神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野 サンプルロゴ

研修紹介

Training

スタッフ紹介

教授の挨拶

 皆様こんにちは。神戸大学産科婦人科のホームページを見ていただき、誠にありがとうございます。神戸大学産科婦人科学教室は、1944年(昭和19年)に県立医学専門学校に初代の村上 清教授のもと産科婦人科学教室が創生され、2代目の植田安雄教授、3代目の東条伸平教授、4代目の望月眞人教授、5代目の丸尾 猛教授、6代目の山田秀人教授と引き継がれ、80年を超える長い伝統を持つ診療科です。神戸大学は、「学理と実際の調和」を建学の理念として掲げ、これは「学問上の原理を学んだ知識を社会で役立てていくこと」であり、この理念の下で、諸先輩方により培ってきた伝統を大切にしながら、新たな伝統を作るために、様々な新しいことにも取り組んでおります。

 産婦人科領域は、周産期、婦人科腫瘍、生殖内分泌、女性ヘルスケアなど女性のトータルサポートを行う多岐にわたる幅広い診療科です。産婦人科は、神秘的な生命の誕生に唯一立ち会える診療科です。一方で、妊娠出産時に急変する産科救急の場面では、母児の2つの命を救命しなければならない厳しい診療科でもあります。また、女性のライフステージでは、様々な疾患にかかる可能性がありますが、その疾患とその患者様の年齢、背景に応じた治療選択が必要となり、先天性疾患など機能回復、温存治療や、子宮筋腫や子宮内膜症などの治療や子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌などの悪性腫瘍の治療まで多岐にわたります。治療においては、ホルモン治療を始めとする内科的治療から手術などの外科的治療があり、手術においても経腟的手術、開腹手術、腹腔鏡・ロボット手術など多岐にわたります。私は、婦人科腫瘍を専門として、研究、診療を中心に行ってきました。また、手術においては、腹腔鏡手術やロボット手術を専門として、数多く実施してまいりました。特に最先端手術である腹腔鏡・ロボット手術においては、高難度新規医療技術である腹腔鏡下広汎子宮全摘出術や腹腔鏡下傍大動脈リンパ節郭清術も導入し、手術術式の定型化と言語化を取り入れた指導により高度な先端医療を安全に実施し、内視鏡技術認定医とロボット支援科手術術者を持った術者により、神戸大学では良性疾患の8-90%、悪性疾患の70%で腹腔鏡・ロボット手術を実施しております。また、開発段階から神戸大学が積極的に関わってきました国産ロボット手術機器hinotoriに対しては、機器開発評価や婦人科領域への保険適用拡大に携わり、2022年12月にhinotoriを用いた世界で初めての子宮体癌手術を成功させ、初代プロクター(指導者)として、hinotori術者資格取得の修練施設として、全国からも多くの先生方に来ていただいております。一方で、進行がんや再発がんなど難治症例に対しては、食道胃腸外科、泌尿器科、整形外科などと定期的なカンファレンスを行い、術前から治療方法など他科と連携を取りながら骨盤除臓術など高度な医療も腹腔鏡やロボット手術で実施するとともに、放射線診断科、病理診断科、放射線腫瘍科や腫瘍・血液内科とのカンファレンスなど、他科との連携と協力の中で先進的な医療を安全に施行できる体制で治療をおこなっております。

 周産期においては、兵庫県内の合併症妊娠や産科救急の最後の砦として、合併症妊娠の管理や24時間体制の分娩を実施するとともに、麻酔科のご協力で麻酔科医による和痛分娩を導入し多様なニーズに対応した周産期医療を実践しております。生殖内分泌分野では、院内がん生殖医療ワーキンググループを作り、近隣不妊クリニックとも連携しながら、様々な若年がん患者様の卵子凍結や精子凍結などへの対応や、思春期女性の月経不順や先天性疾患などの手術治療やホルモン治療にも実施しております。さらに高齢社会の中で、全人的医療を進めていくことが重要と考え高齢者に対する骨盤臓器脱に対するロボット支援下仙骨腟固定術など老年期医療にも力をいれております。

