H29年度 新規メンバーの紹介

仁田 亮

生理学・細胞生物学講座 生体構造解剖学分野 教授

2017年6月より本学生体構造解剖学分野に着任致しました。これまでクライオ電子顕微鏡およびX線結晶構造解析法を用いて、細胞内分子モーターおよび細胞骨格微小管の構造・機能研究を推進して参りました。本学においてもクライオ電子顕微鏡を積極的に活用しながら、これまでと同様の高分解能構造研究を推進するとともに、これまでin vitroで行って来た構造研究を細胞レベルの構造研究へと拡張させて行きたいと考えています。これによって、細胞内での生理・病理現象を機能分子の高分解能構造から理解する事が可能となり、新たな治療法創出にも繋がります。神戸大学医学部をクライオ電子顕微鏡による医学研究の一大拠点として発展させられるよう努力する所存ですので、みなさまのご指導・ご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

福本 巧

外科学講座 肝胆膵外科学分野 教授

平成29年6月より神戸大学大学院医学研究科 外科学講座 肝胆膵外科学分野 教授を拝命しております福本 巧と申します。よろしくお願い申し上げます。私はこれまで肝臓や膵臓などの臓器移植や肝胆膵癌に対する手術治療を行うとともに難治性肝胆膵疾患に対する独自の治療技術の開発を行ってきました。肝臓に対するDrug Delivery Systemである経皮的肝灌流化学療法や腹部・骨盤部の難治性悪性腫瘍に対する体内空間可変粒子線治療はすでに臨床応用し、薬事承認を目指しています。さらに昨年、神戸大学先端融合研究環に医学と工学の連携プロジェクトを立ち上げ、医工学連携によるトランスレーショナルな医療技術開発を推進しています。この融合研究環は本年度全学センターに昇格予定です。このような研究開発を通じで、安全で質の高い次世代の医療技術を実現するとともに神戸大学の発展に貢献したいと考えます。何卒ご指導宜しくお願い申し上げます。

金野 祐

生化学・分子生物学講座 シグナル統合学分野 特命助教

平成27年4月より的崎教授の研究室でお世話になっております、金野祐と申します。現在の研究室に所属する以前は、山形大学大学院医学系研究科の生化学・分子生物学講座にて、酸化ストレスによる自己免疫疾患発症のメカニズムについて解析を行い、博士課程を修了しました。そして現在の研究室では、腸上皮細胞のターンオーバー制御機構の解明をテーマとして、ex vivoで腸上皮細胞の増殖や分化を再現できる腸オルガノイド培養系を中心とした解析を行っております。特に、腸上皮細胞の細胞内シグナル伝達を制御する腸管内の因子を同定するため、クロマトグラフィーをはじめ、遺伝子発現解析や免疫組織化学的手法を駆使して日々研究活動に勤しんでおります。今後は、遺伝子改変マウスや病態モデルを用いたin vivoの解析も織り交ぜながら、現在の研究を腸疾患の病態解明や創薬開発にまで繋げられるように推進していく所存です。今後ともご指導・ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

永井 裕崇

生理学・分子生物学講座薬理学学分野 特命助教

平成29年の10月から古屋敷教授の研究室で特命助教としてお世話になっております永井裕崇と申します。私は医学部のMDPhDコースの出身者であり、大学院において実験病理学の研究に従事した後から神経科学の研究に従事しています。前所属の米国ウィスコンシン大学マディソン校睡眠センターにおいては、睡眠と神経可塑性に関する研究を三次元電子顕微鏡を用いて行ってきました。現研究室においては、今まで培ってきた微細形態学的解析をいかし社会ストレスにより生じる脳組織恒常性変容を対象に研究しています。特に、長期的なストレスにより生じる前頭前皮質神経細胞の樹状突起退縮やスパイン喪失の実態とその機序を明らかにすることで、うつ様行動が生じるメカニズムを明らかにしたいと考えています。自身のキャリアパスも踏まえ、学部生のリサーチマインド醸成にも微力ながら貢献したいと存じております。今後ともご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。