留学生からのメッセージ 留学生からのメッセージ

留学生
からのメッセージ

    • Brigham and Women's Hospital 留学便り

      武岡 由樹(平成21年卒)
    • 私は2018年10月より米国マサチューセッツ州ボストンにありますHarvard大学 Brigham and Women’s Hospital に留学させて頂いております。
      ボストンはアメリカで最も歴史のある都市の一つで、東海岸の北の端に位置しています。気候は寒冷・乾燥で、冬の寒さは瀬戸内育ちの私には厳しいですが、治安や交通の便は良く、住みやすい街です。勤務先はボストンレッドソックス本拠地であるフェンウェイパークの近くのエリアで、周辺には Boston Children’s Hospital、Joslin Diabetes Center、Massachusetts General Hospital など、Harvard大学の関連病院があり、国内外から患者様、医師、研究者が集まっています。
      私は整形外科教授のJames D. Kang先生と准教授の水野秀一先生にご指導いただきながら、椎間板再生に関する研究を進めています。Kang先生は2015年までPittsburgh大学整形外科教授を務められ、神戸大学整形外科からたくさんの留学生を受け入れて頂いていた経緯があり、当科と深い結びつきがあります。水野先生は筑波大学大学院在学中に留学してこられ、そのまま30年近く研究生活を続けておられる筋金入りの研究者です。お二人とも、家族のように優しく私に接してくださり、指導者に大変恵まれた留学生活だと思います。
      生活面では、海外ならではの大変なこともありますが、ハローウィンやクリスマスなど、日本とはかなり雰囲気が違ったアメリカっぽい季節の行事を楽しんだり、世界中から集まってきている医師や研究者たちと交流したり、貴重な体験もたくさんあります。私のような若輩者が海外留学できたのは、同門の先輩方のこれまでのご尽力とサポートの賜物です。この環境に感謝し、楽しみ、少しでも多くのことを日本に還元できるように、残された時間を過ごしたいと思っています。

    • Steadman Philippon Research Institute(SPRI) 留学便り

      深瀬 直政(平成15年卒)
    • はじめに黒田教授、教室ならびに同門の先生方のご支援の下、海外留学という大変貴重な経験をさせて頂いていることに深く感謝申し上げます。
      私は2019年4月より、The Steadman Clinic/Steadman Philippon Research Institute(SPRI)に留学させて頂いております。Steadman Clinicは、Dr. Richard Steadmanによって設立された全米屈指のスポーツクリニックで、米国コロラド州の州都Denverから車で2時間の、Vailという街にあります。Vailはスキーリゾートとして名高く、年間300日は晴れるという気象条件も相まって、夏は避暑地として、冬はスキーヤーで賑わいます。
      Steadman Clinicには世界中からトップアスリートが治療に訪れ、クリニックが求める最先端の再生医療の実現のために、SPRIで基礎研究が行われています。私のボスであるDr. Johnny Huardは、Pittsburgh大学で長年にわたり神戸大学整形外科からのフェローと研究をされており、黒田教授、黒坂名誉教授を始めとして教室との結びつきも、とても強いものがあります。現在、様々な薬剤や、scaffoldを用いた軟骨再生の研究を行っており、動物実験は、Vailから車で3時間のFort Collinsという街にある、コロラド州立大学で行っています。また、股関節鏡の第一人者であるDr. Marc Philipponの指導の下、手術見学や臨床研究、さらにKUKAと呼ばれるロボットを用いて、cadaver股関節のバイオメカニクスについての研究を行っております。Dr. Philipponは、世界中から集まるトップアスリートを中心に年間約350例の股関節鏡手術を行う傍ら、2019年には日整会総会で招待講演を行うなど大変高名な先生です。忙しい中にも我々フェローにも細かい心配りをされる人格者として尊敬されており、大変貴重な経験をさせて頂いております。
      渡米後1年余り経ち、留学生活の中で様々な難局に直面することがありますが、神戸大学整形外科教室の歴史や伝統が私自身のguaranteeとなり、円滑な人間関係や信頼関係を紡ぎ出し、ひいては異国で自分自身を奮い立たせる活力となっていることに気付かされます。残された留学生活で多くのものを吸収し教室に還元したいと思っております。

    • University of Pittsburgh 留学便り

      西田 京平(平成20年卒)
    • 2019年 Biodynamics Lab のクリスマス会。
      後列左から4番目が Lab director の W. Anderst 先生。
      DSXとともに。

      201810月よりアメリカのピッツバーグ大学整形外科に留学させていただいております。アメリカでの生活も1年7ヶ月が経過しました。
      ピッツバーグはワシントンDCまたはシカゴからフライトで約1時間、アメリカ東北部にある人口30万人程度の街です。短い夏は涼しく低湿度で過ごしやすい(30度弱ですが、長い冬は厳しい寒さに見舞われます(2020年は5月上旬で雪が降りました。かつて鉄鋼の街として栄えたことは有名ですが、その後ハイテク産業・教育・医療に投資しモデルチェンジ、学術都市としても栄えており、ピッツバーグ大学医学部には整形外科のみならず各分野において世界中から医師が集まっております。
      私のボスであるピッツバーグ大学整形外科教授Dr. Freddie Fuは膝スポーツ医学分野で非常に高名な先生でありは各国からアスリートが治療に訪れます。過去に来られたアスリートのユニフォームがクリニックに飾られていますが圧巻です。Dr. FuPatient First! をモットーに患者さんに対して非常に細やかな心配りをされますので、診療に対する姿勢など学ぶことが多いです。また数多くの研究室をお持ちで、臨床研究・基礎研究成果を世界に発信しております。私はBioDynamics Laboratoryというラボに所属し、膝のin vivo biomechanicsの研究を行っております。Labには世界でも数少ないDyanmic Stereo X-ray(DSX)systemがあり、CTまたはMRIデータから作成した3DモデルとDSXにより2方向から連続撮影したレントゲン写真をマッチングさせることにより動作解析が可能です。Labのエンジニア・工学部の大学院生や学生・医学生・整形外科のレジデント、そして私のようなinternational fellow、計20名程度が協力しながら研究を進めるという環境で、日々貴重な経験をさせて頂いております。
      研究生活を基本としつつ、いいもわるいもアメリカ暮らしを満喫し、実りある留学生活となるように残された期間を過ごして参ります。このような機会を下さり、サポートして下さっております同門の先生方に感謝申し上げます。