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大学院のご紹介

教室の研究テーマは神戸大学の伝統である皮膚腫瘍学、色素細胞学、光医学、皮膚免疫学の診療並びに研究を推進しています。この方面の研究は当大学が以前より得意とする分野であり、関連疾患も多いので、臨床をしつつ、臨床よりヒントをえて、これらの関連分野の研究を進めております。その方面の知識や経験が大変豊富な教室員の層が厚い、という特徴があります。神戸大では教室内に小さな研究グループがありますが、お互いの領域がかぶることもあり、グループ間での共同研究も自然に行われています。

2010年に研究室が移転を完了し、以前とは見違えるような環境で研究に従事できるようになりました。また各グループ間での研究の情報を共有しお互いの研究の発展を促すために、1ヶ月に1回程度のプログレスレポートを皮膚科全員で行なっております。

光生物学・光発癌(錦織、国定、小野)

"光の生体の関わり"をメインのテーマにしています。光はがんの原因にもなりますが、有効な波長を取り出して治療にも使います。地球誕生の時から太陽にさらされてきた生き物は様々な光の有害性に対する備えがありますが、その破綻は"光線過敏症"となります。身近な太陽光の皮膚への反応を知ることは生命の根幹にも関わる部分です。その中でも大きな力を注いているのは
(1) DNA修復異常が原因でおこる難病の光線過敏症である"色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum: XP)の遺伝子診断、病態解明と治療法の開発"です。2003年"色素性乾皮症の遺伝子診断"を本学の医学倫理委員会の承認を得て開始し、2008年にはその実績が評価されて、先進医療と認められ、さらに2012年4月から保険収載となっています。多くの教室員の協力と努力の御陰で研究をベースに実地の臨床診断につなげる事が出来たことは意義深いと感じます。患者細胞を用いて、細胞生物学的、分子生物学的なアプローチで病態解明のもと治療法開発も進めています。最近は、医療情報部の高岡准教授のご指導のもと、分子シミュレーションを用いてドラッグリポジショニングによる候補薬探しも進めており、中野英司助教と辻本昌理子特命助教が精力的に進めています。診療の場でXPの患者さんと日々接することがこれらの研究を推進していく大きなモーチベーションとなっております。さらに、最近はXP-iPS細胞を用いてもその病態解明と治療薬開発の研究を進めており、こちらは青井教授のご指導のもと、国定充講師、が二人の大学院生を率いて推進しています。
(2)その他には教室の長年のテーマである、悪性黒色腫のメタボローム解析研究、光発がんの動物モデルとその治療開発の研究なども合わせて進めています。これらは国定講師が以前からのテーマとして継続して進めています。
(3)光には皮膚がんを作る負の面とともに、免疫調整作用も有しており、適切な紫外線治療の波長と線量、照射方法、紫外線治療が有効性の個人差、などの研究についても研究しています。経済産業省の"医療現場の課題解決型の医療機器開発"に採択され、水銀フリーの照射部位選択型の紫外線照射装置の開発にも関わりました。近々上梓のよていです。これらの研究についてはアレルギーグループの福永講師の助けもえて、研究を進めています。
興味のある方の来訪を歓迎します!

皮膚・腫瘍免疫学(永井、藤原)

化学療法や放射線療法の効果が乏しい悪性黒色種に対する新しい治療として、ニボルマブをはじめとする免疫療法が実臨床で使用されるようになりました。こうした免疫療法の有効性をさらに高めるために 必要な因子や併用療法について研究を行っています。
乾癬や自己免疫性白斑についての発症病理や治療有効性に関する研究を行っています。

皮膚アレルギー・発汗・光線研究(福永、鷲尾)

皮膚の恒常性を保つために様々な観点から関わりをもつ発汗、光線そして皮膚アレルギー疾患に焦点を当てて研究を進めています。

(1) 皮膚アレルギー疾患は皮膚科を受診する患者の多くを占めます。近年バイオ製剤が使えるようになり治療のパラダイムシフトが生じている蕁麻疹やアトピー性皮膚炎を中心としたトランスレーショナルリサーチを行なっています。細胞レベルではこれらの疾患における好塩基球の役割に特に着目しております。
(2) 発汗は体温の維持のためにヒトが進化の過程において獲得した重要な皮膚の機能であり、動物の中でヒトが最も効率的に汗をかくことができます。発汗機能に関する研究は主に運動生理学の分野で発達してきましたが、皮膚疾患と発汗の関わりには未知の要素が多く今後発展する可能性の高い分野と考えております。我々は汗の質と量の両者の異常に着目して、コリン性蕁麻疹、乏汗症、金属アレルギー、アトピー性皮膚炎など疾患での発汗に関する研究を進めています。
(3) 光関連では錦織教授のご指導のもとに光線が免疫や炎症に及ぼす影響に関して研究を行っています。光線の中でも特に紫外線は各種皮膚疾患の治療に用いられる一方で光線過敏症は紫外線に対する炎症反応の制御ができなくなった状態と考えられています。我々は紫外線治療や紫外線に対する反応を制御する上での表皮ランゲルハンス細胞の役割に着目して研究を進めています。

以上のように神戸大学皮膚科大学院では非常に多彩な研究を行なっており、大学院生の興味に応じた多彩な基礎・臨床研究が行なえる環境が整っております。また基礎系の研究室に出向することも可能であり、研究の興味によってフレキシブルに4年間を使えます。

在学中は国際学会などで発表する機会も十分に与えられますので、海外に興味のあるひとにはもってこいです。大学院卒業後はアメリカなどへの研究留学の機会にも恵まれており、大学院を卒業した後、多くの医局員が海外留学をしております。社会人枠を使った大学院生も歓迎しておりますので、臨床を行いながらの研究も可能です。このようにいろいろなニーズに対応できる神戸大学皮膚科大学院に入って是非一緒に研究の楽しみを味わいましょう。

原稿著者の独り言

私は大学院を卒業しアメリカに研究留学を2年させていただきました。まさか自分がこのような原稿を書く立場になるとは皮膚科に入局し大学院に入ったときには思いもしませんでした。実際、大学院に入ったときは英語の論文を読むことも(話すことは当然として...)おぼつかない状態でしたが、研究を通じてアメリカに留学する機会を与えていただき世界観が変わり、多少は英語を使ったコミュニケーションにも自信がついたような気がします。

大学院は決して敷居の高い環境ではないので、いろいろな世界を知るためには新しいことに勇気を持ってチャレンジしてほしいと思います。そのきっかけとして大学院で研究してみることは無駄になりませんし、私自身は大学院へ行って本当によかったと思っています。

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