 神戸大学産科婦人科では、幅広い疾患に対して、女性のライフステージに合わせた適切な治療をご提供できます。また、将来の新しい医療のために大学院生を中心に婦人科がんに対する抗がん剤耐性機構の解明と治療応用、癌の浸潤転移におけるがん微小環境と制御機構解明や腟分泌物に含まれるエクソソーム内のmiRNAの早期診断への応用、iPS細胞を用いた絨毛細胞による胎盤形成メカニズムの解明。母体内環境の胎児への影響についての基礎的研究などを神戸大学内の様々な基礎研究室と共同で進めております。

 一方で働きやすい環境作りにも力を入れ、2023年から当直明けの半休や休みやすい環境つくりのために、個別主治医制から教室全体で周産期・婦人科病棟全体を診るチーム医療体制に変更し個人への負担を軽減するとともに、毎朝全体カンファレンスを行い、教室員全体で全患者様の把握や当直医からの申し送りとチーム内で1日の予定の話し合いをして診療にあたるチーム医療体制により安全な医療を実践しております。

 このように神戸大学産科婦人科学教室は、産婦人科領域全般において、受診いただく患者様に、安全で安心・信頼される低侵襲で高度医療を提供できるプロフェショナル医療チームであり続けるために、日々頑張っております。
 是非、神戸大学産科婦人科をよろしくお願い申し上げます。

神戸大学産科婦人科学教室 教授 寺井義人

スタッフ紹介

寺井 義人 教授
平成4年卒業

婦人科腫瘍を専門とし、特に腹腔鏡手術やロボット手術を多く行ってきました。産婦人科は、女性のライフステージにあわせた様々な疾患に対応するやりがいのある診療科です。根治性と安全性を担保しながら、より低侵襲で安心・信頼される高度医療を開発、提供していきたいと思います。“何事にも前向きにチャレンジ”が私のモットーです。是非、若い先生方も一緒に頑張りましょう。

出口 雅士 特命教授
平成10年卒業

不育症、先天性感染、自己免疫疾患合併妊娠を中心に周産期医療の診療と臨床研究に携わっています。産科部門では若い先生にも積極的に意見を出してもらいながら、個々の患者さんに最適な医療を提供できるよう心がけています。

谷村 憲司 特命教授
平成11年卒業

私たちの教室のスタッフは、仕事熱心で楽しい人ばかりです。もちろん、若手指導にも力を入れています。スタッフ全員で、あなたの産婦人科医師としての大切な時期を全力でサポートしていきます。

若橋 宣 講師/外来医長
平成12年卒業

診療・研究・教育と大学病院の仕事は、市中病院とは大きく異なりますが、自分にしかできない「何か」を探すことができるのが、大学病院の魅力だと感じています。

今福 仁美
講師/産科病棟医長 平成15年卒業

女性のQOL向上に貢献したく、産婦人科医になりました。大勢のスタッフとともに、様々なことを相談し、切磋琢磨できる点が大学病院の魅力だと感じています。

西本 昌司 助教
平成20年卒業

大学病院の症例は一つ一つが複雑で、一筋縄ではいきません。共に働き、共に高めていきましょう。

長又 哲史 助教
平成22年卒業

大学病院は大変なケースも沢山ありますが、産科・婦人科ともに学ぶ事が非常に多いと思います。僕自身もまだまだ勉強の日々ですが、一緒に頑張っていきましょう。

笹川 勇樹 助教 
平成23年卒業

大学病院は市中病院では経験できないような症例が多く、研修を積むには最適な場所です。指導体制もしっかりしています。ぜひ一緒に働きましょう!

