神戸大学大学院医学研究科外科系講座産科婦人科学分野 サンプルロゴ

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産科

出生前検査・NIPT 外来

出生前検査の目的

生まれてくる赤ちゃんの病気や体質について不安がある時に、それらの情報を事前に調べ、赤ちゃんやお母さんの今後の健康管理に役立てるためです。

出生前検査とは

赤ちゃんが生まれる前の何らかの原因により起こる病気のことを先天性疾患といいます。
出生前検査は、赤ちゃんが生まれる前に先天性疾患があるかどうかを調べる検査です。
出生前検査には「染色体に関する検査」や「超音波検査」などがありますが、この事前資料では「染色体に関する検査」についてご説明致します。

遺伝カウンセリングについて

出生前検査を考える際には、遺伝カウンセリングを受けて頂くことが大切です。
遺伝カウンセリングでは、いでんに関する悩みや不安、疑問などを持っている方々に、正確な医学的情報をわかりやすくお伝えし、理解していただけるようお手伝い致します。そしてそれらの情報を利用し、ご本人やご家族が今後の方針を決めることができるよう心理面や社会面を含めた支援を行います。
出生前検査の遺伝カウンセリングでは、いでんに関することや出生前検査の内容・意義付けなどを妊婦さんご家族に十分に理解して頂き、検査を受けるかどうかの意思決定ができるようお手伝い致します。
また、検査結果に応じた今後の方針などについても相談致します。

染色体・遺伝子とは
染色体・遺伝子とは

ヒトのからだは約 37 兆個の細胞から成り立ち、すべての細胞の中にはそれぞれ46本の染色体が入っています。その内訳は、常染色体が22 種類×各2本で44 本、性別に関する染色体が2本です。
常染色体は、お父さんから1本、お母さんから1本を受け継いで1対となっており、大きさの順に1番から22番まで番号がつけられています。
性染色体には X染色体とY染色体があり、通常、男性はXY、女性はXXの2本になります。
染色体には、私たちの体をつくり出すための設計図である「遺伝子」が詰め込まれています。

先天性疾患と染色体疾患
先天性疾患と染色体疾患

生まれてくる赤ちゃんの 3~5%は先天性疾患をもっているといわれています。
先天性疾患といっても、そのすべてが命に関わる疾患ということではありません。
原因は様々ですが、先天性疾患の 25%は染色体の変化が原因であるといわれています。

染色体に関する検査について
先天性疾患と染色体疾患

染色体に関する検査は大きくわけて2種類あります
確定検査:おなかに針を刺して羊水や絨毛を取る検査
 赤ちゃん由来の細胞を採取して、染色体を調べる → 確定診断が可能
非確定的検査:超音波検査(エコー)や採血でできる検査
赤ちゃんの染色体は直接調べていない → 診断は確定しない → 陽性の場合は確定検査

費用について

出生前検査は保険適応外の診療となりますので、すべて自費診療です。
・遺伝カウンセリング料 初診・・・8,800円(院内紹介は4,400円))
 再診・・・6,600円
・NIPT 検査費用・・・約14万円(NIPT 陽性であった場合の羊水検査費用も含む)
 羊水検査費用 ・・・約15万円
 クアトロテスト費用・・・約3万円(陽性の場合の羊水検査費用は別途必要)
※このほか、胎児心拍確認(超音波検査)、紹介状の費用が加算されることがあります。
※当院で同じ日に保険診療の予約を取ることはできませんので、ご注意ください。

NIPT の対象疾患

お母さんの年齢に相関して発症頻度が増加するといわれる 3 つの染色体疾患(21トリソミ-(ダウン症候群)、18トリソミ-、13トリソミ-)が対象です。
性別を含めた上記以外の染色体疾患は対象外です。全ての染色体疾患がわかる検査ではありません。

NIPT の特徴(上記の表を参照)

①従来の非確定的検査と比べて精度の高い検査です。
②比較的早い時期(妊娠 10 週~)から検査ができます。
③お母さんの採血で検査を行うため、検査による流産や死産のリスクはありません。
★NIPT は非確定的検査です。陽性の場合は、原則、診断を確認するための確定検査が必要です。

検査を受ける前に考えていただきたいこと

NIPT はお母さんの採血で行う検査ですが、お腹の中の赤ちゃんが 3 つの染色体疾患のいずれかを有している可能性を知るための検査です。よって検査の内容を十分に理解し、特に望まない結果であった場合のことは事前に十分考えておく必要があります。
→ ご家族で話し合ってみて下さい。

検査を受ける前に考えていただきたいこと

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