留学生からのメッセージ 留学生からのメッセージ

留学生
からのメッセージ

    • Steadman Philippon Research Institute (SPRI) 留学便り

      向原 伸太郎(平成23年卒)
    • 2023年9月より米国Colorado州のVailにあるThe Steadman Clinic / Steadman Philippon Research Institute (SPRI)に留学させていただいております。VailはColorado州Denverから西に100マイル、車で約2時間の場所に位置にする北米最大のスノーリゾート地のひとつです。標高2400m (富士山5合目くらい)に位置する小さな町で人口は約5000人ほどですが、街並みは非常に美しく、治安も良く、親切な方々に恵まれています。職場から徒歩で行ける距離にスキー場があり、私たち家族も初心者ながら、毎週末同門の片岡君成先生と一緒にスキーを楽しんでおり、Vailの冬を満喫しています。
      Steadman clinicはVail に本拠を置く整形外科クリニックであり、特にスポーツ整形外科分野は全米でも大変有名で、著名なプロスポーツ選手を含む世界中の患者が治療に訪れています。SPRIはSteadman clinic に併設された研究施設であり、SPRIで行われた基礎研究の成果を基に、Steadman clinicで臨床研究が行われています。現在、私はDr. Johnny Huardの御指導の下、新たなbiomaterialによる軟骨再生、腱治癒の治療に関する研究を他大学と共同で行っております。また、股関節鏡の第一人者であるDr. Marc Philipponの御指導の下、臨床研究やbiomechanical studyも行なっております。
      職場でのコミュニケーションや子供たちの友人家族との交流など、英語で苦労することも多いですが、壮大な自然や本格的なHalloweenなど、異国でしか経験することのできない文化や生活の違いを家族ともに楽しんでおります。
      また、私は手外科を学ぶため、琉球大学への国内留学にも行かせていただいており、大変貴重な経験をさせていただいています。神戸大学整形外科は海外留学、国内留学ともに実現可能な魅力ある医局ですので、ぜひ一度見学にいらしてください。お待ちしています。

    • Washington University in St Louis 留学便り

      菊池 健一(平成24年卒)
    • 2023年4月より、米国ミズーリ州にあるWashington University in St LouisにPostdoctoral research fellowとして留学しております。Washington University in St Louisは、1853年にアメリカ中西部にあるミズーリ州の都市、セントルイスに設立された歴史のある私立大学です。大学のメディカルキャンパスはCentral West Endというセントルイス市の西端に位置し、近くにはMetroの駅やInterstate Highwayの出入口があり交通の便が良く、すぐ西隣にはForest Parkという複数の野球場、ゴルフ場、テニスコート、博物館や動物園を含む広大な公園があり自然へのアクセスも良い場所です。また、車で約10分の所には、St. Louis Cardinalsの本拠地であるBusch Stadiumがあります。夏は最高気温で30度前後とそこまで暑くなく湿度も低いことから比較的過ごしやすいです。
      私のボスであるDr. Cecilia Pascual-Garridoはアルゼンチン出身の日本文化を愛する陽気な方で、フルマラソンを3時間台で走るsuper active womanです。整形外科としても非常にactiveで、日々数多くの股関節鏡手術、人工股関節置換術を行いながら臨床研究、基礎研究の成果を世界に発信しておられます。現在、私はDr. Pascualの指導の下、股関節の軟骨変性に関する基礎研究(ラビットFAIモデル、二次性OAモデルを用いたin vivo study、軟骨細胞培養を用いたin vitro study)を行っています。また毎週Dr. Pascualが行っている股関節鏡手術を見学する機会や、セミナーに参加する機会もあります。このような貴重な留学の機会を頂戴し、黒田教授、林申也先生、同門の先生方に深く感謝申し上げます。今後も、研究においても家族との生活においても充実した留学になるよう、日々励みたいと思います。

