神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野 サンプルロゴ

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骨盤臓器脱(子宮脱など)に対する仙骨腟固定術

骨盤臓器脱(子宮脱など)に対する仙骨腟固定術とは

骨盤臓器脱とは加齢や分娩などにより骨盤の底で子宮や膀胱、直腸を支えている「骨盤底筋群」がゆるみ、子宮、膀胱、直腸の下垂が生じることです。骨盤臓器は靭帯や膜で支えられており、出産や加齢によりそれらが弱くなることで生じます。

骨盤臓器脱の症状

骨盤臓器脱の症状は陰部に何かが下がってきている感じ(下垂感)や何か物がある感じ(会陰部不快感、異物感)、頻尿など排尿障害や排便障害があります。重いものを持つ、排便でいきむなど日常生活の中で腹圧をかけることで生じるため、腹圧をかける動作が困難になり、日常生活に支障をきたします。

治療法について

軽症の場合は骨盤底体操やリングペッサリー(膣内に挿入する器具)などで治療します。中等度以上では手術療法が選択されます。当院ではロボット支援下仙骨膣固定術を行なっております。

術式について

ロボット支援下仙骨膣固定術はまず子宮上部切断術(子宮全摘術)を行い、腟管を剥離しメッシュの尾側端を留置・固定し、頭側端のメッシュを仙骨前面の前縦靭帯に吊り上げて固定する手術です。 骨盤臓器脱の原因である脆弱化した骨盤底に対して、その補強としてメッシュと呼ばれる医療用人工繊維を用いて骨盤底を再建します(図1)。

仙骨腟固定術のイメージ

メリット:従来の子宮脱根治手術と比較して再発率が低いです。また膣や会陰の縫縮は行わないため性交渉は今まで通り行えます。ロボット手術で行うため約1週間で退院でき、退院後もデスクワークなど体に負担のない仕事は通常通り行うことができ早期に社会復帰できます。
デメリット:メッシュ感染や椎間板炎など感染のリスクがあります。

手術後について

手術後は骨盤臓器脱で生じていた様々な症状(下垂感や排尿障害、排便障害など)が改善され生活の質が向上します。またこれまで骨盤臓器脱のせいで出来なかった運動や趣味も行うことが可能となります。
骨盤臓器脱でお悩みの方は一度当院にご相談ください。

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