小児科研究部門
小児科研究部門

小児科学

新生児グループ  間葉系幹細胞研究グループ

研究の目的
ヒト臍帯血・胎児付属物由来間葉系幹細胞(MSC)を用いた、新生児・小児の難治性疾患に対する新規細胞治療の開発を目指しています。
研究の概要
  1. 1)新生児慢性肺疾患(CLD)
 新生児慢性肺疾患(CLD)は早産児に高率に発症し、生命及び神経学的予後に影響する重篤な疾患ですが,有効な治療法は存在しません。CLDは多因子疾患と考えられ、従来の単剤療法では十分な治療効果が得られていません。間葉系幹細胞は傷害組織に集積し、種々の因子を放出して治療効果を発揮する点において、CLDの新しい治療法として期待できます。周産期においては、分娩後に不要となる胎児付属物から間葉系幹細胞が分離可能です。早産児の胎児付属物からの間葉系幹細胞を有効に活用できれはば、患児自身の幹細胞を用いたCLDの治療が可能となります。本研究では、早産児の臍帯血及び胎児付属物から間葉系幹細胞を分離・培養し、患児の肺内に移植するというCLDに対する新しい治療法の開発を目指しています。

科学研究費 基盤(C)「胎児付属物由来の間葉系幹細胞を用いた新生児慢性肺疾患に対する新規治療の開発」(研究代表者:溝渕雅巳)
  1. 2)新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)
 新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)は、死亡や神経学的後遺症に直結する重篤な疾患で、緊急に解決すべき最重要疾患です。脳低温療法等の治療法が試みられてきましたが、依然無効な症例が少なくありません。間葉系幹細胞は、傷害組織に集積し治療効果を発揮するという点において、HIEに対しても有効である可能性が高いと考えられます。また、分娩後に不要となる胎児付属物から間葉系幹細胞が分離できれば、自己の細胞を用いた細胞治療が可能となります。本研究の目的は、胎児付属物からの間葉系幹細胞の単離・同定法を確立し、新生仔HIE動物モデルを用いてその有効性を検証することです。

科学研究費 若手(B)「新生児低酸素性虚血性脳症に対する自家間葉系幹細胞治療の開発」(研究代表者:香田翼)
  1. 3)Muse細胞
 私たちは、Muse細胞の発見者である東北大学の出澤先生の研究室と共同で、臍帯血・胎児付属物中からのMuse細胞の分離・培養に関する研究を行っています。
  1. 東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野(→ ホームページ

  2. ウィキペディア:ミューズ細胞(→ ホームページ

研究スタッフ
神戸大学大学院医学研究科小児科学分野
教授 飯島 一誠
 
特命教授 森岡 一朗
 
岩谷 壮太
 
香田 翼
 
西山 将広
 
山本 暢之
 
平瀬 敏志
神戸大学大学院医学研究科疫学分野
教授 西尾 久英
 
准教授 西村 範行
兵庫県立こども病院周産期医療センター新生児科
溝渕 雅巳
 
生田 寿彦
兵庫県立こども病院病理
吉田 牧子
 
橋本 興人
お問い合わせ 〒650-0017 神戸市中央区楠町7丁目5番1号 
神戸大学大学院医学研究科 疫学分野 西村範行
 nnishi@med.kobe-u.ac.jp


 
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