当院の放射線治療RADIOTHERAPY

外照射

外照射

TrueBeam治療システム

2014年に新たに導入された2機のVarian社製True Beam治療システムが、より高速で正確な放射線治療をもたらしました。IMRT、VMAT、SRS/SRT、呼吸同期など現代の高精度放射線治療を支える多彩な技術に対応し、全身の多岐にわたる疾患をカバーします。

IMRT/VMAT

IMRT(強度変調放射線治療)は、照射野内で複雑に照射線量の強弱を付けることで、良好な標的のカバーと正常組織の線量低減を実現します。VMATはガントリを回転させながらIMRTを行う技術で、照射に要する時間をさらに削減し患者さんの負担を軽減します。

SRS/SRT

いわゆるピンポイント照射です。対象は比較的小さいものに限られますが、多方向から3次元的に位置誤差1mm以内の極めて高精度な照射を行うことで、高い治療効果と周囲正常組織の線量低減を両立します。

特殊照射

特殊な対応を求められる希少疾患に出会うことが多いのも大学病院の特色です。密な多科連携のもとで、TBI(全身照射)、TSEI(全身電子線照射)、術中体外照射といった特殊照射にも対応します。

小線源治療

体内に小さな線源を送り込み、至近距離から標的に対して照射を行う手法です。
高い線量集中性により、良好な腫瘍制御と有害事象の低減が期待できます。

小線源治療

前立腺癌

当院泌尿器科との連携のもとに、ヨウ素125線源を用いた低線量率小線源治療を実施しています。良好な治療成績、少ない有害事象、短い入院期間が実現されます。

子宮頚癌

当院婦人科との連携のもとに、イリジウム192線源を用いた高線量率小線源治療を実施しています。麻酔科との連携により治療手技に伴う疼痛は大幅に低減され、手技の確実性と低侵襲性が向上しています。

内用療法

放射性物質を薬物として内服や注射で体内に取り込むことで、体内から標的に対して照射を行う方法です。
一般に放射線治療は局所療法と捉えられることが多いのですが、内用療法は薬物としての性質を併せ持ち、全身的な病態に対処可能です。

内用療法

ヨウ素131

遠隔転移、非治癒切除後、術後再発などの甲状腺癌に対して用いられます。カプセル剤として体に入った放射線ヨウ素は甲状腺癌の細胞に取り込まれ、癌病巣を集中的に攻撃します。

ラジウム223(ゾーフィゴ®)

骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌の治療薬として開発された薬剤で、全生存率の向上、症候性骨関連事象の低減が期待できます。飛程の短いα線を利用した世界初の薬剤です。

イットリウム90(ゼヴァリン®)

再発または難治性の低悪性度リンパ腫に対して用いられる薬剤です。抗体の力と放射線の力による2段構えの抗腫瘍効果を発揮し、放射免疫療法と呼ばれます。