研究

ホーム > 研究 > 頭部外傷

頭部外傷

重症頭部外傷に関する臨床研究

現在、神戸大学医学部脳神経外科ならびに兵庫県立加古川医療センター脳神経外科/救命救急センターでは、重症頭部外傷による入院患者さんのうち、頭蓋内圧管理のために髄液排除カテーテル留置を行なった方を対象に臨床研究を計画・実施しております。

重症頭部外傷の患者さんに対する診断・治療において、頭蓋内圧亢進(出血や脳腫脹・浮腫等により、脳への圧力が異常に高まる状態)や神経学的予後を早期に予見・予測することは極めて重要な課題ですが、併存する他部位の外傷等の複雑な病態も相まり、現状ではその重症度を特異的かつ簡便に顕す指標は皆無といえます。

当該施設におきましては、重症頭部外傷に対し、頭蓋内圧亢進を早期に検知し、治療を講じるため、穿頭等により頭蓋内圧センサーを留置しております。また、この際、余分な脳脊髄液を排除することで頭蓋内圧上昇が改善されることを企図し、硬膜下(脳を包んでいる膜の内側)や脳室にカテーテルを留置する場合があります。

これにより排除・廃棄される脳脊髄液の一部を検体として、メタボロミクス分析(生体内の代謝産物を網羅的に検出・半定量化する検査)を行い、予後や頭蓋内圧上昇に関連する因子を探索します。また、通常検査や治療のために採取される血液の一部を用いて同分析を行い、上記髄液での代謝変化との関連性を明らかにし、頭蓋内圧や予後を予測するための簡便な指標を探求することを目的とします。

詳細については、別途「情報公開文書」:重症頭部外傷患者の脳代謝に関する病態解析 -メタボロミクス分析を用いた脳脊髄液と末梢血液による予後予測因子の探求- をご参照ください。また、この研究についてご質問等がございましたら、最後に記載しております [問い合わせ窓口] までご連絡ください。

研究費
  • 平成30年度 科学研究費助成事業 若手研究(独立行政法人 日本学術振興会)
    重症頭部外傷の脳代謝についてメタボロミクス分析を用いた病態解析と予後予測の検討
    研究代表者 中井友昭
  • 2017年度 交通事故医療一般研究助成金(一般社団法人日本損害保険協会)
    重症頭部外傷における急性期脳代謝変化について -メタボロミクス解析を用いた予後予測因子の探求-
    研究代表者 中井友昭