誰の人生にも、始まりがあり、また終わりがあります。

「自らの人生の終わりに向けた活動」の略語である「終活」が、新語・流行語大賞にノミネートされてから、約10年。

言葉としても活動としても、ずいぶんと私たちの生活に浸透してきました。

終活の内容として、一般的に取り組まれていることとして、お墓やお金、葬儀などの事前準備、エンディングノートの作成などがあります。

そこに、ご自身の人生の締めくくりの時をどこで、どんな風に過ごしたいかということを考え、大切な人と共有する人生会議も加えてみましょう。

もしものときに備えて

思いがけない事故や病気の進行によって、どなたにでも「もしものとき」が突然訪れる可能性があります。

おからだの状態によっては、ご自身のお気持ちや希望をお話しできない状態になる可能性もあります。

この場合、ご家族をはじめ、あなたの信頼する方々が「あなたならこう考えるだろう」とおもんぱかりながら、医療やケアチームと共に今後の方針について話し合うことになります。

このような時に、人生会議を通じて、あなたの気持ちや価値観が共有されていることは、大きな助けとなります。

心の余裕のある時に、じっくりと考える時間を持つこと、そして、あなたの考えを家族など信頼できる方々と話し合ったり、伝えたりしておくことで、あなたの希望が大切にされると同時に、あなたの信頼する方々の負担を減らすこともできます。

また、人生の最終段階の医療やケアについて、相談できる医療や介護の専門家がいると安心です。

医師や看護師・ケアマネジャーなどの医療・ケアチームが、あなたの心身の状態に応じて、あなたや親しい方々などと共に話し合う機会をもち、適切な説明がなされるよう、厚生労働省では、ガイドラインを作成したり、医療・介護従事者向けの研修を実施しています。

また、例えば「最期まで、おうちで家族と過ごしたいな」というご希望がある方は、早めに近くの訪問診療をしてくれる“かかりつけ医”を探しておくといった準備ができますし、更に、かかりつけ医や看護師やケアマネジャーなどと、人生の最終段階に望む医療やケアについて話し合いを積み重ねること、つまり医療・介護従事者も交えた、あなたの人生会議が可能になります。

いずれにせよ、「人生会議」も「終活」も、人生の最終段階に向けての準備をすることを通じて、自分の人生をより良いものにするための活動といえますね。