ、短期決戦ということもありレギュラーシーズンとは違う難しい判断もありました。これらは今後に生かせる貴重な経験になったと感じており、今後のスポーツドクター活動により一層力を入れて参ります。

    • ヴィクトリーナ姫路チームドクター活動報告

      前野整形外科 院長
      前野 耕一郎
    • ヴィクトリーナ姫路は元バレーボール女子日本代表監督である眞鍋政義氏をジェネラルマネージャー、元バレーボール女子日本代表キャプテンである竹下佳江氏を監督として2016年3月14日に設立された、株式会社姫路ヴィクトリーナを母体とする日本初のプロバレーボールチームです。神戸大学整形外科在籍時のスポーツ選手診療の経験から、黒田良祐教授や荒木大輔全日本女子バレーボールチームドクターの推薦を受け、2017年4月に姫路市で開業した私がチームのメディカルサポートを担当させて頂いています。チームは2018年1~3月に実施された第8回全国6人制バレーボールリーグ総合男女優勝大会において早速優勝を果たし、その後2018-19シーズンから参戦したV2リーグでも優勝して2019-20シーズンから念願のV1リーグに参戦しています。
      私は整形外科クリニックの開業医として通常診療を行うと共に、チームドクターとして新入団選手のメディカルチェックや怪我をした選手の治療を本人・トレーナー・マネージャーと一緒に考えながら実施しております。また、ホームゲームを中心に試合への帯同も行いながら選手のケアに努めております。スポーツ選手に怪我はつきものですので、ただ単純に怪我をみて治療を進めるのではなく、選手やチームの意向を汲んで治療プログラムを検討する必要があります。焦る選手をなだめつつ、できる限り早期に体の負担のないよう復帰するための道筋をスタッフと相談しながら選手に指導しております。また、手術加療が必要なケースでは、大学病院をはじめとして、姫路市や近隣地域にある多くの神戸大学整形外科の関連病院の先生方にお願いして治療して頂いております。
      神戸大学整形外科では大学病院のみならず、関連施設の勤務医や私のような開業医であってもスポーツ診療に携わる環境が多く存在します。その理由は神戸周辺におけるスポーツ医の存在意義と需要が大きいからです。ヴィクトリーナ姫路のチームドクターは現在、私1人です。若手の先生方のご協力を心待ちにしております。スポーツ選手の診療に興味のある先生方は是非、神戸大学整形外科に入局して頂き、一緒にプロスポーツ選手の診療に情熱を燃やしましょう!

    • U 16男子日本代表サッカー帯同報告

      U-17 男子サッカー日本代表 チームドクター
      松下 雄彦
    • 昨年から2004年生まれを中心としてU17ワールドカップを目指す日本代表サッカーチームに帯同させていただいております。帯同の業務内容は、国内の合宿、海外遠征への帯同し、ケガや内科的疾患に対応することですが、海外遠征や大会に向けた予防接種の管理なども行っています。2020年は、新型コロナの感染症の拡大により活動は一時休止となりまたしたが、感染が落ち着いてきた7月末から活動が再開となりました。実際の国内キャンプでは、JFA医学委員会で作成されたガイドラインに基づき感染症対策を行いました。SmartAmp PCR検査が導入されて、夢フィールドと呼ばれるJFAの施設内でも検査を行っており、集合時にまず陽性者がいないことを確認の上に活動を行い、終了日にも確認の上解散して活動を行っています。この検査の実施に当たってはJFA医学委員会の内科の先生やJFAスタッフの方々の大変な労力の下に行われています。活動中は常に感染症対策に気を使い緊張感のある中での活動でした。幸い大きなトラブルなくこれまで行えていますが、様々な方のサポートを目の当たりにして、サッカー活動が行える有難さを身に染みた一年でした。

      昨年度にアジア1次予選を勝ち抜いており、本来であればアジア2次予選とワールドカップに臨む予定でしたが、新型コロナの影響でどちらの大会も中止となってしまい、残念ながら今後の活動も未定となっています。
      育成年代の帯同は、これまで帯同していたプロサッカーチームやフル代表のように派手に注目されてはいませんが、若い選手が日本代表としてひたむきに頑張ってプレーする姿を目にして大変刺激になりました。この世代の選手を含めた若い選手が成長して強い日本代表になっていくこくことを楽しみにしてサポートして参りたいと思います。