- 2025.03.03
- お知らせ
【研究成果】大野雄康らの研究成果がPLOS ONEに掲載されました
交通事故は、全世界で年間120万人近い死亡者を出す非常に大きな問題です。軽自動車は燃費やコストが良く、日本だけにとどまらず近年世界中で用いられるようになってきました。軽自動車の車体は普通自動車に比して小さく、軽自動車の乗員は事故の時により高い外力にさらされる可能性があります。しかしながら、これまで軽自動車が普通自動車に比べて交通事故の死亡率や解剖学的重症度にどのような影響を与えるか、十分調べられていませんでした。今回当科の大野雄康らは、福島県郡山市にある太田西ノ内病院の外傷データベースを用いこの問題を検証しました。その結果、傾向スコアマッチングを用いて交絡因子を調整しても、軽自動車群は普通乗用車群に比して死亡率が高く、頭部、顔面、胸部、腹部、骨盤部、四肢の解剖学的重症度も高いことが判明しました。今回大野らが示した安全に関するデータは、消費者にとっては車購入時の検討材料になる可能性があり、自動車メーカーに対しては新たな安全装置開発のモチベーションとなりえます。今後の外傷診療の参考になる重要な結果と考え、ここに紹介させていただきます。
本論文の全文は以下からアクセスする事が出来ます:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0318748
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