教授・医局長挨拶

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教授:溝渕 知司
教授:溝渕 知司 

教授挨拶(動画版)

教授挨拶

教授挨拶

 神戸大学医学部麻酔科学講座(現 神戸大学大学院医学研究科外科系講座麻酔科学分野)は、昭和43年(1968年)1月に初代教授の故岩井誠三先生が開講され現在に至っています。岩井先生のあと、尾原秀史先生、前川信博先生が教室を主宰され、これまで数多くの優秀な医療人を多方面に輩出してきました。麻酔・集中治療・ペインクリニックの3領域において、臨床、教育、研究すべての分野で多くの実績を残し社会に大きく貢献しています。平成30年(2018年)1月に開講50周年を迎え、平成31年(2019年)2月2日には神戸にて開講50周年記念祝賀会を開催致しました。

初代故岩井先生の時代から代々受け継がれる教室のモットーは、”麻酔は手術中の麻酔管理だけでなく、手術前の管理(術前評価)と集中治療を含めた術後管理をきめ細かく考えて行ってこそ手術という大きな侵襲から生体を護ることができ、これこそが麻酔管理である “であり、この教育方針のもとに培われた伝統と、”新しい知識および技術をいつも積極的に取り入れ、常に勉強、常に変革し、どんな状況にでも対応できる人材を育成すること“を目標として、臨床では何より”Patient First (患者優先)“の心構えのもと、日々努力、精進しています。

教室はまとまりを重要としつつも多様性を大切にし、個々が自由に行動しながら、ここぞという時には一致団結して問題解決に取り組むことを教室運営の基本としています。お互いがお互いをリスペクト(尊敬)し、感謝と思いやりの心をもって個々人がそれぞれの目標に向かって進んで行っていただきたいと考えています。そうすることが、安心で安全な麻酔・周術期医療を提供でき、かつ麻酔科学の発展に貢献できる医療人を育成することにつながると信じています。

2020年は、新型コロナウイルス感染症の発生でこれまでとは状況が異なる医療環境となっています。今後我々の環境も一変する可能性があります。しかし、この変動する環境の中でも神戸大学麻酔科で学んだ仲間はぶれずに常に学問を探求していくと同時に、レベルの高い麻酔科関連医療を社会に提供できる人材を育成することを目指します。
以下が、私が目指す教室運営の主要点です。

1.常に考える麻酔管理

麻酔は、手術という生体への侵襲からからだを護るために行われます。生体への侵襲はからだの中で様々な変化を引き起こします。血圧や脈拍数、出血や尿量の変化など目に見えるものもあれば、血糖やホルモンの変化など血液を採取して検査をしないと目に見えないものもあります。元々、生体は外的な侵襲から自己を防衛するという手段を身につけていますが、必要以上に侵襲が加わると生体のすべての臓器機能は生体侵襲に耐えられなくなり細胞の機能は破綻していくことになります。我々は、病気や機能を治すために行われる手術という通常の状態では耐えられない侵襲から、いかに生体を護るかを常に考え、患者様を護るために日々臨床の麻酔業務を行っています。また、臨床で得た疑問点を基礎研究や臨床研究で解明しフィードバックすることにより、さらにレベルの高い医療を提供することを常に目指しています。常に考える麻酔管理、周術期管理を行うことで患者様に質の高い医療が提供できるとともに、考え学問することで医学の発展にも寄与したいと考えています。

2.高い専門性を持って社会に貢献できる麻酔科医の育成を

近年、医療技術は目覚ましい進歩を遂げ、再生医療や移植医療の実現でこれまで治療が困難であった患者様が救命できるようになりました。麻酔方法も昔と違って大きく変わりました。効果発現が早く代謝率が低い調節性のよい鎮静薬や鎮痛薬が使用できるようになるとともに、多くの生体モニターが開発され、麻酔はより安全に行われるようになってきています。一方、社会の高齢化に伴い、高血圧や動脈硬化などの心疾患や糖尿病、脳梗塞などの合併症を持たれた患者様が手術する機会が増え、我々麻酔科医の役割が一段と重要になっています。麻酔科学の分野でも、新しい麻酔薬や生体モニターの開発と新しい麻酔技術の進歩などにより、高齢の方や多くの合併症を持った方などこれまで行われなかった方の手術ができるようになっています。複数の合併症を持ついわゆるリスクの高い症例の管理は専門的な知識が必要であり、我々麻酔科医の重要性が改めて認識される時代になっています。現在神戸大学では、年間に約11000件の手術が行なわれ、そのうちの約8000件は我々麻酔科医が直接患者様の傍に付き添い全身管理をしています。全身麻酔はすべての症例でわれわれ麻酔科医が担当しています。神戸大学麻酔科では高い専門性を持って社会に貢献できる麻酔科医の育成を心がけています。

