神戸大学 医学部付属病院

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小児科学 6年生(取材当時) 辻 ゆり佳「臨床現場の疑問を解決するプロセスを経験することができた。」

※専攻・学年は取材時のものです。

写真:辻 ゆり佳

Q.いつ頃から医学研究コースを履修しようと考え始めたのですか?
またそのきっかけは何ですか?
私が小児科学分野の研究室に所属し始めたのは1年生の夏です。もともと研究に興味があり、学部生のうちから研究を行いたいと思っていました。臨床の研究室に興味があったものの学部生がどの程度研究に携わることができるのか不安に思っていましたが、1年生のカリキュラムで小児科の先生に直接お話を伺う機会があり、学部生でも十分に研究に携わることができると歓迎してくださったことがきっかけとなりました。臨床研究の面白さに気づき、その後も小児科学分野の研究室で研究を続けていきたいという思いから2年生で医学研究コースを履修しました。
Q.この分野を選んだ理由は?
私は小児科医になりたいという思いで医学部を受験しました。そのため小児科の分野で、とくに遺伝性腎疾患の最先端の研究に携われるということは大変魅力的でした。

写真:辻 ゆり佳

Q.このプログラムの魅力は何ですか?
学生のうちから本格的に研究に携われる点です。その分野の第一人者の先生方から実験内容や論文の執筆方法を丁寧に指導して頂き、論文や学会の発表の機会を得たことで、成果を形として残せたことは大変な喜びです。先生方が研究と臨床の両方の分野で活躍されている姿を拝見し、小児科医としての将来像を描くことができました。ロールモデルとなる先生方に出会えたことは私にとって一生の財産です。
Q.現在の取り組み、今後の取り組みを教えて下さい。
Frasier症候群という腎障害と性分化異常をきたす遺伝性疾患を対象として、in vitroの実験によるスプライシング機構の解析やシステマティックレビューを用いて発症機序の解明や重症度の評価を行いました。この結果をもとに学会での口頭発表、論文発表を行いました。今後も遺伝性疾患の研究に携わり、治療法の開発等により多くの患者さんを救うことを目標としています。

写真:辻 ゆり佳

Q.このプログラムに参加し、得たことがあなたの将来にどのように活かされると思いますか?
研究活動を通して、論文を読む力やディスカッション力が向上したと感じています。これらの能力は臨床医としても重要なものであると考えます。また臨床現場から疑問を見つけ出し解決していくプロセスを経験できたことは、将来研究テーマを設定していく上でとても役に立つと思います。研究に興味があるという漠然とした気持ちが、将来研究を通して医療に貢献したいという確固たる思いになりました。
Q.これから履修を考えている学生へ一言
学生生活は自分で時間の使い方を決められる貴重な時間です。その時間で是非自分に投資して下さい。研究の経験は将来どんな道に進んでも必ず役に立つと信じています。研究は大変だというイメージがあると思いますが、授業や部活とも両立することができます。興味があれば是非、研究の世界に足を踏み入れてみて下さい。