医局からのお知らせ

  • 2022.03.24
  • お知らせ
  • 【受賞】第49回集中治療医学会で中西信人先生の論文が奨励賞に選出されました

  • Nakanishi N,et al. Effect of Electrical Muscle Stimulation on Upper and Lower Limb Muscles in Critically Ill Patients: A Two-Center Randomized Controlled Trial. Crit Care Med. 2020;48:e997-e1003.

    第49回集中治療医学会で、当科の中西信人先生の論文が奨励賞に選出されました。
    中西信人先生2018年に重症患者は下肢のみでなく上肢の筋肉も1週間で約15%程度萎縮することを報告しております(Nakanishi, et al. Intensive Care Med 2018 Feb;44(2):263-264)。この結果をもとに、重症患者の予後を改善するためには、下肢のみでなく上肢のリハビリも重要であると仮説を立てました。そして、下肢に使用される事が多いEMS(Electrical Muscle Stimulation)を上肢にも用いて急性期の筋萎縮を予防するための2施設無作為化対照試験を計画しました。

    ICUへの長期入室が見込まれる42人の人工呼吸患者を対象として、2017年7月から2020年1月まで無作為化比較試験を継続しました。その結果、ICU入室5日目には下肢のみでなく上肢の筋萎縮も予防でき、入院期間も短縮しました。さらに血中のアミノ酸分析から急性期の筋崩壊も抑制できることも明らかとなりました。

    重症患者のリハビリでは立位・歩行など下肢の筋肉が注目を集める傾向にありますが、上肢の筋萎縮も予防することが重症患者の予後改善に繋がるという重要な報告です。
    さらにEMSの使用方法への新たな提言にも繋がる結果となりました。

    この度は受賞おめでとうございました!nakanishi2_220324.jpgnakanishi_220324.JPG


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