医局からのお知らせ

  • 2021.09.13
  • お知らせ
  • 【研究成果】中西 信人らの研究がClinical Nutrition ESPEN (2021) に掲載されました

  • Arai Y, Nakanishi N*, Ono Y, Inoue S, Kotani J, Harada M, et al. Ultrasound assessment of muscle mass has potential to identify patients with low muscularity at intensive care unit admission: A retrospective study. Clinical Nutrition ESPEN. 2021.
    *Corresponding author

    この研究ではICU入室時のエコーによる筋肉量評価がサルコペニア(低筋肉量)の評価に有効であることを報告しました。現在重症患者における筋肉量評価はCT検査がスタンダードになっておりますが、CT検査は被曝のリスクやCT室への移動が必要なために、ルーティンで重症患者の筋肉量評価に用いることはできません。そこでエコー検査がCTに代替できないかと考えました。

    そこでICU入室時に筋肉量評価のエコー検査を行った133人を対象として、そのうちにICU入室時にCT検査も行っている89人を解析対象としました。CTによる全身の筋肉量評価とエコーによる大腿部の筋肉量評価は相関して、エコーでもサルコペニア(低筋肉量)を評価できることが分かりました(AUC 0.76-0.84)。また上肢や横隔膜の筋肉量も全身の筋肉量と相関することが分かりました。この研究のサプリメンタルファイルには133人を対象とした患者さんの大腿部の筋厚、筋断面積、上腕筋厚、筋断面積、横隔膜厚の基準値も掲載しており、今後の研究に役立つと考えております。

    今後はICU入室時に筋エコーを評価して、その患者さんに応じた栄養管理やリハビリなどを工夫していく必要があります。

    本研究結果は以下のリンクから50日間は無料でご覧になれます:
    https://authors.elsevier.com/a/1dkNC_siPjJ5hW

    nakanishi210914.JPG


> リストページへ