医局からのお知らせ

  • 2021.05.20
  • お知らせ
  • 【研究成果】藤浪 好寿らの研究成果がJournal of Clinical Medicine (2021) に掲載されました

  • Fujinami Y, Hifumi T, Ono Y, Saito M, Okazaki T, Shinohara N, Akiyama K, Kunikata M, Inoue S*, Kotani J, Kuroda Y. Malocclusion of Molar Teeth Is Associated with Activities of Daily Living Loss and Delirium in Elderly Critically Ill Older Patients. Journal of Clinical Medicine. 2021; 10(10):2157. https://doi.org/10.3390/jcm10102157
    *corresponding author

    歯牙欠損に代表されるオーラルフレイルは、健康寿命を左右する重大な問題です。しかし、ICUにおけるオーラルフレイルと機能予後の関連はこれまで明らか でありませんでした。
    今回当科の藤浪 好寿らは、ICUで治療を受けた重症患者群において、歯牙欠損がADL低下およびせん妄の発症と関連していることを見出しました。
    ICUで治療を受けた重症患者320名のデータを後方視的に検討したところ、歯牙欠損のある患者群は、歯牙欠損のない患者群に比較して、ADL低下 (ICU退室時の Clinical Frailty Scale>5) のリスクは、約2倍 [OR, 2.03; 95% CI, 1.13-3.64]ありました。また、65歳以上の患者群において、歯牙欠損はADL低下 [OR, 3.25; 95% CI, 1.44-7.32] およびせん妄発生[OR, 2.61; 95% CI, 1.14-5.95]両方の、独立した危険因子でした。
    本研究により、重症患者における口腔機能の維持・向上の重要性が示されました。近年、ICU退室後の機能予後に注目が集まっており、本研究成果は、まさに 時宜にかなったものと言えます。

    本研究成果の概要は、以下のリンクからご覧になれます:
    https://www.mdpi.com/2077-0383/10/10/2157/htm

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