神戸大学大学院医学研究科腎泌尿器科学分野

Division of Urology, Department of Surgery Related, Kobe University Graduate School of Medicine

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研究グループ

腎移植グループ

当施設では1985年に初めて生体腎移植を施行し、以後2024年12月末現在で、生体腎467例、献腎89例を行っている。当初は小児科腎グループより紹介された親子間が中心であったが、近年は慢性腎臓病患者数の増加に伴い、県内の諸施設より紹介頂くケースが増加しており、加えてマージナルドナーや免疫学的ハイリスクのケースにも取り組んでいる。安全性、低侵襲性が要求されるドナー腎摘除術においては、近年6cmの単孔式腹腔鏡下、もしくは後腹膜腔鏡下に行い、低侵襲性および腎機能保持の観点からも良好な成績が得られている。

基礎研究面では、 腎移植において不可避である虚血再灌流障害モデルを作成し、そのメカニズムおよび低減に向けた研究を行なっている。また種々の遺伝子多型が腎移植後サルコペニア、血液障害、骨粗鬆症に関与するかの研究を行っている。

移植領域は一般泌尿器科の他に、透析、免疫、感染症、小児泌尿器科、小児腎不全等の多岐にわたる知識が要求される。また、病院内での診療研究にとどまらず、移植医療の普及に向けた臓器提供や脳死にまつわる啓発活動の様な、院外での社会貢献事業に白衣を脱いで従事することも多く、決して楽ではありません。しかし、移植前後で患者さんのQOLが目に見えて改善するのが特徴的であり、移植外来や移植患者さんの会にゲスト参加すると、なおさらそれが実感できます。慢性腎臓病患者数が増え続ける現在、再生医療がどこまで発展するかは未知数ですが、移植こそが末期腎不全の唯一の根治療法であり、移植医のニーズは増大しています。我こそは、という同志の参加をお待ちしています。