内田 明子 助教 
平成23年卒業

新たな命の誕生に立ち会うことができ、おめでとうと言える素敵な科です。ハードな場面もありますが、一緒に学んでいけたら光栄です。

髙橋 良輔 助教/婦人科病棟医長
平成23年卒業

産婦人科は周産期や婦人科など幅広い分野があるやりがいのある診療科です。是非一緒に働きましょう。

清水 真帆 助教
平成24年卒業

大学病院は、気さくで熱心な指導医が多く、学会発表や論文執筆も一から学ぶことができます。
ぜひ一緒に働きましょう。

益子 尚久 助教 
平成26年卒業

神戸市、兵庫県の産婦人科医療に貢献できるように頑張ります。まだまだ学ぶことも多いですが、一緒に頑張りましょう。

栖田 園子 助教 
平成27年卒業

大学病院ならではの複雑な症例もありますが、スタッフと相談したり他科と連携していく中で勉強になることも沢山あります。この学びの多い環境で、ぜひ一緒に働きましょう。

医員
市橋 さなえ
冨本 雅子(大学院生)
安積 麻帆
山中 啓太郎
岡本 凪り
小畑 権大(大学院生)
喜多 ともみ(大学院生)
吉本 梓希子(大学院生)
倉智 友香
前田 美亜
三木 満帆
三原 綺乃
宮下 幸一
海府 葉
亀山 南奈
武内 真世
山口 真理子
川本 真愛
浜口 真奈美

