研究活動

法医学では死因診断に関するあらゆる事項が研究対象となりますが、当法医学分野では「脳浮腫重症化機序の解明」、「アルコールと臓器傷害との関連」、「心臓性突然死に関する法医病理学的検討」、「法医解剖試料及び情報を用いた検討」、「薬毒物分析法の改良・開発」等について研究を行っています。虐待による乳幼児の頭部外傷死の防止、診断根拠となり得る病理形態学的マーカーの検索、薬毒物中毒関連死の診断に不可欠な機器分析方法の新規開発等に繋げられるように、そしてこれらの成果を生に活かせるように研究を行っています。

頭部外傷や脳卒中は、その後に発生する脳浮腫が予後に大きく関与します。様々な病態によって発生する脳浮腫は、遺伝学的背景が異なっても発症の程度が変わることが知られており、機序の解明が重要です。昨今、無罪判決が相次いでいる虐待による乳幼児頭部外傷事例ですが、特に乳幼児の頭部外傷については、軽微な頭部打撲でも重症化するケースが知られているものの、その正確な機序はまだ明らかになっていません。そして我が国において死因の2位を占める心疾患では、その中で最も多くの割合を占める虚血性心疾患において、発症直後に死亡してしまうと顕微鏡所見が認められない等、死因診断が難しいことが知られています。

我々は実務としての法医解剖や動物実験を通して、脳浮腫、頭部外傷、アルコール医学、心臓性突然死の解析等を行っています。又、重金属を使用した殺人事件も発生しており、薬毒物分析法の改良・開発等を行い、その成果を通じて死因診断の質を高める事を目指しています。

2025-08-14更新

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