診療科長あいさつ

小川渉診療科長

神戸大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科
診療科長
 小川 渉

糖尿病内分泌内科は、糖尿病を中心とした代謝性疾患と内分泌疾患を対象とした診療科です。

糖尿病の診療では、様々な合併症を持つ症例やケトアシドーシスなどの緊急症例の治療、インスリンポンプ療法の適用や持続血糖モニタリングシステムを用いたコントロール状態の評価など、大学病院ならではの専門的な診療を行うと共に、一般の2型糖尿病に関しても正しい病態把握に基づいた適切な医療を提供しています。当科は国内でも1型糖尿病の診療実績が最も豊富な施設の一つであり、インスリンポンプの導入数・継続診療患者数は国内トップレベルです。加えて、当院は1型糖尿病患者さんに対する膵臓移植の施設認定を受けており、当院肝胆膵外科と協力して移植治療にも取り組んでいます。

内分泌疾患の診療では、比較的患者数の多い電解質異常や甲状腺、副甲状腺疾患、骨粗鬆症、原発性アルドステロン症などはもとより、診療に高度な専門性が必要とされる先端巨大症や下垂体機能低下症、Cushing症候群、アジソン病などの症例も数多く診療しています。特に下垂体疾患や副腎疾患の診療については、全国的な拠点の一つです。また、当科は甲状腺悪性腫瘍に対する放射性ヨード内用療法が行える数少ない施設です。

当科では糖尿病や内分泌疾患の患者さんに対して、単に高度で良質な医療を提供するだけでなく、患者さんの立場に立った暖かく心のこもった医療を実践することを心がけています。

当科は関連する病院や診療所の先生方との密接な連携の基に、地域医療への貢献にも意を注いでおり、糖尿病患者さんのための様々な短期入院プログラムも充実させて参りました。このような短期入院プログラムでは医師だけでなく、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、臨床心理士など様々な職種の医療スタッフが協力して行うチーム医療によって、患者さんのより良い療養を支援いたします。

明日の医療を支える多くの若い人材に当診療科への参加を期待するとともに、これからも多くの皆様も福祉に貢献できるよう良質で心のこもった医療を提供してゆきたいと思っています。