医局からのお知らせ

  • 2023.01.06
  • お知らせ
  • 【研究成果】兼田 圭介らの症例報告が日本救急医学会雑誌に掲載されました

  • 兼田 圭介, 大野 雄康*(corresponding author),宮崎 勇輔, 遠山 ⼀成, 山田 勇, 井上 茂亮, 小谷 穣治. ダビガトラン過量服薬に対するイダルシズマブの静脈内投与:血漿中ダビガトラン濃度と血液凝固能の関連性. 日救急医会誌. 2023; 34: 6-11

    ダビガトランは直接トロンビンを阻害することで抗凝固作用を示す経口抗凝固薬であり,現在本邦では処方機会が急増しています。イダルシズマブはダビガトランに高い親和性で結合する、新規のヒトモノクローナル抗体フラグメントです。ダビガトラン過量内服において,イダルシズマブ投与前後で,血漿中ダビガトラン濃度および血液凝固能がどのように変化するか、ほとんど知られていませんでした。今回当科の兼田らは、ダビガトランを自殺目的に過量内服した症例にイダルシズマブを投与し、投与前後におけるダビガトラン血中濃度の推移を、詳細に報告しました。また、類似症例の系統的なreviewから、血液凝固能検査,とくにPT-INRは血漿中のダビガトラン濃度を強固に反映し,モニタリングに有用である可能性を提示しました。本報告は、ダビガトランの中毒の診療を進めていく上での貴重な資料になることが期待され、ここに紹介させていただきます。

    論文の全文は以下のリンクからご覧になれます:
    https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jja2.12758

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