チームドクターの紹介 チームドクターの紹介

チームドクターの紹介

    • TOKYO 2020 自転車競技に帯同して

      TOKYO 2020 メディカルスタッフ
      神崎 至幸
    • 今年の夏に行われた東京オリンピックにメディカルスタッフとして7月22日から31日まで参加しました。私がサポートしたのは、Mountain Bike(MTB)とBMXの2つの自転車競技でした。
      MTBはその名の通り、山の中の岩や丸太だらけの道で行われるスピードレースで、会場は伊豆の修善寺というところで、駅からバスで20分ほどの伊豆半島のど真ん中の山の中にある、壮大なコースで行われました。「こんなところ自転車が走れるの!?」というコースを、男子も女子も駆け抜けていく様を始めて目にしたときは驚きしかありませんでした。コースが非常に長く、広大な敷地の中で点々と医療拠点を設けて、そこに医療チームを配置するスタイルでした。そのチームですが、ドクター、PT、看護師以外にも特別な方が配置されていました。おそらくこの競技だけだと思いますが、プレーヤーが転倒した際、がけ下や谷底、岩山などに救助に行かなくてはなりません。その際我々だけではとてもじゃないけど患者の搬送ができないため、山岳救助隊(レンジャー)の方が配属されていました。彼らと一緒に競技前には谷底からの搬送などの訓練をみっちり行っておりました。幸い本番でさほど激しい現場には出くわしませんでしたが、やぶ蚊がブンブン飛び回る真夏の山中での待機もなかなか大変でした。
      MTBを予選から本番までサポートした後、東京有明アーバンスポーツパークに移り、BMXのサポートをしました。BMX競技には、起伏のある舗装路でのスピードレースである「レーシング」と、ジャンプ台など様々なトリックのあるパークで行う審美競技である「フリースタイル」の2種類があります。夏季オリンピック競技の中で最も重傷者が多く発生するのがBMXレーシングで、サポートドクターも整形外科よりは救急医や脳外科医が中心に構成されていました。実際今回もアメリカの選手がクラッシュに巻き込まれて脳出血を起こして3次救急に搬送される大事故が起こりました。
      この度は、自国開催のオリンピックに選手のサポートドクターとして参加するという、またとない貴重な経験をすることができました。このような経験は、今後の整形外科医師としてのキャリアに何らかの形で役立ってくれると感じております。

    • TOKYO 2020 オリンピック競技大会 インドアバレーボール競技 メディカルスタッフ活動報告

      TOKYO 2020 オリンピック競技大会インドアバレーボール競技 メディカルスタッフ
      寺嶋 良樹 ・ 鎌田 紘平
    • 2021年7月24日~8月8日に開催されましたTOKYO 2020オリンピック競技大会インドアバレーボール競技のメディカルスタッフとして活動を行って参りました。
      会場はTOKYO 2020大会のために東京有明地区に新しく整備された有明アリーナで開催されました。体操やBMXやテニスなど他競技の会場などがこの有明ベイエリアに集まっており、晴海の選手村からもすぐの位置でした。収容人数15000人の新アリーナで、非常にきれいな素晴らしい会場でしたので、無観客での開催が非常にもったいないと感じられる環境でした。業務内容は基本的に選手用のメディカル対応で、負傷や急病の選手の搬送や医務室での初期対応を行いました。選手用メディカルチームとして、ドクターが2~3人、ナース・PT・トレーナーなどのアシスタントスタッフが2~3人、学生ボランティアが1~5人、日によっては歯科医師もおられて約10人程度のチームで連日会場での活動を行いました。特にインドアバレーボール競技では試合数が多く、試合時間も長いため、各日とも前半と後半に分かれて担当しました。予選ラウンドでは第1試合が9:00開始で1日の試合数が6試合あり、試合展開によっては終了時刻が24時を超すこともありました。我々が担当した試合では幸い大きな負傷者はなく、使用することはありませんでしたが、医務室にはオリンピック専用の電子カルテやエコーも設置され、実際の怪我の診療に活躍しておりました。コロナ禍でやや盛り上がりにかける開催ではあったものの、自国開催のオリンピックに関わらせて頂けたことはかけがえのない貴重な経験でありました。今後も若い先生方がこの様な場に参加していただけることを楽しみにしています。

    • TOKYO 2020 パラリンピック陸上競技に出務して

      パラリンピック陸上競技会場担当ドクター
      河本 旭哉
    • TOKYO 2020オリンピック・パラリンピックが2021年夏に開催されました。開催すること自体にも開催方式にも様々な意見があったかと思いますが、日本代表選手はもちろん、世界中からやってきたアスリートのパフォーマンスは素晴らしく、私達に大きな感動を与えてくれました。今回、私はパラリンピック陸上競技の会場担当ドクター(Field Castと呼ばれるボランティア)として出務いたしました。パラリンピック大会全体は2021/8/24~9/5の開催期間でしたが、陸上競技は8/27~9/5に開催されました。私は前半8/27~31にオリンピックスタジアム内、最終日9/5のマラソンに会場担当ドクターとして出務しました。
      パラリンピック陸上競技の会場となったオリンピックスタジアム(新国立競技場)は、TOKYO 2020オリンピック・パラリンピックの主会場として建設された68,000人収容のスタジアムです。開会式と閉会式、陸上競技のみが行われましたが、いずれも無観客であったことが本当に残念です。パラリンピック陸上競技は9時頃~13時頃と19時頃~22時頃に行われ、朝は6時半頃、夜は17時頃に会場に集合しました。スタジアムへは指定されたルートでのみ入場可能でした。スタジアム内での実務では、フィールド内、医務室、ウォーミングアップエリア等様々なエリアに医師・PT等6名程度が1つのグループとして配置され、それぞれ無線で情報共有を行いながら現場での対応を行いました。競技開始前には各グループで毎回必要医務器材の確認と救急対応の訓練を行って緊急時に備えていましたが、私が対応した傷害は肉離れや打撲、軽い気分不良等の軽症のみで、幸い重症例はありませんでした。最終日である9/5のマラソンは皇居や東京タワー、雷門など、東京の名所をめぐるコースで、私は選手を追走する車で有事に備える担当でした。あいにくの雨となったため、前日までの暑さとは真逆となり、低体温やスリップによる転倒、車イスのクラッシュ等の重症例が危惧される状況でしたが、全選手素晴らしい走りで大きなトラブルなく大会が終了となりました。これまで経験のなかったパラスポーツの現場として、TOKYO 2020パラリンピックという一番の舞台に関われたことは、大変貴重な経験でした。皆様もぜひ、パラスポーツにご興味を持っていただき、観戦はもちろん、メディカルとしてご協力をいただければと思います。