小児科診療案内
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診療内容

さくらグループ(神経・筋・発達行動・代謝・内分泌・遺伝)

小児医療センターの紹介 -さくらグループ-
 神戸大学小児科では伝統的に、神経グループ、発達行動グループ、筋・代謝・内分泌グループにわかれて診療や研究を行ってきました。しかし、以下の3つの背景を受けて、2015年からは各グループをあわせたチームでの診療体制となりました。
① 神経疾患、筋疾患、発達障害、代謝疾患、内分泌疾患は併存する。
 (例:神経疾患や筋疾患に発達障害が合併する。代謝疾患は発達障害の原因となる)
② 同じ症候の鑑別疾患が複数の領域にまたがる。
 (例:けいれんの原因に、てんかん、低血糖、低Ca血症、高アンモニア血症がある)
③ 疾患どうしが相互に影響する。
 (例:慢性難病により発達行動の障害が顕れる。甲状腺機能異常がてんかんを悪化させる)
 さらに、「遺伝」領域の専門家や、「遺伝」の国内留学を経たメンバーも加わり、「神経・筋・発達行動・代謝・内分泌・遺伝」の幅広い領域をひとつのチームで診療することとなり、2016年からは「さくらグループ」の呼称で活動しています。
診療業務・診療実績
 
 さくらグループの診療範囲は、神経疾患、筋疾患、発達障害、代謝疾患、内分泌疾患、遺伝性疾患と幅広いです。2018〜2020年の入退院患者数は年間約200人でした。てんかん・けいれん性疾患、脊髄性筋萎縮症、筋ジストロフィーの入院数は、それぞれ年間20人を超えています。てんかんに対しての長時間ビデオ脳波検査、脊髄性筋萎縮症や筋ジストロフィーに対しての新規治療は、県内や西日本でも有数の実施件数であり、高いアクティビティを保っています。MCAD欠損症・VLCAD欠損症、プロピオン酸血症・メチルマロン酸血症、OTC欠損症などの先天代謝異常症も数多く診療しており、県内外の多くの患者さんをご紹介頂いています。さらに、脳炎、視神経炎、炎症性脱髄疾患、結節性硬化症、重症筋無力症、1型・2型糖尿病、低身長、副腎不全、バセドウ病など、幅広く診療しています。発達遅滞、発達障害、麻痺、不随意運動、低血糖などの症候を認めた患者さんにおいては、原因を明らかにするべく、神経・筋・発達行動・代謝・内分泌・遺伝のあらゆる視点から知恵と経験を集めて診療を行っています。
 また、慢性難病を有する患者さんは感染症や原疾患の急性増悪にて救急入院されることがあります。その際には、チーム一丸となって、感染症対応、呼吸循環管理を行いますが、集中治療を要する状況では、救急・集中治療センターと協力しながら診療を行っています。慢性難病を有する患者さんには、気管切開、在宅酸素療法、在宅人工呼吸、在宅経管栄養などの医療的ケアを要する患者さんも少なくありません。「こどもとその家族のために」という価値観を大切にして、看護師、小児外科医、患者支援センター、ME機器センターとも協力しながら、自宅で少しでも快適に過ごせるように全力を尽くします。
診療体制・メンバー
 
 神経・筋・発達行動・代謝・内分泌・遺伝の各領域に精通した専門家は、それぞれの領域の診療能力を高めるべく日々精進しています。各領域の専門家の知恵と経験を集めて、相乗効果を発揮することで、専門的に、かつ、総合的に診療を行っています。
さくらG入院診療体制 メンバー
専門診療アドバイザー 永瀬裕朗、粟野宏之
診療チーフ 西山将広
領域別チーフ 冨岡和美、坊亮輔
コアスタッフ 山口宏、徳元翔一、南部静紀、洪聖媛、花房宏昭
ローテートスタッフ 小児科専攻医および初期臨床研修医 数名


 
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