教授・医局長挨拶

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教授:溝渕 知司
教授:溝渕 知司 

教授挨拶

神戸大学医学部麻酔科学講座(現 神戸大学大学院医学研究科外科系講座麻酔科学分野)は、昭和43年1月に故岩井誠三先生が初代教授として開講されました。その後、尾原秀史先生、前川信博先生が教室を主宰され、これまで多くの優秀な医療人を育て、臨床、教育、研究のすべての分野で多くの業績を残し、社会に大きく貢献して参りました。平成30年には開講50周年を迎えます。初代故岩井先生の時代から受け継がれる”麻酔は手術中の麻酔管理だけでなく手術前の管理(術前評価)と集中治療を含めた術後管理を考えて行ってこそ麻酔である “とする教育伝統と、”新しい知識および技術をいつも積極的に取り入れ常に変革しどんな状況にでも対応できる人材を育成すること“を目標とし、Patient First(患者優先)のもと日々努力、精進しています。

1.常に考える麻酔管理

麻酔は、手術という生体への侵襲からからだを護るために行われます。生体への侵襲はからだの中で様々な変化を起こします。出血や尿量の変化など目に見えるものもあれば、血糖やホルモンの変化など目に見えないものもあります。元々、生体は外的な侵襲から自己を防衛するという手段を身につけていますが、必要以上に侵襲が加わると生体のすべての臓器機能は耐えきれなくなり細胞は破綻していくことになります。我々は、病気や機能を治すために行われる手術という通常の状態では耐えられない侵襲から、如何に生体を護るかを常に考え、患者様を護るために日々臨床の麻酔業務を行い、疑問点を基礎研究で解明することを常に目指しています。

2.高い専門性を持った社会に貢献できる麻酔科医の育成

近年、医療技術は目覚ましい進歩を遂げ、再生医療や移植医療の実現でこれまで治療が困難であった患者様が救命できるようになりました。麻酔方法も昔と違って大きく変わりました。効果発現が早く代謝率が低い調節性のよい鎮静薬や鎮痛薬が使用できるようになるとともに、多くの生体モニターが開発され、麻酔はより安全に行われるようになってきています。一方、社会の高齢化に伴い、高血圧や動脈硬化などの心疾患や糖尿病、脳梗塞などの合併症を持たれた患者様が手術する機会が増え、我々麻酔科医の役割が一段と重要になっていることは間違いありません。麻酔科学の分野でも、新しい麻酔薬や生体モニターの開発と新しい麻酔技術の進歩などにより、高齢の方や多くの合併症を持った方などこれまで行われなかった方の手術ができるようになっています。複数の合併症を持ついわゆるリスクの高い症例の管理は専門的な知識が必要であり、我々麻酔科医の重要性が改めて認識される時代になっています。現在神戸大学では、年間に約8500件の手術が行なわれ、そのうちの約6000件は我々麻酔科医が直接患者様の傍に付き添い全身管理をしています。全身麻酔はすべての症例でわれわれ麻酔科医が担当しています。神戸大学麻酔科では高い専門性を持って社会に貢献できる麻酔科医の育成を心がけています。

3.手術麻酔以外の領域での貢献

麻酔科学は、手術を中心とした周術期の患者管理だけでなく手術麻酔以外の領域でも多くの能力が発揮できる学問です。麻酔は、ただ単に眠らせるだけでなく痛みを軽減する、すなわち鎮痛することが不可欠です。痛みには多くの原因がありますが、これらの痛みを少しでも軽減するためペインクリニック部門を設け、痛みを科学し痛みからの解放を目指す診療、研究を行っています。また、手術中の麻酔管理や術前評価は単に一つの臓器を診るだけでなく全身の臓器を評価し管理することが求められます。これらの知識を活かし、多臓器障害を来たした重症患者や、複数の合併症を持った手術症例や大手術後の術後管理を集中して行う集中治療医学部門での診療、研究も行っています。このように、神戸大学麻酔科は、手術室での仕事を中心に、重症患者を管理する集中治療医学と様々な痛みを管理するペインクリニック・疼痛学の3本の柱で教室を運営し、診療および研究と教育を行っています。

4.思いやりを持った多様な人材集団

私は、平成25年10月1日より神戸大学大学院医学研究科麻酔科学分野教授を拝命し教室を主宰しております。現在3年が経ち4年目に入りましたが、あっという間の時間でした。教室を主宰した当初から、良き教室員と良き同門の先生方、良き神戸大学病院他科の多くの先生方、看護師さん、技師さん、事務の方々、近隣医療施設の先生方のおかげで、スムーズに仕事が開始でき現在に至っています。大学として高度な医療、高度な手術を患者様に安全に提供させて頂くのはもちろんのこと、我々はすべての患者様のために、常に新しい技術を取り入れつつ、手術がもたらすあらゆる侵襲から生体を護ることを考え日々努力しています。また、これらの知識や技術により、重症患者様を一人でも多く回復させること(集中治療)、そしてあらゆる痛みから患者様を少しでも解放すること(ペインクリニック)を目指しています。
さらに、これからの医療を担う若い人々の育成と教育に重点を置くことに加え、最適な麻酔法や新しい痛みの治療法の開発などの研究を行うことも含め、広い視点から教室を運営したいと考えています。活性化する組織の運営には多様な考えを持った人材の集まりが必要と考えます。多様性を持った人材がお互い思いやりをもって前に進むことが重要です。
これまでの神戸大学麻酔科の歴史と伝統を守りつつ、国際都市・神戸の地で多くの麻酔科医が学び育っていける麻酔科学教室を創り、多くの患者様のお役に立てればと考えています。まだまだ課題は多いですが、今後もどうぞよろしくお願い致します。

平成29年1月

神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 麻酔科学分野 教授
溝渕 知司

平成26年教授挨拶

平成27年度教授挨拶

麻酔科日記

医局長:出田 眞一郎
医局長:出田 眞一郎

医局長挨拶

神戸大学医学部附属病院では年間約8500件の手術が行われ、そのうち約6000件が麻酔科により管理されています。手術症例は多岐にわたりまた病院の特性で重症例が多いことが特徴です。術後、多くの症例が集中治療室に入室しそこでも重症例については主治医と伴に集中治療医による管理が行われます。集中治療部で勤務する医師も当教室より派遣されているため、術前から術後に至までを総合的に管理・研修できると考えます。またペインクリニックでは外来で通常の疼痛治療はもちろん、特殊ブロック、脊髄刺激療法などが積極的に行われています。このように当教室では麻酔、集中治療、ペインクリニックに関与し幅広い医療を実践しています。

研究について、当教室は急性肺障害の薬物を始めとする治療について研究を行ってきました。現在は、臨床研究を中心に展開しています。一例を挙げますと、当院の特徴の1つでもある豊富な心臓血管外科手術症例をもとに循環作動薬の影響、腎機能に関する研究(血液浄化療法も含む)などに取り組んでいます。日常の臨床で生じた疑問点などはそのままにせず、必要ならば臨床研究を行い解決するように努力しています。これらの研究が明日の臨床に役立つことを夢み研究活動に取り組んでいます。

高齢化に伴い手術を必要とする症例が年々増加傾向にあり、手術室での麻酔科医の診療活動の必要性が増えています。私達はこのような状況において、質の高い周術期管理を提供するために日々研鑽しています。

平成26年3月

神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 麻酔科学分野 医局長
出田 眞一郎

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