神戸大学外科学講座 キャリアサポートセンター

外科学講座について

About us

沿革

神戸大学外科学講座も昔はいわゆる大講座制といって、No.外科で運営されていました。消化器外科・一般外科・乳腺内分泌外科を専門とする第一外科、心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科・消化器外科を専門とする第二外科です。
しかし、医療の進歩・時代のニーズにいち早く対応するため、神戸大学では全国にさきがけて大講座制を廃止し、より専門性の高い診療を実現すべく完全な臓器機能別の6診療科(食道胃腸外科・肝胆膵外科・心臓血管外科・呼吸器外科・小児外科・乳腺内分泌外科)の診療体制を確立し現在に至っています(図1・2)。

神戸大学外科学講座再編図
図1
6診療科
図2

学外の関連施設とも密接な連携のもと、6診療科合同の同門会を設立し、各診療科で専門性の高い診療を追求しながらも、「横のつながり」を特に大切にした講座運営を行っています。現在も、6診療科のコアメンバーで様々な情報共有・課題解決にむけた運営会議を毎月継続しており、相互協力体制の強化に努めています。

概要・特色

神戸大学外科学講座では、以前は単一の外科専門研修プログラムを採用していましたが2019年に方針を転換し、連携関連施設独自の外科専門研修プログラムを立ち上げ、複数プログラムで広く外科専攻医を募集する体制を構築しました。
現在、神戸大学外科専門研修プログラムと6つの関連施設・外科専門研修プログラムが連携し、若手外科医の育成に注力しています。神戸大学外科専門研修プログラムと6つの関連施設・外科専門研修プログラムの概要を図3に示します。

6診療科
図3(クリックで拡大)

大学病院および関連施設では情報共有に努め、双方の利点を最大限に活かして、神戸大学関連プログラム全体として若手外科医の育成に努めています。関連施設プログラムで研修を開始した専攻医の先生に関しては、希望があれば大学での手術研修や学術活動への参加も積極的に行っています。一方で、大学との関わりを希望しない専攻医の先生にとっては、大学との関わりはまったく不要であり、どの診療科においても、研修プログラム終了後の入局なども全く必須ではありません。
各自それぞれが自分の希望にあったキャリアプランを進めてもらえるよう最大限配慮しています。詳細は神戸大学外科学講座キャリサポートセンター理念項を参照ください。

6診療科

チェアマン挨拶

神戸大学外科学講座チェアマンを2023年4月1日より拝命している心臓血管外科学分野の岡田健次です。
我々の外科学講座の特徴は肝胆膵外科、食道胃腸外科、乳腺内分泌外科、心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科の6診療科に再編され16年の長い年月が経過している点で、現在およそ1,200名の会員が所属しています。その間大学附属病院のみならず、現在研究拠点施設として大いに飛躍しつつある国際がん医療・研究センター(ICCRC)、兵庫県と連携し低侵襲治療を推進する低侵襲外科学講座を活用し、優秀な若手外科医を育成しています。また6診療科ともに多くの関連施設を有しておりグループ全体で育てることを目指しています。

我々の最も重要な使命は「患者第一」の医療を提供することではあります。そのためには最新の技術を駆使し、最高・最適な医療を提供すべく知恵を絞り切磋琢磨し、日々一歩でも前進しなくてはいけません。また患者さん、コメディカルの方々とのコミュニケーション能力を高めチームをまとめ上げる力が必要でいわゆる「ノンテクニカルスキル」の向上は組織力向上に直結すると思います。そのためには外科医が自分の仕事を愛し、最高のパフォーマンスを発揮できる環境が必要です。
外科学講座では6診療科の責任者が集まりそのための戦略会議を毎月開催しています。
まず一番の重要項目は優秀な人材集める若手医師のリクルートであります。外科学講座では年間5回のハンズオンセミナーを開催し学生、初期研修医に参加していただき一生懸命指導し外科学への興味をもっていただくよう努めています。学生6年時の臨床実習での診療科選択がその後の進路決定の有意な因子であるとの解析もあり重要な時期であります。また初期研修中の先生方には外科関連施設と協力し外科専門研修プログラムへの参加をグループ全体で推進しています。

神戸大学外科専門研修プログラムは日本専門医機構が主導する外科専門医資格をまず取得するためのプログラムで、その後の専門領域専門医取得の礎となります。神戸大学医学部附属病院を基幹施設とし、兵庫県内外を含む51の連携施設がプログラムを形成し指導医のもと若手外科医を育成してゆきます。連携施設のバリエーションは多く小児から成人、がん治療、循環器病治療、ロボット手術をはじめとする低侵襲治療、災害緊急治療などすべての領域を網羅する本邦でも有数の施設群を形成し地域医療はもちろんのこと若手育成の重要なウェートを占めています。グループ全体でのリクルートが功を奏しつつあるのは嬉しいかぎりです。

(図)専攻医採用の年次推移

女性医師数も増加傾向でありwork life balanceを考慮したダイバーシティの充実はグループをより成熟させてゆくものと期待しています。

第二の課題は2024年度より開始される働き方改革であります。多忙な外科医が少しでも快適に働ける環境整備が必要です。医療の質を低下させることなく条件をクリアしてゆく必要があり、現在まずは集中的技能水準(B)を目標に鋭意準備中であります。特に術後管理に要する時間が働き方改革に大きな影響を及ぼしますが、附属病院では既に整備されているクローズドICU、さらにはタスクシェアも各学会レベルで推進してゆく所存です。

環境整備を行い、若手医師が研究、学位取得、その後の留学・海外学会発表(外科学講座よりの資金援助)など重要な最初の10年が少しでも円滑に進むよう後押ししたいと考えています。
外科学の習得は一朝一夕に成し遂げることはできませんし、その間厳しい紆余曲折はあると思いますが様々な喜びも経験できます。ぜひ神戸大学外科学講座グループに加わり切磋琢磨しましょう。

外科学講座チェアマン 心臓血管外科教授 岡田 健次 

各講座紹介

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