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教授挨拶

ご挨拶

脳神経外科学 教授 篠山 隆司
脳神経外科学 教授
篠山 隆司

神戸大学大学院医学系研究科 脳神経外科学分野 教授の篠山隆司です。
私は2020年9月に教授を拝命し、5年が経過いたしました。

就任直後より新型コロナウイルス感染症の流行に直面し、当初の約2年間は外来・入院の制限や手術件数の減少など、診療体制の維持に大変苦慮いたしました。そのような状況においても、脳神経外科救急をはじめとする必要な医療を途切れさせることなく、適切なタイミングで治療を提供することに努めてまいりました。その結果、大きな混乱なく診療を継続できたことは、教室員および関係各位の尽力の賜物であり、深く感謝しております。現在では患者数・手術件数ともに回復し、コロナ禍以前の水準へと戻ってまいりました。

一方で、この経験は日本の医療体制の脆弱性を浮き彫りにしました。こうした課題を克服しつつ、より安全で質の高い最先端医療を提供できる体制の構築に、今後も取り組んでまいります。

当教室は1971年に第一外科学教室より独立して開講されました。初代 松本悟教授は小児脳神経外科の発展に大きく貢献され、2代目 玉木紀彦教授、3代目 甲村英二教授は頭蓋底外科の確立と発展に尽力されました。私は悪性脳腫瘍を専門とし、集学的治療および分子生物学的アプローチによる新規治療の開発に取り組んでおります。2021年には教室開講50周年を迎え、先人の歩みに深い敬意と感謝を捧げるとともに、さらなる発展を誓いました。

脳神経外科領域はこの数十年で飛躍的な進歩を遂げました。ニューロナビゲーション、術中蛍光診断、神経内視鏡手術、光線力学療法、術中MRI、血管内治療などの導入により、安全性と治療成績は大きく向上しています。さらに外視鏡やヘッドマウントディスプレイ、将来的にはロボット手術の導入も期待されています。当教室ではこれらの先端技術を積極的に取り入れ、「機能温存」と「長期予後の改善」を両立する“患者さんにやさしい脳神経外科医療”の実現を目指しています。

近年、診療報酬制度の制約や物価・人件費の上昇などにより、医療機関、とりわけ大学病院の経営環境は厳しさを増しています。しかし大学病院は、高度先進医療の提供、急性期医療の中核、そして教育・研究という重要な使命を担っています。私たちはこの責務を果たすべく、困難な状況においても研究と人材育成を継続し、日本の医療を牽引していく所存です。

当教室は以下の4つを柱として活動しています。

  • 患者さん中心の、ニーズに応じた最高水準の脳神経外科医療の提供
  • 次世代を担う医学生および専門医の育成
  • 基礎・臨床の両面からの研究推進
  • 関連医療機関との連携による地域医療の向上

医学の進歩は、過去の研究という“種”が現在“花”を咲かせた結果です。未来の医療の発展のためには、今まさに新たな種を蒔き、育てていく必要があります。当教室では幅広い分野において将来につながる研究と教育を推進し、世界に発信してまいります。

兵庫県は都市部から地方まで多様な地域を有し、日本の縮図ともいえる地域です。どこにお住まいの方でも質の高い脳神経外科医療を受けられるよう、県内の医療機関と連携し、地域医療の向上に貢献してまいります。

今後も「患者第一」の理念のもと、教室員一同、さらなる努力を重ねてまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。