    • University Hospital Zurich 留学便り

      澤内 健一(平成24年卒)
    • ラボのメンバーとLuzern湖のほとりにて

      2023年4月よりスイスのチューリッヒ大学附属病院外傷部門に留学させていただいております。
      私が現在住んでいるチューリッヒは最も裕福な都市のひとつとされており、物価は高いものの海外とは思えないほど治安が良くとても住みやすい街です。夏はチューリッヒ湖のほとりでバーベキューを行い、冬はクリスマスマーケットでグリューワインと呼ばれるホットワインを飲むというのが、チューリッヒの人々の暮らしです。
      チューリッヒ大学附属病院はチューリッヒの中心部に位置し、医師1500人を含む、90か国8200人の職員が勤務するスイス最大の病院の一つで、多発外傷患者が毎日のように運ばれてきます。外傷部門の研究室に在籍している留学生は私ひとりですが、様々な国から数多くの医師が見学や研究に来られます。研究室のメンバーは整形外科分野・救急分野における複数の実験に関わっており、刺激を受ける環境です。彼らは日本人である私にも分け隔てなく英語で接してくれ、手厚くサポートしてくれます。
      研究室のボスであるHans-Christoph Pape先生は外傷学分野の世界的権威ですが、とても優しく気さくな方です。世界から参加者が集まるPolytrauma courseという数日間のレクチャーを主催されており、急遽私も参加できるよう手配してくださり非常に勉強になりました。また、学会の夜、ラボメンバーとダーツに夢中になっていると、翌日にPape先生が高価なダーツセットを買ってきて研究室にプレゼントしてくださりました。それからは研究の息抜きに皆でダーツを楽しんでいます。
      現在私は、外傷患者における血液中の脂質を網羅的に解析することで病態を把握するリピドミクス研究や、人工骨骨盤骨折モデルを用いた適切な固定法についての研究、炭酸ガス経皮吸収療法による骨折時の炎症への影響についての研究、患者の骨を用いた新規骨再生治療法についての研究などに取り組んでおります。慣れない環境の中でうまくいかないことも多々ありますが、様々な人からのサポートを受けながら、楽しく日々を過ごしております。
      今後も研究生活を基本としつつ、家族とともにハイキングや山岳鉄道などスイスでの暮らしを満喫したいと考えています。こちらで得た知識や経験を神戸大学整形外科に還元できるよう、更なる精進を続ける所存です。

    • Brigham and Women's Hospital 留学便り

      宮﨑 邦彦(平成24年卒)
    • 2023年8月より、私は米国マサチューセッツ州ボストンのBrigham and Women’s Hospital整形外科でリサーチフェローとして留学しています。Brigham and Women’s HospitalはHarvard Medical Schoolに附属する総合病院で、ボストン、マサチューセッツ州に位置しています。病床数は777床で、整形外科を含め国際的に著名な医療機関として高度な医療と研究を提供しています。
      こちらでは整形外科教授のJames D. Kang先生と研究室の主任研究員である水野秀一先生のご指導を受けながら、静水圧と浸透圧を制御できる装置を使用し、椎間板髄核細胞、線維輪細胞、軟骨細胞の再生に向けた研究をしています。 
      Harvard Medical Schoolには世界中から多くの研究者が留学してきますが、私たちの整形外科の研究室はアットホームな雰囲気で、研究者同士も仲が良く、仕事帰りに飲みに行ったり、休みにはパーティーを開いたりと共に楽しく仕事を進めています。
      また、ボストンの街は活気に満ち、地元の方々は非常に親切で、家族も安心して生活しています。特に女性や子供に対する親切さは、日本人として学び取るべき点が多いです。一方で、イスラエルやウクライナの反戦デモに伴い学内での逮捕者が出たり、公共機関がとまったりと、改めて日本の平和な国で育ったことの幸運さを感じることもありました。
      留学を通じて研究だけでなく多岐にわたる知識を得る機会をいただけたことに感謝しています。留学は単なる研究の場にとどまらず、新たな可能性を切り開くための重要なステップであると思っております。
      神戸大学整形外科は多くの留学先をもっており、新たな知識や技術の導入、国際的な共同研究の可能性など、留学から生まれる様々な協力関係が医学の進歩に寄与することを期待し、海外留学に非常に力を入れています。海外留学、基礎研究に興味のある先生方の入局を心よりお待ちしております。

      Brigham and Women’s Hospital



      右から水野秀一先生、
      神田裕太郎先生(神戸大学整形外科 平成22年卒)、
      James D. Kang先生、
      私(神戸大学整形外科 平成24年卒)
    • Steadman Philippon Research Institute (SPRI) 留学便り

      片岡 君成(平成25年卒)
    • 2023年4月よりアメリカ合衆国Colorado州VailにあるSteadman Philippon Research Institute (SPRI)に留学させて頂いております。
      Colorado州は、ロッキー山脈が南北に広がる山岳地帯の州で、州都のDenverは米国4大スポーツの全てのチームの本拠地となっております。中でもNBAに所属するDenver Nuggetsは、私が渡米した直後の2023年6月に、悲願のNBA初制覇を達成しました。VailはDenverから西に約100マイル(車で約2時間)に位置し、全米でも屈指のスキーリゾートとして知られています。
      SPRIは全米有数のスポーツ整形外科クリニックであるSteadman Clinicに併設された研究施設であり、私はBasic Science部門のトップであるJohnny Huard先生、Principal InvestigatorおよびStem cell Engineering部門の責任者である中山直樹先生にご指導頂き、ヒト多能性幹細胞(ES細胞、iPS細胞)を用いた軟骨組織の再生医療に関する基礎研究を行っています。
      SPRIには日本だけでなく、タイ、ドイツ、イタリアから来た多様な国のInternational fellowが在籍しており、研究や日常生活で協力し合っています。また、各専門分野のPrincipal Investigatorや医学部進学を目指す若い学生も多く在籍し、基礎研究や臨床研究に共に取り組んでいます。彼らとの日々の交流はまさに留学の醍醐味であり、また、莫大な研究資金に支えられ最先端の研究に没頭し、余暇にはDenverまでスポーツ観戦に訪れたり、スノーボードをしたりして過ごすというのは留学ならではの貴重な体験です。神戸大学整形外科は海外留学に非常に力を入れている医局のひとつですので、留学のチャンスがあり、留学を経験された先生方からのアドバイスも多く得られます。海外での生活や医療、研究に興味があるという方の入局を心よりお待ちしています。

