小児内視鏡センター

 小児領域における内視鏡検査および治療が進歩する中、内視鏡の専門家と小児の外科疾患の専門家が協力して、新生児から成人期まで対応可能でお子様の年齢や体格、疾患によってきめ細やかに対応を行うことができるチームが不可欠です。

 神戸大学医学部附属病院では、より安全でこどもに優しい内視鏡治療を提供するために、内視鏡医(上部消化管・胆膵・下部消化管、いずれも日本消化器内視鏡学会指導医・専門医)・小児外科医(日本小児外科学会指導医・専門医)・小児科医が協力して小児内視鏡センターを開設しました。

小児内視鏡センターで扱う疾患

 小児内視鏡センターでは、小児に対しても上部・下部消化管内視鏡、ダブルバルーン内視鏡、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、超音波内視鏡などの検査や処置が可能です。主に以下の疾患に対して様々な治療を行っています。

上部消化管領域
・食道・胃静脈瘤の診断・治療(胆道閉鎖症術後など)
・良性食道狭窄症に対するバルーン拡張術(先天性食道閉鎖症術後の吻合部狭窄や腐食性食道炎など)
・食道アカラシアに対する内視鏡治療(POEM)

下部消化管領域
・大腸ポリープ切除(若年性ポリープ、Peutz-Jeghers症候群など)
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の診断・治療

肝胆膵領域
・総胆管結石、急性胆管炎
・胆管狭窄
・外傷性膵損傷
・膵仮性嚢胞
・膵管癒合不全

診療実績

 上部消化管領域では、先天性食道閉鎖症術後の吻合部狭窄に対するバルーン拡張術や食道静脈瘤に対するEIS(内視鏡的硬化療法)、食道アカラシアに対するPOEM(経口内視鏡的筋層切除術)など、下部消化管領域では潰瘍性大腸炎やクローン病の診断・治療、若年性ポリープの切除などを行っています。また、肝胆膵領域では、総胆管結石に対するEST(内視鏡的乳頭筋切開術)、膵管癒合不全に対する副乳頭バルーン拡張術などを行っています。

 近年、小児における内視鏡的な診断や治療のニーズは高く、検査実施件数は増加傾向です。内視鏡的な検査や治療が必要な場合には当科まで遠慮なくご相談ください(お問い合わせはこちら)。