教授挨拶
ご挨拶
脳神経外科学 教授
篠山 隆司
この度、2020年9月1日付けで、神戸大学大学院医学研究科 脳神経外科学分野 教授を拝命しました。当教室を代表し、一言ご挨拶申し上げます。
神戸大学医学部脳神経外科教室は1971年9月1日に第一外科学教室より独立し、松本悟初代教授により開設され、以後玉木紀彦教授(1991年就任)、甲村英二教授(2002年就任)のもと発展して参りました。来年の2021年9月1日で開設50周年を迎え、脳神経外科教室の中でも長い歴史を持つ教室の1つであります。これまでの神戸大学の伝統を尊重しつつ、最先端の医療を追求・実践し、脳神経外科および医学・医療の発展に寄与していきたいと考えています。
当教室の目標は、以下の4つです。
- 患者さん中心で、患者さんのニーズに合わせた最高レベルの脳神経外科医療を提供する
- 次代を担う医学生および脳神経外科専門医師の育成を行う
- 脳神経外科医療の発展のための基礎および臨床研究を行う
- 関連病院・診療所・施設と連携し、兵庫県全体の医療を向上させる
脳神経外科学領域の発展は、目を見張るものがあります。私が脳神経外科に入った25年ほど前は、手術用顕微鏡、CT・MRIの機器こそありましたが、手術は非常に時間がかかりリスクを伴うものでした。その後、ニューロナビゲーション、術中蛍光診断、神経内視鏡、血管内治療など新たな技術が導入され、手術のリスクが軽減され、治療成績も向上してきました。私たちは、これらの最先端の技術を用いて、患者さんの機能改善と長期予後の両立を目指した“患者さんにやさしい脳神経外科”を実践していきます。
現在の医学・医療の発展は、以前の研究の賜物であり、以前の研究が“種”となって今“花”を咲かせています。未来の脳神経外科医学・医療に“花”を咲かせるためには、今“種”をまいて育てていかなければなりません。当教室では、脳神経外科の幅広い分野で将来“花”が咲く様、世界に目を向けて教育、研究を実践していきます。
兵庫県は広く、大都市である神戸から山陰の過疎地域までさまざまありますが、どの地域でも最高の脳神経外科医療が受けれるように地域の病院と連携をとり、地域医療に貢献していきます。私たちは“患者第一”の信念のもと、教室員一同、一層努力してく所存です。