薬学博士 竹縄 忠臣
Professor Tadaomi Takenawa
履 歴
- 1967年3月
- 京都大学薬学部卒業
- 1972年3月
- 京都大学大学院薬学研究科博士課程修了(薬学博士)
- 1973年4月
- 筑波大学基礎医学系薬理講師
- 1982年4月
- 東京大学医学部第2生化助教授
- 1984年4月
- 東京都老人総合研究所薬理室長
- 1986年4月
- 東京都老人総合研究所生体情報部長
- 1992年4月
- 東京大学医科学研究所癌生物学教授
- 1996年4月
- 東京大学医科学研究所腫瘍分子医学教授
- 2007年4月
- 神戸大学大学院医学研究科脂質生化学特命教授
- 2008年4月
- 神戸大学大学院医学研究科質量分析総合センター長
- 2016年4月
- 神戸大学大学院医学研究科脂質生化学客員教授
- ○所属機関および役職/
- 神戸大学大学院医学研究科客員教授
これまでの主な研究業績
ホスホイノシタイド結合タンパク質による細胞ダイナミズム制御
イノシトールリン脂質情報伝達研究に取り組み、微量脂質である各種イノシトールリン脂質が膜と細胞骨格や細胞増殖をつなぐたんぱく質をどのように制御して細胞運動や膜輸送、細胞増殖を調節しているのか、その重要性を明らかにした。またその異常ががんなどの疾病発生につながる機序を明らかにしてきた。ホスホイノシタイドの生理機能を解明し、PI(4,5)P2やPI(3,4,5)P3などのホスホイノシタイドがN-WASP、WAVEなどのタンパク質を活性化し、アクチン重合を促進して糸状仮足、葉状仮足形成、陥入構造などの膜の形作りに必要なことを解明した。また、Epsinの機能未知のENTHドメインが新たなホスホイノシタイド結合ドメインであることを発見し、構造を解析した。さらにホスホイノシタイドが結合して膜の変形を促す一連のタンパク質を発見するとともに、内向きや外向きの突起構造を作るという詳細な機序を解明した。ホスホイノシタイドが細胞骨格、細胞運動を制御していることや、細胞膜の突起構造や陥没構造などの膜の形作りに重要な役割を果たしていることを解明してきた。現在、ホスホイノシタイドがどのようにして特異的な結合蛋白を介して細胞骨格、細胞運動や細胞増殖を制御しているのかを研究している。また、細胞内でのホスホイノシチド代謝の分子機構についても解明を行い、ホスホイノシチドホスファターゼによるがんの浸潤転移やがん細胞の病型の制御機構を明らかにしてきた。
受 賞 歴
- 平成17年度
- 内藤記念科学振興賞受賞
- 平成17年度
- 東レ科学技術賞受賞
- 平成24年度
- 上原記念生命科学財団 上原賞受賞
竹縄先生によるブログはこちらから
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