研究

炎症性腸疾患グループ

診療業務と研究業務を両立し、社会に還元することを目標とした臨床研究と基礎研究にバランスよく取り組むように心がけています。

基礎研究

ヒトは腸内細菌叢と共生の関係をたもち、お互いに進化してきました。現在では、この腸内細菌叢が組織の形成や健康の維持に重要であることが判明しています。そして、炎症性腸疾患や大腸がんは近年になり罹患者数が増加しており、遺伝子変化だけでは説明がつかないため、様々な環境因子の関与が疑われています。わたし達は、日本での食文化や衛生環境の変化による腸内環境の変化がこれらの疾患に深くかかわっていると推測しています。新規治療の開発は重要ですが、近年に増加している疾患はその予防も可能かも知れません。そこで、動物モデルを駆使し、腸内環境への医療介入による新規治療法や予防法開発を見据えて、病態発生機序の解明に取り組んでいます。

【腸内環境への介入による消化管疾患の治療法・予防法の開発のシーズ(図解)】

主な研究内容

臨床研究

  • 難治性潰瘍性大腸炎におけるインフリキシマブとタクロリムスの治療成績の検討
  • 腸管ベーチェット病に対する抗TNFα抗体製剤の治療効果の検討
  • クロンカイトカナダ症候群に対する抗TNFα抗体による治療の可能性
  • 免疫チェックポイント阻害剤による腸管障害の病態解明

基礎研究

  • 動物モデルを使用した腸内環境変化による炎症性腸疾患の治療・予防法の開発研究
  • 動物モデルを使用した腸内環境変化による大腸癌予防法の開発研究
  • 過敏性腸症候群における腸管粘膜上皮表層細菌叢の解析

学内共同研究

  • 培養系ヒト腸管モデルを駆使した腸疾患の病態解明の研究(医農工学部連携研究)

特許申請

  • 培養系ヒト腸管モデルによる患者腸内菌叢の評価系