これまでの研究成果
2020年
2020.12 | 福岡秀規先生の論文が「International Journal of Molecular Sciences」に掲載されました。ACTHの合成から分泌までの 生理的分子機構を詳細にまとめ、クッシング病におけるACTH異常分泌のメカニズム、その鑑別に苦慮する疾患との違いなどを新たな切り口でまとめた総説論文です。 The Mechanisms Underlying Autonomous Adrenocorticotropic Hormone Secretion in Cushing’s Disease Int. J. Mol. Sci. 2020, 21(23), 9132 |
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2020.11 | 隅田健太郎先生の論文が「JCEM」に掲載されました。本研究では成長ホルモン過剰を示さない巨人症様疾患として知られるLuscan-Lumish症候群患者からSETD2遺伝子の新規変異を同定した。本疾患では細胞内での成長ホルモンシグナル感受性が亢進しており、それが過成長の原因であると考えられました。 A Case of Luscan-Lumish Syndrome: Possible Involvement of Enhanced GH Signaling JCEM. 2020 Nov 28;dgaa893. doi: 10.1210/clinem/dgaa893. |
淺原俊一郎先生の論文が「PLOS ONE」に掲載されました。神戸市民2万人を対象としたアンケート調査の結果、女性では、肥満は個人の社会・経済的な背景(婚姻の有無、経済的状況、学歴、子供時代の親からの虐待)と関連した。男性では同じような関連は見られなかった。 PLoS One. 2020 Nov 25;15(11):e0242105. doi: 10.1371/journal.pone.0242105. |
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山田倫子先生の論文が「Diabetology International」に掲載されました。SGLT2阻害薬投与した2型糖尿病患者でも2割の患者ではヘマトクリットが上昇せず、投与後にエリスロポエチンは上昇するものの、それに伴う造血機転がみられないことを明らかにしました。 Diabetol Int (2020). |
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伊藤潤先生の論文が「Diabetes, Obesity and Metabolism」に掲載されました。ヒトを対象としたPET-MRIを用いた検討により、メトホルミンは用量依存的に血中のブドウ糖を消化管内腔に排泄させることを明らかにしました。 Diabetes Obes Metab. 2020 Nov 25. doi: 10.1111/dom.14262 |
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三浦洋先生の論文が「Diabetes, Obesity and Metabolism」12月号のcover imageに選ばれました。Cover Image, Volume 22, Issue 12 Diabetes, Obesity and Metabolism, Volume 22, Issue 12 |
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2020.09 | 福岡秀規先生と病理部、泌尿器科との共同研究の論文が「Journal of the Endocrine Society」に掲載されました。我々は褐色細胞腫とコルチゾール産生腺腫の混合腫瘍を見出し、その病理学的プロファイル解析により、本腫瘍が極めて分離された形で混合腫瘍を形成している事、その腫瘍化の原因にFGFR4-G388Rが関連する事を次世代シーケンサーを用いて世界で初めて明らかにしました。 Adrenal Corticomedullary Mixed Tumor Associated With the FGFR4-G388R Variant Journal of the Endocrine Society, Volume 4, Issue 9, September 2020,bvaa101. |
山田倫子先生の論文が「BMC Endocrine Disorders」に掲載されました。褐色細胞腫でレニン活性が上昇することはよく知られていますが、その診断的価値は不明でした。 Patients with pheochromocytoma exhibit low aldosterone renin ratio-preliminary reports BMC Endocr Disord 20, 140 (2020). |
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小川渉先生の論文が「Journal of Diabetes Investigation」に掲載されました。インスリン療法中2型糖尿病患者に対するFreeStyle Libreによる介入試験。低血糖を増加させることなく、高血糖時間や平均血糖、推定A1c、TIRなどの血糖コントロール指標が改善し、患者の治療に対する満足度も増加しました。 J Diabetes Investig. 2020 Jun 19. doi: 10.1111/jdi.13327. |
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2020.08 | 三浦洋先生の論文が「Diabetes, Obesity and Metabolism」に掲載されました。インスリンデグルデクの血糖安定化効果はインスリングラルギンU300と比べ非劣性であることを明らかにしました。 Diabetes, Obesity and Metabolism. 2020 Aug 3. doi.org/10.1111/dom.14161. |
森田靖子先生の論文が「Diabetes Care」に掲載されました。PET-MRIを用いたヒトを対象とした検討により、メトホルミンの血中のブドウ糖を消化管内腔に排泄させるという、今まで全く想定されていなかった薬理作用を持つことが明らかとなりました。 Diabetes Care. 2020 Aug;43(8):1796-1802. doi: 10.2337/dc20-0093.
