医局からのお知らせ

  • 2021.12.05
  • お知らせ
  • 【研究成果】宮﨑勇輔らの研究成果が、Kobe J. Med. Sci (2021)に掲載されました

  • Miyazaki Y, Inoue S, Kotani J, et al. High-Velocity Nasal Insufflation Increases Nasopharyngeal Pressure with Flow-Dependent Manner Compared with High Flow Nasal Cannula in Adult Volunteers-A Single-Center Prospective Observational Study. Kobe J. Med. Sci. 2021; 67(3):E92-E97.

    近年、呼吸不全に対してHigh flow nasal cannula(以下HFNC)の有効性を示す報告が増えています。またHFNCの中でも流速を高めることでその有効性を発揮するHigh- velocity nasal insufflation(以下HiVNI)に特に注目が集まっています。これらのデバイスが有効性を発揮する機序の一つとして,鼻咽頭圧の上昇による呼吸仕事量の減少が知られています。しかし、これまでHFNCとHiVNIが鼻咽頭圧に及ぼす影響を比較検討した研究はありませんでした。

    今回当科の宮崎らは、健康成人ボランティア15名を用いこの臨床的疑問の解決に取り組みました。20L, 30L, 40Lと様々な酸素流量で鼻咽頭圧を計測したところ、口を閉じた条件下では、いずれの流速でもHiVNIはHFNCに比較して鼻咽頭圧が高い結果となりました。また、HiVNIとHFNCのどちらでも、酸素流量と鼻咽頭圧に正比例関係がありました。

    呼吸不全の症例にHiVNI、そしてHFNCを使用する頻度は確実に増加しています。
    本研究はHiVNIおよびHFNCの有効性を呼吸生理学の観点から明らかにした、重要な成果と考えられます。

    本研究の全文は、以下のリンクからご覧になれます:
    https://www.med.kobe-u.ac.jp/journal/contents/67/E92.pdf

    miyazaki211205.JPG


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