      International fellow とともに
      日本人 fellow でのスキー
    • Stanford University 留学便り

      篠原 一生(平成25年卒)
    • 研究室のメンバーとの昼食会

      2023年5月より米国カリフォルニア州スタンフォードにあるStanford University Orthopaedic Surgery, Goodman Lab.に留学させて頂いております、平成25年卒業の篠原一生と申します。早いもので留学して約10か月が過ぎようとしております。Stanford Universityは、サンフランシスコから約60km南東に位置しており、キャンパスの広さは約33km2(東京ドーム約700個分)と世界第2位の広さです。研究室はStanford hospitalの近くに位置するBiomedical Innovation Buildingの中にあり、広く快適な環境で研究をさせて頂いております。こちらの夏の気候は、日差しが暑くはありますが、湿度は低くとても過ごしやすいです。カリフォルニアの空は雲一つないブルースカイが印象的で、年間を通して気温の変化も少なく、過ごしやすい環境です。
      現在、直接ご指導頂いているPrincipal InvestigatorのStuart. B. Goodman先生は、間葉系幹細胞 (MSCs)を使用した骨・軟骨再生の分野でご高名で、特に免疫と骨再生について長年尽力されている先生です。本研究室で私は、大腿骨頭壊死に対する骨頭穿孔術に遺伝子組み換えによりプレコンディショニングしたMSCsを併用した局所細胞療法の治療効果に関して研究をしております。
      Stanford Universityには、日本からの留学生も多く、我々の整形外科の研究室だけでも現在3名の日本人がおります。他の科にも沢山の日本人がおられ、こちらにきて半年ほどではありますが、多くの人との繋がりができました。また近年では整形外科に限らず放射線科などとの共同研究を行っており、移植細胞のin vivo追跡のためのナノ粒子解析の研究も行っており、異なる国の異なる科の方々との交流も積極的に行っております。
      異国の地、異国の文化圏での生活で、スムーズにいかないこともありますが、Goodman先生をはじめ、研究室のメンバーなど多くの方に支えられて有意義な留学生活を送れております。こちらで得た知識や経験を神戸大学整形外科に還元できるように、何事にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

    • Western University Fowler Kennedy Sports Medicine Clinic留学便り

      十倉 健男(平成25年卒)
    • 2023年8月よりカナダオンタリオ州ロンドン市にあります、Western University Fowler Kennedy Sports Medicine ClinicにOrthopaedic sports medicine clinical fellowとして臨床留学させていただいております。ロンドン市はオンタリオ州南西部の人口40万人程度の都市で、森に囲まれていることから別名Forest cityと呼ばれています。Fowler Kennedy Sports Medicine Clinicは総合大学であるWester Universityに属しており、整形外科医のみでなく、内科のスポーツドクターやリハビリスタッフが協力して日々患者さんの診療を行っています。このclinical fellowshipプログラムには毎年各国から応募があり、国内だけでなく、私のように海外からのfellowも多いことがひとつの特徴となっています。プログラムの概要としましては、4人の指導医にそれぞれfellow一人ずつが配属され、3ヶ月毎にローテーションするものとなっています。私達fellowは外来や手術の執刀だけでなく、整形外科研修医の指導という役割もあり、毎日緊張感を持ちながら気の抜けない充実した毎日を過ごしています。膝だけでなく肩や足関節、股関節の疾患に携わることができ、非常に幅広く勉強することができ、年間で約1000件の膝関節鏡、500件の肩関節鏡手術が行われており、経験できる症例数の多さも海外でトレーニングを行う一つのメリットではないかと思います。
      プログラムは基本的には臨床が中心となりますが、大学の所属ということもあり、研究も盛んで、Fellowも留学中に最低1つの研究を完了させることが課されております。また、大学の学生スポーツのチームドクターとしての担当も振り当てられ、私は男子サッカー、男子バスケットボール、女子アイスホッケーを担当しました。シーズン前のメディカルチェックやサポート体制など、学生スポーツを取り巻く環境の違いも実感することができています。
      1年という限られた期間ですが、臨床、研究で一つでも多くのことを吸収して帰れるように励みたいと思います。最後になりましたがこのような貴重な留学の機会を頂戴し、黒田教授ならびに同門の先生方のご支援に改めて心より御礼申し上げます。