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2020.07 | 神戸大学医学部6年生 久志 遼君の論文が「Diabetology International」に掲載されました。インスリン作用に関わる遺伝子の変異によって生じるインスリン抵抗性やインスリン作用過剰を伴う疾患・病態についての総説論文です。 Diabetology International. 2020 July 15 doi:10.1007/s13340-020-00455-5 |
福岡秀規先生の論文が「Endocrine」に掲載されました。当院で始まった内分泌腫瘍カンファレンスが臨床にもたらしたインパクトを紹介し、副腎腫瘍治療における多診療科カンファレンス、チーム医療の重要性を世界で初めて報告しました。 The impact of adrenal tumor multidisciplinary team meetings on clinical outcomes Endocrine. 2020 Jul 23. doi: 10.1007/s12020-020-02361-x. |
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2020.06 | 隅田健太郎先生の論文が「JCEM」に掲載されました。本研究で私たちは、サブクリニカルクッシング症候群に皮膚平滑筋腫、心粘液腫を併発する症例から、FH遺伝子異常を同定し、これが心粘膜腫の原因となっていることを明らかにしました。 J Clin Endocrinol Metab. 2020 Jun 105(6):1-6. doi:10.1210/clinem/dgaa163. |
2020.05 | 細岡哲也先生の論文が「PNAS」に掲載されました。NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)は、糖尿病や肥満に合併する予後不良な慢性肝疾患ですが、発症メカニズムは不明です。本研究により、脂肪細胞のPDK1-FoxO1経路の異常が、インスリン抵抗性とNASHの原因となることが明らかとなりました。さらに、この経路が、炎症惹起性の脂質メディエーターであるロイコトリエンB4の産生を制御するという新たなメカニズムが同定されました。 PNAS. 2020 May 26;117(21):11674-11684. doi: 10.1073/pnas.1921015117.
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細川友誠先生の論文が「Journal of Diabetes Investigation」に掲載されました。遺伝性および後天性に生じるインスリン抵抗性に対するSGLT2阻害薬の有用性や、SGLT2阻害薬がインスリン抵抗性関連指標にもたらす影響を概説した総説です。 SGLT2 Inhibitors for Genetic and Acquired Insulin Resistance: Considerations for Clinical Use J Diabetes Investig. 2020 May 29. doi: 10.1111/jdi.13309. |
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神野歩先生の論文が「JCI insight」に掲載されました。2型糖尿病感受性遺伝子であるGCN2は、高脂肪食負荷の条件において膵β細胞におけるmTORC1活性を抑制し、膵β細胞量を適度に調節していることが明らかとなりました。GCN2変異があるヒトでは、肥満や過食が膵β細胞不全を誘導する可能性が考えられます。 GCN2 regulates pancreatic β cell mass by sensing intracellular amino acid levels. JCI Insight. 2020 May 7;5(9). pii: 128820. doi: 10.1172/jci.insight.128820. |
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2020.04 | 山本雅昭先生の論文が「Endocrine Reviews」に掲載されました。2011年に私たちが世界で初めて報告した「抗PIT-1下垂体炎」、そしてこれまで原因不明とされてきた「ACTH単独欠損症」の疾患概念と病態を、最近の研究から明らかになってきた腫瘍随伴症候群としての新たな側面から再定義した総説です。 Autoimmune Pituitary Disease: New Concepts With Clinical Implications. Endocr Rev. 2020 Apr 1;41(2). pii: bnz003. doi: 10.1210/endrev/bnz003. |
高橋裕先生の論文が「European Journal of Endocrinology」に掲載されました。近年、免疫チェックポイント阻害薬関連下垂体炎や抗PIT-1抗体下垂体炎、ACTH単独欠損症など自己免疫による下垂体機能低下症の新たな病態が次々と明らかになってきました。本レビューではこれらの新たな病態、発症機序のアップデートを解説しています。 Autoimmune hypopituitarism: novel mechanistic insights Eur J Endocrinol. 2020 Apr;182(4):R59-R66. doi: 10.1530/EJE-19-1051. |
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2020.02 | 宗杏奈先生の論文が「Endocrine Journal」に掲載されました。SGLT2 阻害薬服用下におけるHOMA-IRは、クランプ法によるインスリン感受性指標と良好な相関関係を認めましたが、絶対値は非服用時よりも低値となります。服用下におけるHOMA-IR の解釈に、予測変換式:HOMA-IRcontrol = HOMA-IRSGLT2i×2.45が有用であると考えられました。 Endocr J. 2020 Feb 6. doi: 10.1507/endocrj.EJ19-0445. |