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|| フェイスリフト手術について

代表的なお顔のシワ、たるみ

図1:代表的なお顔のシワ、たるみ(※クリックで拡大)

 年齢を重ねると、お顔の皮膚にはシワやたるみが生じてきます。
 筋肉の動きによって、おでこや目尻、眉間部にシワができ、たるみによってほうれい線は深くなり、マリオネット線が現れ、あごのラインもたるみます。そして首にもたるみは及びます。(図1)

 この中で頬より下の部分のシワ、たるみにはフェイスリフトの手術が有効です。
 当科でて提供しているフェイスリフトの手術は、SMASリフトという手術です。



図2:フェイスリフト手術のイメージ
図3:フェイスリフト手術のイメージ(皮膚切除)

(※クリックで拡大)

 簡単に言うと、顔の皮膚を引き上げることで皺を取るという手術です。
 しかし、皮膚を切り取って縫い縮めるだけでは、皮膚が伸びてしまうだけで効果は長続きしません。
 そのため、まずは広い範囲で皮膚を剥がします。そして皮膚の下にあるSMASと呼ばれる膜を引き上げて、顔の深部の構造から作り直してしまいます(図2)
 そうすると、たるんだ皮膚はたくさん余ってきますので、余った部分を切り取って、丁寧に縫合するという手術です(図3)

 皮膚の切開線は頭側は眉毛の高さのもみあげ部分から始まって、耳の前を通り、尾側は耳たぶの付け根で終わらせる方法と付け根を通り越して耳介の後ろに回り込んで、毛髪の中にまで切り込む方法があります。
 どちらを選択するかは、患者さんごとに相談して決めています。




フェイスリフトの手術により期待できる効果
  • ・ほうれい線の改善
  • ・マリオネット線の改善
  • ・顎のラインの改善
  • ・首のシワの改善
フェイスリフト手術の欠点

 手術の規模が大きく、ダウンタイムが長い

フェイスリフトの手術により起こる可能性がある合併症
■ 顔面神経麻痺
顔面神経の走行

図4:顔面神経の走行(※クリックで拡大)

 上記のSMASという膜のすぐ下には、顔面神経という顔の動きに重要な神経が走行しています。そのため、非常にまれではありますが、フェイスリフトは顔面神経を損傷する危険性がある手術なのです。
 まれとはいえ、万一顔面神経が損傷された場合には、表情に大きな障害が残ります。
 例えばおでこに向かって走行する枝が損傷された場合には、前頭筋が動かなくなるため、眉毛が垂れ下がり、それにつれて瞼も垂れ下がってしまいます。
 当科ではこれまでに、顔面神経の走行部位を術中に把握できる方法を検討し、発表をかさね、安全な手術の開発を心掛けてきました(図4)。とは言え、合併症の可能性がゼロにはならないことをご理解ください。

■ 傷あと

 フェイスリフトの切開は、傷あとが目立たない部分を選んで行います。さらには傷あとが目立たない縫合方法を用いて丁寧に細かく縫合します。
 ですが、皮膚を切開する以上は傷が残ることは避けられないことをご理解ください。

■ 血種

 広い範囲の皮膚を剥がす手術ですので、どうしても皮膚の下に血液がたまってしまうことがあります。殆どの場合は、自然に吸収されることを待つだけで、特別な治療は必要としないで済みますが、稀に縫合した糸を抜いて、血腫を押し出したり、注射で抜くような処置を必要とする場合があります。
 当科では血腫の予防を目的に、細く切ったシリコンのチューブを留置しておき、血液がそのチューブを伝って外に出るような処置を行っています。殆どの患者さんで、チューブは翌日には抜いてしまいます。抜いた後は自然に傷口は閉じるので心配は不要です。

■ 唾液ろう

 耳下腺という唾液を作る臓器が損傷された場合、たとえば傷口から透明な唾液が漏れることがあります。多くの場合は、傷口の処置を行うだけで改善するのですが、少々お時間がかかります。

■ 感染

 手術である以上、感染(傷口が化膿すること)の可能性はゼロではありません。
 当科では適切な抗生剤の使用、清潔操作の徹底に加えて、高度の管理された手術室で手術を行うことにより、感染の減少に努めています。

■ 皮膚の壊死

 皮膚を広く、そして薄く剥がす手術ですので、皮膚の血流が不安定になることがあります。皮膚の血流が悪くなると、皮膚に酸素が行き渡らなくなり、組織がダメージを受けてしまうことがあり(そのひどい状態が壊死です)、フェイスリフトではその可能性がある手術です。
 多くの場合は、軟膏を用いて、傷口の安静を守ることで治癒しますが、場合によっては追加の処置(壊死した部分を取り除く)が必要となることもあります。

■ 左右差

 手術中は、左右同じ操作を行うように細心の注意を払っています。しかしながらどうしても左右差が生じることがあります。場合によっては修正の手術を追加することもあります。

■ 後戻り

 どれだけしっかりと引き上げても、時間が経過すると徐々にシワやたるみは、再び現れてきます。
 アンチエイジングの手術全てに言えることですが、
「アンチエイジングの手術は、時計の針を巻き戻すものです。
ただし手術によって時計の針を戻すことはできても、時計を止めることはできません。
手術が終わったその瞬間から、ふたたび時計は動き始めるのです。」
という点をどうぞご理解ください。

補足:糸のリフトについて

 最近、多くの美容外科において「糸のリフト」が盛んに宣伝されています。
トゲ(棘)付きの糸や、コーン付きの糸を、顔の皮膚の下に挿入して、たるみを引き上げようとする治療法です。

その長所は
・糸を入れるだけなので、皮膚を切開しなくても良い
・ダウンタイムが短い
などが挙げられます。

その短所は
・効果は長持ちしない
・厚生労働省の承認を得た、リフト用の糸は存在しない
ことが挙げられます。

 私たちでは、効果が長持ちしないことは大きな問題であると考えています。
また皮膚を切開しないことは、すなわち皮膚を切除できないということです。つまり糸でリフトした(引き上げた)皮膚は、行き場所がないので、その部分にたるみとして残ってしまうのです。そしてそれは美容的に決して好ましいものではありません。
以上の理由から、当科では積極的にはお勧めしていません。

 もちろん糸のリフトを完全に否定しているわけではなく、患者さんが長所と欠点をご理解の上、お受けになるのは問題ありません。

 ただし近年、SMASリフトに糸のリフトを組み合わせた方法が報告されています。
この方法は理にかなっていると考えており、当科でも取り入れています。
もしご興味をお持ちの方はご相談ください。

※手術費用のほかに、術前検査代、入院費、場合によっては全身麻酔代が別途かかります。

(文責:神戸大学病院美容外科診療科長 原岡剛一)


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