ご挨拶
私たちが日々向き合う「疾病」は、ヒト個体から臓器、組織、細胞に至るまで、さまざまな分子異常を基盤とした形態学的変化をもたらします。病理学者は、その【かたちの変化】を肉眼的および顕微鏡的に正確に捉え、臨床現場における最終診断を担っています。しかし、病理学者の使命はそれだけに留まりません。形態学的な観察に加え、細胞生物学や分子生物学といった多様な研究手法を駆使し、疾病による【かたちの変化】がどのように生じるのか、そのメカニズムを解明し、診断や治療への応用を目指すことが求められています。
当分野では、消化器、呼吸器、婦人科、口腔などさまざまな領域の腫瘍を対象とし、細胞培養、分子病理学的解析、バイオインフォマティクスなど、先端的な技術を駆使して研究を進めています。特に、癌細胞そのものの特性解明に加え、癌細胞と間質細胞の相互作用を解明し、癌の【かたちの変化】がどのように形成されているのかを追求しています。
研究室では、病理診断や治療への応用を目指し、教員や大学院生が日々情熱を持って研究に取り組んでいます。学部学生も、各自が独自のテーマを設定し、スタッフの丁寧な指導のもとで研究を進めており、自ら研究計画を立案するところから実験手技や情報解析技術の習得、さらに全国規模の学術集会での発表まで、多様な経験を積むことができます。また、病理医、外科医、歯科医など多彩なバックグラウンドを持つメンバーが在籍しており、職種や専門領域を超えた交流が、研究室の活気を生み出しています。
私たちの研究室では、多様な視点や技術を融合させながら、新しい発見とその応用を目指して日々邁進しています。研究に興味をお持ちの方、ぜひお気軽にお問い合わせください。一緒に挑戦し、新たな知見を切り拓いていきましょう。