柱 2・睡眠と PTSD — 病態メカニズムと治療技術開発
Sleep and PTSD: pathophysiology and therapeutic technology development
動物モデルでのトラウマ関連恐怖記憶の研究と、PTSD 患者を対象とした臨床研究を組み合わせ、その知見を睡眠ベースの治療技術 — Sound Exposure during Sleep(SES) — として実装します。
神戸大学で PTSD 研究を行うことには、私たちにとって特別な使命があります。1995 年、この街は阪神・淡路大震災に見舞われ、多くの方々が長く続く心の傷を抱えてこられました。この地に根を下ろす研究室として、私たちはトラウマ関連症状の理解と治療技術の開発に、責任をもって取り組んでいます。本ページは科学的背景を提供するもので、医療上の助言を行う場ではなく、いかなる臨床研究の参加者を募る窓口でもありません。
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動物:トラウマ関連恐怖記憶の病態メカニズム
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臨床:PTSD における睡眠リズムのシグネチャー
最近のプレプリントで、私たちは PTSD 患者の NREM-REM サイクル遷移異常を、我々の知る限り世界で初めて記述しました(Sekiba et al., medRxiv 2025;プレプリント、査読中)。このシグネチャーは、臨床層別化のバイオマーカー候補となり、PTSD における持続的恐怖記憶の背景に「乱れた睡眠サイクル」が関与しうるという仮説を提供します。
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臨床:Sound Exposure during Sleep(SES)— 治療技術の開発
Sound Exposure during Sleep(SES) は当ラボの探索段階基盤技術です。内因性の睡眠依存的記憶処理を活用し、特定の睡眠ステージ中に個別化された聴覚キューを提示し、トラウマ関連の記憶処理に与える影響を検討しています。
医師主導の First-in-Human 実現可能性試験を無事に完了しました(試験登録 jRCT1030230706)。13 名の患者が同意し、6 名が一晩の SES を完了しました。介入は良好に忍容され、徐波睡眠は保たれ、聴覚刺激に起因すると判断された有害事象はありませんでした。これは、臨床現場で個別化された音を睡眠中に届けることの実現可能性と安全性を支持する結果です。探索的な解析はプレプリントに記載されています(Ino et al., medRxiv 2026)。
実現可能性が確認できたことを受け、私たちはこの結果を土台に SES プロトコルを洗練し、次の段階の臨床研究の設計を進めています。SES は探索段階の基盤技術であり、本サイトは医療上の助言を行いません。登録された臨床試験は終了しています。
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