開講コース

感染症医療コース感染症医療コース

標準予防策、感染経路別予防策を中心とした近代的な感染制御学に基づいた実践的知識・技術が実施でき、ICTの中心的構成員として第一線で活躍し、院内での教育・啓発活動も実践できるよう養成する。
感染症医療コース受講者全員が、院内感染対策に関するupdateされたエビデンスを共通講義で修得し、現在の問題点を十分に理解し、ディスカッションを通じて内容を深める。

達成目標達成目標

  • 1.感染制御(主に医療関連感染の防止)の基本的知識を説明できる。
  • 2.臨床検査技師:微生物学情報から院内の耐性菌の分離状況やアウトブレイクの有無を第一に把握でき、その情報をICT内で共有できる。
  • 3.薬剤師:感染症に対する抗菌化学療法薬の治療投与および予防投与の両面において、その適切な選択を集学的知識に基づいて医師に提案でき、血中濃度モニタリングなどを遂行できる。
  • 4.内視鏡担当メディカルスタッフ:院内で使用頻度が高い内視鏡類に関し、その洗浄、滅菌をはじめ精緻な光学的知識に基づいた管理を実践できる。

カリキュラム概要カリキュラム概要

感染症医療コースでは3つのサブコース及び1つの研修を設定した。

以下は、各サブコース及び研修の詳細である。

感染制御エキスパート臨床検査技師育成コース

医療関連施設での耐性菌の早期発見とアウトブレイクに対応できる臨床検査技師を目指し、感染症の原因となる種々の病原体の同定・培養・薬剤感受性試験・遺伝子検査などの技術取得により、医療関連感染対策を遂行することのできるエキスパート臨床検査技師を講義・検査室実習などを通じて育成する。

【 到達目標 】
  • 1.感染管理上に必要な基礎的知識を説明できる。
  • 2.感染管理上に必要な技術・手技を実施できる。
  • 3.他のメディカルスタッフに感染管理に関する教育プレゼンテーションができる。
  • 4.医療関連施設において問題となる感染症・微生物の特徴を説明できる。
  • 5.検査方法および検体採取方法と検査結果について正しく解釈できる。
  • 6.検査室による検出菌サーベイランス(Laboratory Based Surveillance:LBS)が実施できる。
【 講義 】
教育方法・プレゼンテーション / 耐性菌の判定 遺伝子検査 / 院内監視が必要な耐性菌
感染制御エキスパート薬剤師育成コース

感染制御担当医師・看護師・臨床検査技師等と協力して、医療関連感染対策を遂行することのできるエキスパート薬剤師を講義・臨床実習などを通じて育成する。

【 到達目標 】
  • 1.抗菌薬の基本的な投与設計(TDMの提案、TDM結果の評価等)ができる。
  • 2.感染症・抗菌薬・消毒薬に関する基本知識を説明できる。
【 講義 】
抗菌薬の基本的使用法薬物動態計画(PK/PD)TDMの実際
内視鏡感染制御エキスパート看護師・メディカルスタッフ育成コース

内視鏡は技術の発達と共に、検査・低侵襲治療において重要な役割を示すようになってきた。その一方で機器や処置具は多種多様化しそれぞれの構造は複雑化している。その様な状況下、担当医師・メディカルスタッフたちと協力して、医療関連感染対策を遂行することのできるエキスパート看護師およびメディカルスタッフを講義・臨床実習などを通じて育成する。

【 到達目標 】
  • 1.内視鏡の感染管理に必要な基礎知識が説明できる。
  • 2.内視鏡の感染管理に必要な技術・手技が実施できる。
  • 3.内視鏡の感染管理上の問題点を意識した洗浄・消毒・滅菌を実施できる。
【 講義 】
内視鏡システム取り扱い及び感染対策 内視鏡ガイドライン消毒剤 / スコープ一次洗浄方法論 / 処置具一次洗浄方法論 /
生物学的発光法 / 自動洗浄消毒装置の取り扱い及び感染対策
感染対策地域支援研修(1日コース)

医療関連感染症の予防、早期発見、感染対策の第一線で活躍しているのは、多くの場合、看護師である。日本看護協会で教育認定する「感染管理認定看護師」など感染管理の研修を終了した看護師は、年々増加しているが、全ての医療機関にいるわけではない。昨今の耐性菌の発生を考えると、感染管理認定看護師のいない小規模病院のエキスパート看護師の育成も重要である。本研修では、感染管理におけるキーパーソンとなる人材の育成を目的とし、感染の予防対策や管理についての基礎的知識・技術を身につけることを目標とする。

【 到達目標 】
  • 1.感染管理に重要な標準予防策、経路別予防策が理解できる。
  • 2.耐性菌の種類や特徴を説明できる。
  • 3.感染症の種類や診断に必要な検体の採取や補助が適切にできる。
  • 4.自施設の感染管理上の問題点に気付くことができる。
  • 5.感染予防に必要な技術や技能を、他のスタッフに伝えることができる。