先天性サイトメガロウイルス感染症とは

症状をともなう感染症が発生しやすい状況は、お母さんが妊娠中に初めてサイトメガロウイルスに感染してしまう、いわゆる初感染の場合です。初感染では、お母さんの血液にはウイルスを認識し、攻撃する抗体という免疫のタンパク質がないために、赤ちゃんに症状が出やすく、かつ重症になる可能性が高くなります。
また、以前お母さんに感染していたウイルスが体の中に潜んでいる場合、そのウイルスが妊娠中に増殖してしまい(それを再活性化と言います)、子宮内の赤ちゃんに感染してしまうこともあります。
お母さんが妊娠中にサイトメガロウイルスに初感染したり、体の中でウイルスが再活性化しても、子宮内の赤ちゃんに必ず感染が起こるわけではありません。子宮内の赤ちゃんへの感染は、初感染ではおよそ40%の確率で起こるとされています。再活性化での赤ちゃんへの感染は、もっと低いと考えられています。

では、その症状にはどのようなものがあるでしょうか? 以下に主な症状を挙げてみます。
先天性サイトメガロウイルス感染症で起こる症状









生まれた赤ちゃんの治療法に関しては、まだ確立したものはありませんが、抗ウイルス薬を主とした治療が試みられています。
担当
旭川医科大学 小児科 古谷野 伸
担当
旭川医科大学 小児科 古谷野 伸