医局からのお知らせ

  • 2023.02.03
  • お知らせ
  • 杉本 貴史らの症例報告が Acute Medicine & Surgeryから出版されました

  • Sugimoto T, Ono Y*, Ueshima E, Matsushiro K, Yamada I and Kotani J. (2023), Severe left kidney laceration after minor fall in a patient with lumbar spine scoliosis. Acute Med Surg, 10: e816. https://doi.org/10.1002/ams2.816
    *Corresponding author

    腎臓は下位肋骨に守られた後腹膜臓器であり、深在性の損傷をきたすには、一般に強い外力が必要です。今回当科の杉本 貴史らは、腰椎側弯症をもつ高齢女性に発生した軽微な外力による深在性腎損傷を報告しました。この症例は自宅で転倒しただけで、
    深在性の腎裂創が発症しました。
    この症例では弯曲した腰椎が後腹膜腔に突出し、腎周囲の間隙が狭小化、それにより下位肋骨と腰椎側弯部に「挟み撃ち」されたと考えられます。
    本症例は、腰椎側弯症では腎臓などの後腹膜臓器が、外力に対してより脆弱になる可能性を提示します。
    腎損傷におけるリスクファクターとして解剖学的な特性に関してはほとんど知られておらず、本症例は貴重な一例であると考えます。

    本論文の全文は以下のリンクからご覧になれます:
    https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ams2.816

    AMS_2023-02-03 060149.pngFig1_221008.jpg


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