喘息死は防止できることを前提に「喘息死ゼロ作戦」を推進しています。

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喘息死ゼロ作戦詳細患者さん向け医療従事者向け

喘息の治療法

①喘息発作の誘因となるものを避けましょう

抗原(アレルゲン)となるものからの回避

最も代表的なアレルゲンはダニやハウスダスト、ペットのフケや毛などの家庭内アレルゲンです。風通しによる部屋の湿気除去や布団、絨毯など掃除を心がけましょう。また、エアコンなどの風には多くのアレルゲンが含まれていますので注意してください。また、花粉の時期などは花粉の吸入にも注意が必要です。

ダニの写真
花粉が舞う写真

ウイルス感染防止

イラスト風邪やインフルエンザなどのウイルスによる気道感染は、喘息の悪化を誘発します。手洗いやうがいを心がけましょう。

タバコ

イラストタバコは喘息にとって、また、他の呼吸器疾患にとっても増悪因子です。喘息患者さんは必ず禁煙が必要です。自力での禁煙が難しい方は、専門病院の禁煙外来なども利用してください。受動喫煙にも注意が必要です。

アルコール

アルコールの体内代謝物であるアセトアルデヒドという物質によって喘息発作が誘発される体質の方がおられます。こうした患者さんは、アルコールは止めたほうが無難です。

運動時の予防

運動によって喘息の発作が誘発されることがあり、これを運動誘発喘息といいます。しかし、多くの喘息を有するプロスポーツ選手がいるように、医師の指導のもとで適切な対応を取れば、運動は可能です。

アスピリン喘息

喘息患者さんの約10%に鎮痛解熱剤によって喘息発作が誘発される方がおられます。
アスピリン喘息と呼ばれていますが、アスピリンだけでなく基本的には他の解熱鎮痛薬も禁忌です。内服薬に限らず、肩こりなどに使う湿布薬にも含まれる成分ですので注意してください。

その他の環境因子

精神的ストレス、大気汚染や車の排気ガス、天候の変化(急な気温の変化)、シャワーなどの微粒子などには十分気をつける必要があります。

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②薬物によるコントロール

喘息の治療薬は使用目的によって2種類に分類されます。長期管理のために継続的に使用する長期管理薬(コントローラー)と喘息発作治療のために短期間使用される発作治療薬(リリーバー)です。また、長期管理薬はその薬の作用によって抗炎症薬(気管支の炎症を抑える薬)と気管支拡張薬(気管支を拡張させる薬)に2分されます。

長期管理薬

副腎皮質ステロイド

現在の喘息治療においてもっと効果的な薬です。ステロイド薬には吸入薬、経口内服薬、注射薬がありますが、喘息治療の基本となるは吸入薬です。喘息死を減少させることが証明されている薬も、この吸入ステロイド薬です。吸入ステロイド薬には、下表のように多くの種類があり、それぞれに吸入の仕方も異なるため、正しい吸い方の理解が必要です。
吸入ステロイドは喘息の急性増悪を抑制する効果があり、吸入ステロイドの使用を怠ると救急受診回数や入院回数が増加します。経口内服用や注射用のステロイド薬は吸入ステロイドを最大限に利用しても管理できない場合に用いる薬です。

吸入器の画像をクリックしていただくと、吸入器についての詳細が閲覧できます。

pMDI(加圧噴霧式定量吸入器)
キュバール

キュバール
(ベクロメタゾン)

オルベスコ

オルベスコ
(シクレソニド)

吸入動画吸入動画
DPI(ドライパウダー式吸入器)
フルタイド

フルタイド
(フルチカゾン)
吸入動画吸入動画

パルミコート

パルミコート
(ブデソニド)
吸入動画吸入動画

アズマネックス

アズマネックス
(モメタゾン)
吸入動画吸入動画

長時間作用型β2刺激薬:LABA

長期管理薬として使用できるβ刺激薬は長時間作用型のみで、吸入、貼付、内服薬があります。アメリカのFDA(厚生労働省)では、喘息治療としてのLABAの単独使用を禁じており、必ず吸入ステロイド治療との併用を推奨しています。副作用として振戦(手先のしびれ・振るえ)、動機、頻脈などが見られることがあります。

セレベント

セレベント
吸入動画吸入動画

ホクナリンテープ

ホクナリンテープ

吸入ステロイド/長時間作用型β2刺激薬の合剤

日本では現在アドエアとシンビコートの2剤が使用可能です。2種類の吸入薬を同時に吸入できますので、吸入手技の手間が省けます。

アドエア

アドエア
吸入動画吸入動画

シムビコート

シムビコート
吸入動画吸入動画

ロイコトリエン拮抗薬

ロイコトリエンという気管支収縮や分泌物(痰)の増加作用を有する物資の作用を阻害する薬で気管支拡張作用と気道炎症抑制作用を有する薬です。アレルギー性鼻炎合併喘息や運動誘発性喘息、アスピリン喘息に有効な薬剤です。

徐放性テオフィリン

テオフィリン薬は、本来は気管支拡張薬ですが、最近は抗炎症薬としての効果も期待されています。有効な血中薬物濃度の範囲が狭いため中毒症状(嘔気・嘔吐、振戦、けいれんなど)がでる人もいるため慎重に服用する必要があります。

発作治療薬

短時間作用型β2刺激薬

気管支を拡張させる作用があり、短時間に効果が現れることから、息苦しいときなどに一時的な症状改善効果が期待できますが、長期間の治療には向いていません。
頻回に使用すると、手が震えたり、動悸がしたり、寝つきが悪くなるなどの場合があり、心臓にも悪影響を与えます。

短時間作用型β2刺激薬
短時間作用型β2刺激薬

経口内服用・注射用ステロイド薬

重症発作時の治療に用いる薬剤です。長期間のステロイド全身投与には様々な副作用が伴いやすいです。そのため重症の発作に対して使用するときは比較的大量に用いて、早期に症状改善を行い、短期間の使用に留める事が原則です。

経口内服用
注射用ステロイド薬
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