先輩の声

平成27年卒
 私は、初期研修は大学の関連病院で行い、後期研修の開始と同時に入局しました。市中の基幹病院で後期研修をすることも考えましたが、様々な環境で学べることにメリットを感じたため大学で研修することにしました。
 初年度は関連病院での研修を希望し、初期研修と同じ施設で後期研修を開始することになりました。年間1300件の分娩があり、多くのお産を経験しました。NICUが22週から受け入れ可能だったので、超早産の帝王切開も経験しました。良性腹腔鏡手術を専門とする先生もおられたため、後期研修1年目のうちに腹腔鏡下子宮全摘術の前立ちや、腹腔鏡下付属器摘出術や卵巣腫瘍摘出術の術者ができるようにトレーニングしてもらいました。
 後期研修1年目の2月から大学病院に勤務しました。大学は産科と婦人科で分かれており、約1年間、婦人科で研修をしました。1年目の病院では悪性例をあまり経験できなかったのですが、大学では化学療法や悪性腫瘍手術を学んでいます。腹腔鏡手術症例も多いです。可能な症例では術者もさせてもらっています。重症例が多く、助手をすることが多いですが、「見る」ことはとても勉強になります。大学に来てから骨盤内の解剖についても知識が深まりました。稀な症例も多いので、文献やガイドラインを調べる機会も多く、良いトレーニングになりました。レジデントは多すぎないので、症例に困ることはありません。婦人科外来も頑張っています。
 当直では産科も婦人科もみるので、前置胎盤の緊急帝王切開をしたり、大量出血の搬送を受けたりと、産科の重症例も経験できています。
 現在の夢は、腫瘍専門医と内視鏡専門医のダブルライセンスを取ることです。先日は希望してda Vinciの助手をするためのライセンスを取得させてもらいました。第一助手をする日はまだまだ遠そうですが、大学で頑張れば、いつか実現できると思っています。
 スタッフの先生方は各々の事情も考慮して、医局員を非常に大事にしてくれているので、相談しながらキャリアを積んでいこうと思います。ママさんも何名かおられますが、フォローしつつ、されつつ共働できている職場です。是非皆さんも一度見学に来てみてください。
平成25年卒
 兵庫県養成医である私は3年目に兵庫県北部にある公立病院へ1年間内科医として派遣されたのち、4年目から神戸大学の関連病院で希望していた産婦人科研修を開始することができました。そして、後期研修最後の年に大学病院での勤務が叶いました。
 大学病院というと、細分化されていて高度なことばかりをしているイメージがありました。中小病院での勤務経験しかない私は、果たしてうまくやっていけるのかどうか最初はとても心配していましたが、実際に働き始めてみると心配は取越し苦労でした。毎日がとても充実していて楽しいです。
 実際、産科も婦人科も一般市中病院では経験できないような症例がたくさんあり、自分で勉強したり教わったりしながら、積極的に治療方針に関わる機会を得ています。
 難しい症例であっても、私たちが治療方針に関われる理由があります。産科は毎朝のカンファレンスで入院患者全ての治療方針や経過について皆で検討することになっています。婦人科では週一回の病棟カンファレンスの他に、放射線腫瘍科医との放射線カンファレンス、病理医との病理カンファレンスもあります。勉強になるのはもちろん、スタッフ全員が患者のことを理解している環境のおかげで、困難な症例にも自らが思い切って関わっていけるのだと思います。
 私の立場上、今後も地域医療に関わっていくことになります。必然的に大学病院などに紹介することが多くなると思いますが、だからこそ紹介した患者のその先を経験しておくことは必要だと感じています。将来どんな場所で働こうとも、大学病院での勤務経験は価値のあるものだと思います。さまざまな経験を積みたい方、今後のキャリアで迷っている方がいればぜひ神戸大学を訪ねてみてください。
平成23年卒
 私は、神戸大学とは関連のない市中病院で初期研修を行いました。初期研修を行った病院で、そのまま、後期研修も行おうかと迷いましたが、母校である神戸大学に何か貢献したいという思いがあったのと、医局の雰囲気が明るく働きやすそうだったので、神戸大学産婦人科への入局を決めました。大学病院や関連病院での研修を経て、神戸大学大学院に入学し、現在は、微生物病研究所に国内留学し、基礎研究に勤しんでいます。
 私が大学病院での研修で一番不安だったのは専門性の高い、重症症例ばかりしか経験できず、一般的な産婦人科診療が身に付かないのではないか?ということでした。確かに大学病院では重症で珍しい症例が多く、一般的な軽症の症例は少ないですが、3年間の後期研修期間のうち関連病院での研修が1年以上あるので、そこで、一般診療の経験も積むことができます。神戸大学産科婦人科の後期研修プログラムによって、産婦人科に必要な知識と技術は、偏りなく身につけることができますので心配はいりません。むしろ、一般病院では対応できないような珍しい症例は、大学病院でしか経験できないので、そのような症例が多く集まる大学病院は後期研修に、むしろ、適していると言えます。また、多くの先輩医師がいて、教育体制もしっかりしているので、正しい知識と技術を習得することができるのも大学病院で研修するメリットだと思います。
 神戸大学の医局は、非常にat homeな雰囲気で、他大学出身の先生も多いです。他大学出身だと肩身の狭い思いをするのでは?というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、神戸大学はそんなことはありません、大丈夫です!他大学出身の先生も神戸大学出身の先生も一度、私たちの医局を見学していただき、さらには、一緒に働くことができればいいなと思います。絶対、お勧めです!
平成22年卒
 私は神戸大学病院で2年間の初期研修を終了後、3年目から神戸大学産婦人科に入局しました。地元が兵庫県宝塚市であり、関西に戻って来る際にどの病院で研修を行うかは非常に迷いましたが、神戸大学は産婦人科に限らず他大学出身者も非常に多く、垣根の低さや横の繋がりが非常に魅力的でした。入局という道を選んだのは大学病院という専門性の高い病院で幅広い知識を身に付けられると思ったからです。
 卒後3年目は大学病院で過ごし、4、5年目は兵庫県立淡路医療センターで後期研修を終えました。大学病院での超重症例に加え、一般病院でのローリスク症例なども経験した上で6年目に大学院に入学しました。ある程度の経験を積んだつもりでしたが、今また重症例や専門性の高い症例への対応の難しさを実感しました。現在は、ウイルス学の基礎研究に専念中です。
 神戸大学産婦人科は関連病院の先生方を含め教育熱心な先生が多く、手術手技を含め若手のうちから様々な経験を積むことが出来ます。また日頃の臨床業務以外にも、海外での学会発表や日本産婦人科学会でのIS Award受賞など、後期研修医の間に貴重な経験をさせて頂きました。医局の規模が大きすぎない事も魅力の一つだと思っていて、上司の先生方との距離も近く、忙しい中でも充実した日々を過ごしております。このホームページをきっかけに、一緒に働いてくれる仲間が増えるととても嬉しいです。是非とも一緒に働きましょう!
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