神戸大学 医学部付属病院

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神経生理学平成27年度卒業生佐藤 駿介「自我」の実態を知りたい。「記憶」の機序を解きたい。

※専攻・学年は取材時のものです。

写真:佐藤 駿介

Q.いつ頃から医学研究コースを履修しようと考え始めたのですか?
またそのきっかけは何ですか?
元々入学時から基礎研究志望だったので研究室には3年後半以降も自主的に行かせてもらおうと思っていました。そこでこのコースがあることを知り色々と援助が受けられると聞きましたが、その時点ではコースに入った場合は規則通りに必ず神戸大学の院にダブルコースとして進学しなければならないのだと思っており受講をためらっていました。しかし詳しく聞いてみたところ進路に関しては本人の意思を尊重するとのことでしたので入っても損は全く無いと判断し受講することにしました。
Q.この分野を選んだ理由は?
大学に入学するずっと前から「自我」の実態を知りたいと思っており、多分、自我を構成する最も重要な要素である「記憶」の機序を解きたいと考えていました。そこで、主に学習•記憶の中枢である海馬を使って研究をしている、森先生の神経生理学分野を選びました。

写真:佐藤 駿介

Q.このプログラムの魅力は何ですか?
やはり金銭的な援助が最も嬉しかったです。関東の方などかなり遠くで学会や発表会、サマースクールなどがあったときでも、交通費や参加費、宿泊費を出していただけるため悩まず参加できました。また勉強のための書籍、実験のためのソフトウェアの購入も金銭的な負担無しで行えるので、非常にスムーズに実験を進められています。
Q.現在の取り組み、今後の取り組みを教えて下さい。
現在は海馬(脳の一部。解剖を習った2年生以降の人は知っていますね。)におけるグリシン(アミノ酸の一種で神経伝達物質です)受容体の発現の仕方について調べ、それをもとにグリシン受容体の海馬での機能についての仮説をいくつか考えています。今後はそれで得られた仮説を検証していき、最終的な解を求めたいです。

写真:佐藤 駿介

Q.このプログラムに参加し、得たことがあなたの将来にどのように活かされると思いますか?
2年間実験すればどんな形であれ必ず論文にすることはできるので、基礎に進む場合はもちろん、臨床に進む場合でも「名刺代わりの論文」を持っていることは他の人たちに対して大きなアドバンテージとなります。マッチングでも非常に有利でしょう。ちなみに私の場合は、Ph.Dを海外で取りたいのでその選考のときに有利になると思っています。
Q.これから履修を考えている学生へ一言
基礎研究志望なら迷わず受講しましょう、あらゆる面から考えても少なくとも損はないです、得はあります。ただ実際は基礎か臨床で迷っている方が多いかと思います、しかし「迷う」必要がそもそもなく、学生、及び医者になってからもしばらくは両方やれば良いのです。それが可能なことも本コースの大きな利点だと思います。という訳で、かなりフレキシブルなコースなので様々なニーズに答えてくれるでしょうから、一生臨床しかやらん!という方以外は受講してみると良いと思います。