医局からのお知らせ

  • 2023.06.27
  • お知らせ
  • 【研究成果】 杉山隼さん(神戸大学災害・救急医学分野 大学院生、神戸市消防局所属)の学術論文が、Acute Medicine and Surgeryに掲載されました

  • Sugiyama, J, Inoue, S*, Inada, M, Miyazaki, Y, Nakanishi, N, Fujinami, Y, et al. Impact of the coronavirus disease 2019 (COVID-19) pandemic on the operational efficiency of emergency medical services and its association with out-of-hospital cardiac arrest survival rates: A population-based cohort study in Kobe, Japan. Acute Med Surg. 2023; 10:e865. https://doi.org/10.1002/ams2.865

    *corresponding author

    世界で猛威を振るった、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は医療システムに大きな影響を与えました。しかしながら、COVID-19の感染拡大が与える、救急隊(EMS)が行う病院前救護への影響、特にEMSの業務効率や院外心肺停止患者への影響は不明瞭でした。
    この臨床的疑問を解決するため、当科大学院生の杉山らは2020年3月から2022年9月までの神戸市救急隊の救急車動態データや搬送データを綿密に解析しました。
    その結果、市中の感染者数が多い感染拡大期は、EMSの出動不能時間とレスポンスタイム(救急要請から救急車の現場到着までの時間)が有意に増加し、業務効率が悪化したことを明らかにしました。さらに院外心肺停止患者の1か月生存や良好な神経予後も有意に低下し、EMSの業務効率の低下と院外心肺停止の生存率低下には関連が示唆されることを明らかにしました。
    新興感染症の感染拡大が医療システムに与える影響、及び病院前救護に関する研究と理解を進めるため、また次なる新興感染症勃発の際に対応するための重要な文献と考え、ここに紹介させていただきます。

    本論文の全文は以下のURLから閲覧できます。

    https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ams2.865

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