神戸大学大学院医学研究科腎泌尿器科学分野

Division of Urology, Department of Surgery Related, Kobe University Graduate School of Medicine

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教室の歴史

当講座は本学が昭和23年に県立医学専門学校から県立神戸医科大学に昇格した際に開設されました。当初は泌尿器科単独ではなく、皮膚科泌尿器科学講座として初代教授の上月 実が就任いたしました。昭和27年の学制改革で新制大学発足の際も皮膚科と泌尿器科は一つの講座でありましたが、昭和37年に両科は分離独立し、上月 実が引き続き教授として就任しました。

昭和41年、京都大学出身の石神襄次が大阪医科大学泌尿器科学教授の前職から着任しました。着任当時、教室員は6名でしたが、退官した昭和60年には門下生は100名を越えています。この20年間に、内科・外科をはじめさまざまな分野に分散していた尿路生殖器疾患が専門科としての泌尿器科に集約されるようになり泌尿器科医の需要が急増してきました。この間教室として研究および臨床に特に取り組んできたのは、尿路生殖器腫瘍学、男性不妊、感染症の3分野であり学会も多数主催してきました。

石神は昭和60年に退官し、代りに助教授であった守殿貞夫が第三代教授として就任しました。従来の研究臨床の柱(癌、不妊、感染症)に新たに腎移植の分野が加わり、泌尿器科手術手技についても一層の改善を目指してきました。平成8年には守殿が病院長に就任、新病棟増築に寄与いたしました。平成13年には日本泌尿器科学会総会を主催、さらに守殿は日本泌尿器科学会の理事長を2期務めました。同門会の会員数も200名を越え、国内でも有数の泌尿器科学教室となりました。

平成17年4月1日から藤澤正人が前職の川崎医科大学泌尿器科教授から神戸大学大学院腎泌尿器科学分野教授に着任しました。研究は従来の4テーマに加え、遺伝子治療、再生医療等の領域に幅を広げました。また、手術支援ロボットを国内でもいち早く導入し、ロボット支援手術の発展に貢献しました。同時に、神戸医療産業都市における国産手術支援ロボット(hinotoriTM)の開発に重要な役割を果たし、現在hinotoriTMは日本国内で広く使用され、様々な術式に使用されています。藤澤も、日本泌尿器科学会総会等の大規模な学会を多数主催した他、日本泌尿器科学会理事長等の学会の要職を歴任した後、神戸大学学長に就任しています。

令和5年12月1日に三宅秀明が前職の浜松医科大学泌尿器科教授から神戸大学大学院腎泌尿器科学分野教授に着任しました。従来の研究テーマに加え、基礎系教室とのコラボレーション、医療デジタル技術に関する研究など、ベンチからベッドをモットーに研究成果を臨床に還元すべく精力的に取り組んでいます。現在、臨床実績、学会および論文発表数ともに国内有数の教室として発展を続けています。