3.手術麻酔以外の領域での貢献

麻酔科学は、手術を中心とした周術期の患者管理だけでなく手術麻酔以外の領域でも多くの能力が発揮できる分野です。麻酔は、ただ単に眠らせるだけでなく痛みを軽減する、すなわち鎮痛することが不可欠です。手術による痛みは手術という侵襲がもたらす痛みであり痛みの原因の多くは明らかです。しかし、痛みの中には原因がわからず慢性的に長く続く痛みもあります。痛みには多くの原因がありますが、これらの痛みを少しでも軽減するため我々はペインクリニック部門を設け、痛みを科学し痛みからの解放を目指す診療、研究を行っています。また、手術中の麻酔管理や術前評価は単に一つの臓器を診るだけでなく全身の臓器を評価し管理することが求められます。これらの知識を活かし、多臓器障害を来たした重症患者や、複数の合併症を持った手術症例、大手術後の術後管理を集中して行う集中治療医学部門での診療、研究も行っています。このように、神戸大学麻酔科は、手術室の仕事である麻酔・周術期管理を中心に、重症患者を管理する集中治療医学と様々な痛みを管理するペインクリニック・疼痛学の3本の柱で教室を運営し、診療および研究と教育を行っています。

4.思いやりを持った多様な人材集団

私は、平成25年(2013年)10月1日より神戸大学大学院医学研究科麻酔科学分野教授を拝命し教室を主宰しており、赴任後まもなく8年目に入ります。教室を主宰した当初から、良き教室員と良き同門の先生方、そして良き神戸大学病院他科の多くの先生方、看護師さん、技師さん、事務の方々、近隣医療施設の先生方のおかげで、スムーズに仕事が開始でき現在に至っています。大学として高度な医療、高度な手術を患者様に安全に提供させて頂くのはもちろんのこと、我々はすべての患者様のために、常に新しい技術を取り入れつつ、手術がもたらすあらゆる侵襲から生体を護ることを考え日々努力しています。また、これらの知識や技術により、重症患者様を一人でも多く回復させること(集中治療)、そして、あらゆる痛みから患者様を少しでも解放すること(ペインクリニック)を目指しています。これらに加え大学組織として、最適な麻酔法や周術期管理、新しい麻酔関連デバイスや新しい痛みの治療法の開発、さらに、様々な侵襲による生体反応の解明など、基礎研究分野のスペシャリストの先生方のお力も借りて、小さな枠にとらわれない研究を行うことが重要と考えています。これらを行うためには、将来を見据え大きな視点を持って、これからの医療を担う若い人々の育成や教育に重点を置くことが重要になります。そのためには忙しい中にもやりがいをもって活動できる組織作りが必要です。活性化する組織の運営には多様な考えを持った人材の集まりが必要と考えます。多様性を持った人材がお互い思いやりをもって前に進むことが大切です。広い視点から教室を運営したいと考えています。

以上、これまでの神戸大学麻酔科の歴史と伝統を守りつつ、国際都市・神戸の地で多くの麻酔科医が学び育っていける麻酔科学教室を創り、多くの患者様のお役に立てればと考えています。まだまだ課題は多いですが、今後もどうぞよろしくお願い致します。

令和2年8月

神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 麻酔科学分野 教授
溝渕 知司

平成25年度教授挨拶

平成27年度教授挨拶

平成28年度教授挨拶

平成27年度教授挨拶

麻酔科日記

医局長:江木 盛時
医局長:江木 盛時

医局長挨拶

神戸大学医学部付属病院は、国際都市である神戸市の中心地に立地し、出身大学・出身地の垣根を超えた自由な雰囲気のある大学病院です。神戸大学医学部附属病院では年間約11000件の手術が行われ、そのうち約8000件が麻酔科により管理されています。手術症例は多岐にわたり、また病院の特性で重症例が多いことが特徴です。当科には、豊富な麻酔科指導医、麻酔科専門医に加え、集中治療専門医、ペインクリニック専門医が所属しており、麻酔科専門医の取得はもちろん集中治療やペインクリニック専門医の取得が可能な教育体制を有しています。

また、当科では、基礎研究や臨床研究の多様なテーマで研究にも取り組んでいます。さらに、専攻医も症例報告や臨床研究をテーマに学会報告から論文執筆の指導が受けることができる体制となっています。

神戸大学麻酔科は、アットホームで自由な雰囲気の中で、皆が助け合いの心をもって患者さんの診療にあたり、その中で、専攻医プログラムだけではなく、専門医取得後におけるサブスペシャリティの取得や研究の勉強など様々な先生方の目的に応じて、成長と活躍ができる麻酔科を目指しています。

一度当科にお越しいただければ、その魅力に気付いていただけるのではないかと思います。見学の希望の方は遠慮なく是非ご連絡ください。過ごしやすい神戸の街で、一緒に研鑽できることを楽しみにしています。

令和2年8月

神戸大学大学院医学研究科 外科系講座 麻酔科学分野 医局長
江木 盛時

平成30年前医局長挨拶

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