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診療のご案内

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診療について

色素性乾皮症の診断

臨床症状と光線照射テストの結果、色素性乾皮症の疑いが強ければ皮膚を採取させていただき、樹立した皮膚培養細胞を用いて患者様の細胞がどの程度紫外線に対して感受性が高いかをいくつかの方法で調べたり、病気の原因となる遺伝子検索を行い診断いたします。詳細は担当医にお尋ねください。なお本疾患は厚生労働省難治性疾患克服研究事業の対象疾患であり遺伝子診断も保険収載されています(8000点)。難病情報センターのホームページに概説されております。

尋常性乾癬・関節症性乾癬・乾癬性紅皮症・膿疱性乾癬に対する生物学的製剤による治療

近年、乾癬の病態の研究がすすみ、TNF-αやIL-23、IL-17などの炎症性サイトカインが病態形成に重要な役割を果していることが判ってきました。現在では、上記の炎症性サイトカインを特異的に抑えることで高い効果を発揮する生物学的製剤(注射薬)が使用可能になっています。その他にも、PDE4阻害剤(内服薬)、ステロイド/活性型ビタミンD3混合軟膏など、次々と新たな薬剤が登場しています。従来から行われている紫外線治療や、レチノイド内服、シクロスポリン内服などを含め、お一人お一人の状態に合わせて最適な治療を提案しております。
新規薬剤は高額なものも多いですが、事前に高額療養費制度等の負担軽減制度について説明を行います。詳細については受診時にご相談ください。

悪性黒色腫を含めた皮膚腫瘍の治療

悪性黒色腫に対してはセンチネルリンパ節の生検を含めた外科治療、進行期には免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬等を用いた全身治療を行っています。
悪性黒色腫はリンパ節転移が生じやすい疾患です。センチネルリンパ節(SLN)とはがんの局所からリンパ管に入った腫瘍細胞が最初に到達するリンパ節で、このリンパ節を精密に検査することで正しい病期とその後の治療方針を決定しております。当科ではラジオアイソトープ、赤外線、肉眼の三重法を用いた精度の高い方法でSLNを同定・摘出しています。腫瘍の切除には植皮や皮弁術を併用して行っており、術後創部の機能、審美的な観点を十分に考慮し手術を行っています。
進行期の黒色腫に対する治療は、近年目覚ましい進歩が認められ、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬を用いた治療を行っています。また術後に再発する可能性が高いと考えられる場合には、再発抑制のための術後補助療法も積極的に行っています。
センチネルリンパ節生検は悪性黒色腫のほか、有棘細胞癌、メルケル細胞がん、乳房外パジェット病についても保険適応になっており、当院で施行可能です。その他、基底細胞癌に対する切除、皮弁での再建、皮膚リンパ腫、皮膚良性腫瘍等あらゆる腫瘍の治療を行っています。詳細は担当医にお尋ねください。

水疱症について

水疱症は何らかの原因により皮膚の最も外側を覆う表皮の層が剥がれてしまい、やけどのようなびらん・水疱ができる病気です。原因は遺伝的なものと自己免疫性のものがあり、成人では後者が多く、主なものとして類天疱瘡と天疱瘡があります。自己免疫性水疱症の治療はステロイドの内服療法が基本となりますが、重症な場合やステロイド内服単独で効果が不十分な場合は、ステロイドパルス療法、免疫抑制剤、大量γグロブリン点滴、血漿交換などを併せて行います。当院では水疱症の診断から治療まで一貫して行っており、患者さんの病状に合わせたきめの細かい治療を提供致します。詳細については受診時にご相談ください。

食物アレルギーにおけるアレルゲンの原因検索

食物アレルギーは、食物を摂取した時に免疫機序(アレルギー)を介して多くは食物を摂取直後から2時間程度でみられる即時型反応を示します。アレルギー症状で最も多いのが皮膚症状(じんましん、痒い、皮膚が赤くなる、顔が腫れるなど)です。呼吸器症状、粘膜症状、消化器症状などの症状も同時または別々に出現します。重症では血圧が下がって意識がなくなる、ぐったりなるアナフィラキシーショックを呈することもあります。

また、食物アレルギーの一つに食物依存性運動誘発性アナフィラキシーという、小麦や甲殻類(エビ,カニなど)などの食物摂取後の運動負荷によりアナフィラキシーを発症する病態があります。これらの食物アレルギーを引き起こす原因食物を皮膚テスト・誘発テストなどの方法を用いて検索・診断することによって、アレルギーの再発の予防につながると考えています。また必要に応じて、アナフィラキシーの補助治療を目的としたアドレナリン自己注射薬の指導・処方も行っています。詳細は担当医にお尋ねください。

難治性蕁麻疹の原因検索と治療

蕁麻疹はかゆみを伴い患者様のQOLを害し、重症時にはアナフィラキシーなどの生命の危険を伴う疾患です。蕁麻疹は大きく分けてはっきりとした誘因がある蕁麻疹と、明らかな誘因がない蕁麻疹との2種類があります。まずは問診をとり、患者様から十分に情報を得ることから診療は始まります。原因の検索には皮膚テストや血液検査などが有用ですが、最終診断として誘発テストを行う場合もあります。当科では入院検査による誘発テストを行い、原因の検索を積極的に行っております。

また、原因が明らかな蕁麻疹に対しては、原因の回避方法の指導及び、場合によっては治療のためにアレルゲン免疫療法を積極的に施行し、できる限り患者さんのニーズ応えるようにしております。発汗で悪化するコリン性蕁麻疹や日光で悪化する日光蕁麻疹などでアレルゲン免疫療法を行い良好な結果を得ております。症状が強い場合には入院管理下での検査、治療が必要となりますので詳細は担当医にお尋ねください。

明らかな原因のない特発性の蕁麻疹に対しては、問診等から重症で生活の質を阻害している方では抗ヒスタミン剤の変更、増量投与や場合によっては生物学的製剤の投与も行っています。並存する花粉症やダニアレルギーに関して舌下免疫療法も行なっております。

難治性アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性のかゆみを伴う湿疹が主な症状の皮膚疾患であり、患者さんの多くはアレルギー素因をお持ちです。当科では患者さん一人ひとりの状態に合わせて悪化因子の検索や、スキンケアの指導、外用療法の指導を行っています。アレルギー性鼻炎や、喘息など併存するアレルギー性疾患についても、他科と協力して原因検索や治療に当たります。これらの治療によっても症状が改善しにくい患者さんでは、シクロスポリン(飲み薬)や、生物学的製剤(注射薬)も用いています。治療の詳細については担当医にお尋ねください。

発汗障害に対する精査と治療

発汗障害には汗の多い多汗症と汗の少ない乏汗症があり、全身性疾患を含めて様々な原因でこの症状が生じます。当科では発汗障害の原因検索と治療に幅広く取り組んでいます。

重症虚血肢による難治性皮膚潰瘍に対する治療

重症虚血肢による難治性皮膚潰瘍に対して、救肢・ADLの維持を目指すためには速やかな血行再建のみならず、全身の管理・創傷のケア・潰瘍の治療・感染のコントロール・再発予防などの治療が必要です。重症下肢虚血が疑われる場合、まず血流評価を行い、血行再建の適応の有無を判断します。血行再建の可能な症例には経皮経管的血管形成術(PTA)・薬物療法などを行いながら、できる限りの救肢を目指し治療を行っています。詳細は担当医にお尋ねください。

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