診療

内視鏡診断・治療グループ

グループ紹介

本院チーム 内視鏡診断・治療グループ

ICCRCチーム 内視鏡診断・治療グループ

内視鏡診断・治療グループでは、主に食道、胃、大腸、十二指腸における消化管腫瘍の内視鏡的診断・治療を行っています。最新の内視鏡機器を用いて、白色光観察に加え、特殊光観察、拡大内視鏡観察を駆使しながら、早期発見と正確な質的診断に努めています。また国内・世界屈指の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD;Endoscopic Submucosal Dissection)の専門施設として、他施設より治療難易度の高い症例を多数ご紹介いただいています。現在年間450例ほどの治療を行っており、良好な治療成績をおさめています。また国内外から多数の内視鏡医師の見学の受け入れも行っています。下記の通り、十二指腸腫瘍に対する先進医療であるLECS(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)や、食道アカラシアに対するPOEM(Per-Oral Endoscopic Myotomy)も施行しています。さらに豊富な症例数を生かし、研究も多数行っており、毎年国内外で学会発表および論文発表を行っています。

主な臨床業務と治療実績

消化管腫瘍の内視鏡的診断

最新の内視鏡機器を用いて、白色光観察に加え、NBI(Narrow Band Imaging)による特殊光観察、さらに拡大内視鏡観察を駆使しながら、食道・胃・十二指腸・大腸腫瘍の早期発見と正確な質的診断に努めています。

消化管腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術

2cm以下の表在性の食道、十二指腸、大腸腫瘍に対し、内視鏡的粘膜切除術(EMR;Endoscopic mucosal resection)を行っています。また胃腫瘍や2cmを超える食道、大腸腫瘍、線維化を伴う病変に対して、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD;Endoscopic Submucosal Dissection)を行っています。ESDに関しては、国内・世界屈指の専門施設として、多くの施設より多数の患者さんをご紹介いただいています。現在年間450例ほどの治療を行っており、非常に良好で安定した治療成績をあげています。また毎年国内外から多数の内視鏡医が見学に来られています。

十二指腸腫瘍に対するLECS(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)

十二指腸は壁が薄いことや、胆汁・膵液に暴露されることにより、ESDにおける穿孔率が高いことが知られています。そこで当科では当院食道胃腸外科と共同で、先進医療としての腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS;Laparoscopy and Endoscopy Cooperative Surgery)を行っており、非常に良好な成績をあげています。

小腸疾患に対するカプセル内視鏡、小腸ダブルバルーン内視鏡

小腸疾患が疑われる患者さんに対し、診断および治療目的にカプセル内視鏡、ダブルバルーン小腸内視鏡検査を行っております。

消化管狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術、ステント留置術

消化管術後の吻合部狭窄や、全周性・亜全周性の食道・胃幽門部・噴門部・直腸ESD後狭窄、癌による消化管狭窄に対し、内視鏡的バルーン拡張術やステント留置術を行っています。それぞれの実施件数は年間に食道狭窄部拡張術 約230件(約50症例)、胃・十二指腸狭窄部拡張術 約20件、小腸狭窄部拡張術 約5件、結腸・直腸狭窄部拡張術 約20件、食道・大腸ステント留置術 約20件程度です。

胃粘膜下腫瘍に対する切開生検

胃の粘膜下腫瘍は、通常の生検検査で診断をつけることが困難であるため、粘膜を切開した上で腫瘍の生検を行う、切開生検を行っています。得られた病理結果をもとに、治療方針(手術、経過観察など)を決定しています。

食道アカラシアに対する内視鏡治療

食道アカラシアに対する内視鏡治療であるPOEM(Per-Oral Endoscopic Myotomy)は手術と比較し低侵襲ながら同等以上の効果が期待できる新しい治療法です。当施設は2015年4月よりPOEMを関西で初めて導入しました。現在では近畿一円から多くの患者さんが受診され、全国でも屈指の症例数を誇る施設となっています。年間約80例程度の症例(2023年3月末まで604例)に対し治療を行い、治療成績も非常に良好です。

食道アカラシアに対する内視鏡治療