- 2025.08.17
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【研究成果】当科大学院生 鵜澤 佑らの研究成果が BMC Emergency Medicine に掲載されました
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Uzawa T, Ono Y*, Sugiyama J, Takayama K, Nakanishi N, Kakamu T, Ishida T, Tomita N, Shinohara K, Kotani J: Impact of seat position on survival outcomes and anatomically specific severe injury patterns in four-wheeled motor vehicle accidents: a retrospective cohort study at a community emergency department in Japan. BMC Emerg Med 2025; 25(1): 139.
https://doi.org/10.1186/s12873-025-01302-z*corresponding author
交通事故は, 社会に深刻な影響を及ぼす公衆衛生上の大きな課題です。四輪自動車による交通事故死亡を改善させるためには, 生存転帰に影響を及ぼす要因を明らかにすることが重要です。
これまでの研究では, 四輪自動車の乗車位置が交通事故患者の生存転帰及び解剖学的重症度に与える影響について十分に検討されていません。
今回, 当科大学院生の鵜澤 佑らは, 福島県郡山市にある太田西ノ内病院 救命救急センターの交通事故データベースを用いて,臨床的疑問の解決に取り組みました。2000年から2022年までの期間に四輪自動車で受傷し, 同院に救急搬送された交通事故患者5,906名を対象としました。多変量ロジスティック回帰モデルを用いて年齢, 性別, 年, 季節, 時間帯, 曜日, 病院前時間, 自動車の形状, 受傷機転, シートベルトの装着, エアバックの展開, 高エネルギー外傷の重要な交絡因子を調整して検討しました。
後部座席の乗員は, 運転席と比較して院内死亡率 (2.5% vs. 3.3%, AOR=0.396, 95% CI=0.216-0.727), AIS≧3の胸部外及び腹部外傷リスク, ISS>15の重症外傷リスクの低下と関連していることを解明しました。
これらの知見は, 四輪自動車の乗員や自動車メーカーに対して, 交通事故の客観的な安全性を検討する上で期待されます。本論文の全文は, 以下のURLからアクセスすることができます。
https://bmcemergmed.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12873-025-01302-z
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